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結婚式にかかるあの曲

これが、フェリックス・メンデルスゾーンの結婚行進曲です。メンデルスゾーンが、34歳のときに完成させたもので、ウィリアム・シェイクスピアの『夏の夜の夢』の劇付髄音楽。シェイクスピアの『真夏の夜の夢（A Midsummer Night's Dream）』もまた結婚式のために作られた戯曲。演奏会用序曲は、17歳のときに作曲していますが（姉と連弾を楽しむために！）、劇のための音楽として完成させたのは1843年（34歳）。

もうひとつの有名な結婚行進曲は、ワーグナー

こっちはリヒャルト・ワーグナーの曲です。

夭折の天才　フェリックス・メンデルスゾーン

フェーリクス・メンデルスゾーンは1809年に自由都市ハンブルクで誕生します。死去するの1847年。38歳です。死因は疲労または脳卒中。過密なスケジュールと神経症の悪化、それに加えて、姉の死が重なり、現在はドイツのライプツィヒで死去。最期の言葉は「Ich bin müde, schrecklich müde.（疲れたよ、ひどく疲れた。 ）」

ライプツィヒはここ。

ユダヤ人で、父が銀行家、姉ファニー。（ファニーも音楽の才能が豊かな演奏家で作曲家）。フェリックス・メンデルスゾーンは、ゲーテをしてモーツァルトよりレベルの高いと言わしめるほどの神童でした。美術、文学、語学、哲学（おじいちゃんが哲学者のモーゼス・メンデルスゾーン）、言語にも精通し、ドイツ語、ラテン語、イタリア語、フランス語、英語を話していたとのこと……という感じで、軽く天才感満載です。

ライプツィヒ音楽院を設立

ライプツィヒ音楽院は、『夏の夜の夢』を完成させたのと同じ年、1843年にフェリックス・メンデルスゾーンによってとして設立した音楽院。ドイツで最初の重要な音楽大学であり、初代院長にはメンデルスゾーンが就任しています。1901年に日本より瀧廉太郎が留学しています。1992年に演劇学部を開設して拡張し、現在はおよそ900人の学生が在籍しています。

バッハを復活させたのもメンデルスゾーン

ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、当時あまり高名ではなく、しかし一部の音楽家たちの間では評価されて続けていました。フェリックス・メンデルスゾーンの大叔母であるSarah Levy(ザラ・レヴィ）は、バッハの息子のヴィルヘルム・フリーでマン・バッハの教え子であり、その流れもあってバッハ一族の自筆譜を収集していました。また祖父のベラ・ザロモンもバッハの写譜を所有しており、フェリックスはそれを手に入れての1829年（フェリックスが20歳のとき）に、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの「マタイ受難曲」を蘇演しました。これでメンデルスゾーンも名声を得て、バッハの作品も復活しはじめました。今日、バッハがこれほどまでに有名になったのは、1829年にフェリックス・メンデルスゾーンがバッハのマタイ受難曲を演奏したからなんです。

シャーロック・ホームズもメンデルスゾーンを弾く

シャーロック・ホームズも『緋色の研究（A Study in Scarlet）』のなかで、ワトソンのリクエストにこたえて、メンデルスゾーンの歌曲をバイオリンで演奏しています。

メンデルスゾーンはなぜ死ぬほど忙しかったのか

ロマン派の時代（1800年代初頭〜1900年代）に入り、音楽家たちは、雇われからフリーランスに変わっていきます。著作権などない時代のため、お金を稼ぐには演奏会、家庭教師、楽譜など労働集約的に稼ぐ必要がありました。これがメンデルスゾーンが多忙だった理由です。少し前のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト（1756–1791）もまた多忙でした。

シェイクスピアの『夏の夜の夢』とは

1594年から1596年ごろに作られたウィリアム・シェイクスピアの喜劇。舞台はアテネ近くの森（でもイメージはシェイクスピアの故郷の近くにあるアーデンの森だと推測される）。

ユダヤ人のメンデルスゾーン

ユダヤ人の家系であったメンデルスゾーン家は迫害を受けることが多く、それはキリスト教への改宗後もほとんど変わりませんでした。それでもフェリックスの業績・影響力は強く、終生ドイツ音楽界の重鎮として君臨していました。死後は再び反ユダヤ主義のあおりを受けて過小評価されてしまいますが、今日では再評価されています。

こっちも素敵『ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64』

メンデルスゾーンが1844年（35歳）に作曲したヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲。

まとめ

フェリックス・メンデルスゾーンとは、38歳で死んじゃうドイツのロマン派の音楽家。結婚行進曲とヴァイオリン協奏曲の人。お姉ちゃん大好き。お姉ちゃんが死んだときにつらすぎて参ってしまう。多忙。ライプツィヒの音楽院を作った人。ヨハン・セバスティアン・バッハを復活させた人。ユダヤ人。

参照