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ひび割れ看板を愛でる

アクリル製の看板に使用されている印刷シートが年月とともに風化し、
縮み、ひびが入る。
その様子を毛細血管と例える人もいれば地図のようだと言う人もいる。

幾何学的のようでもあり、有機的な表情を見せたり
風化の仕方は様々である。


地図タイプ

照明が灯るとさらに美しい

オーソドックスなタイプ。
垂直と曲線で構成されるヒビが多摩ニュータウンの道路を彷彿とさせる。
「都市計画型」とも呼ばれる(自分の中で)

こちらは近所の多摩ニュータウン南部地図。
似てる。


絶叫アトラクションタイプ


内容とビジュアルのギャップが素晴らしい!


近所の和菓子屋もこのタイプのヒビ看板だったんだけど
ちょうど撮りに行く前に新調しちゃったんだよね。
”ヘビーメタル和菓子屋” 見せたかった……


その絶叫系がさらに風化するとこんなふうになる↓

ここまでくるとやりすぎ感が出てくるが
「居」の下の縦の亀裂は諸手を挙げて評価したい。
飛び出せ、青春!
裂けろ、看板!
お前はお前の道を行け!


印象派タイプ


芸術性の高さに見惚れてしまう

タッチで魅せるニクい演出。超かっこいい!
文字とのバランスも最高。間違いなく国宝級。

ちなみに裏はひび割れ無し。
やはり直射日光が当たる面はダメージが顕著。

比べると味気がない…


擬態タイプ


そういうフォントかな…と思ったが目を凝らすと


ひび割れだ!


元の角ばったデザインがヒビ浸食を受けて
温かみのあるフォントになっている。


文字割れタイプ

これは文字の内側に細かい亀裂が入っているタイプ。
美しく、状態が良いものが多い。


これだけで絵になっちゃうのだが、


いかにも学習塾という
実直さを感じるヒビである。

文字割れタイプには堅実な職業観が表れているようにも見える。

あまりにもマッチしすぎて元々そういうデザインだったのではないかと。
かっこいいわぁ!


「 五 差 路 整 骨 院 」
映画のタイトルになりそう


ファンダメンタルドメイン(基本領域)かフラクタルか
そういう幾何学的なものが見えてきそうだよね…。
美しい。
額に入れて飾りたい。


めくれタイプ


角がめくれて丸っこいデザインになっている。
細い文字でよくあるパターン。
Photoshop の ダスト&スクラッチのようだ。


めくれ字は哀愁を感じる…


どんな表情で語っていたのだろう…?

ざっと6種類に振り分けてみたけれど他にもいろんなタイプがあると思う。
今後発見したら随時ここに追記したい。


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