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PAELLAS『sequentinal souls』

形見

PAELLASの2ndアルバムということだが、初見で私が一気にアルバムを聴き通している中で感じたことは自分の親が亡くなり遺品整理をしている時に出てきた60年代のボブ・ディランのアルバムのようだと思った。聴いていたのは電車の中だったのだがこのアルバムのアナログ感。全体的にジャジーで打ち込みされているリズムセクションは完璧に現代音楽なのだがここまで聴いて懐かしく、未来に完結するようなアルバムを2019年に出会うとは思わなかった。60年代エレキギターに持ちかえたディランはブーイングと共に干されかけたが彼は自分のスタイルを貫いているだけという主張でリスナーと闘った。
PAELLASにもディランと同じようなモチベーションに闘争意識を感じる。M2がそれを象徴するような曲だ、自分達はこの曲で闘っていくという、しかも今のロックバンドを冷めた目で見るようなクールな立ち位置はM3.M4と続きカッコいい。M5のグルーヴィさも隙がなく気持ちがいい。[wayhome]からのM5.M6は圧倒的に60年代を今に再現したようなR&Bに仕上がっているし、M7のインストでは余裕も感じられる。これがPAELLASだとも言わんばかりに他のバンドと一線を引いている。このアルバムはロック色よりもアンビエントな曲が目立つが近年のフォーク・ミュージックと代わり映えのしない素晴らしいアルバムだ。M11を是非聴いてほしい。

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