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ちょっと面白い楽典シリーズ、2

今回はギターや弦楽器一般に使えるハーモニクスの原理と構造そして演奏のコツです。


普通にクラシックギターを学んでいる方は、初級の終わりぐらいでしょうか?ハーモニクスと言ってharm.12やharm.7などが出てきます。
最初は自然ハーモニクス(左手でフレットを押さえない)段々と人口ハーモニクス(左手でフレットを押さえてずれたポイントを右手の人差し指で触り、aの指かpの指で弾弦する方法です)と進みます。
さてこれがどうして弦の一部を触って弾弦するとあのような高い音が出るのか?これは倍音列というものに関わって来ます。

各倍音と倍音列
基音のn倍の周波数を持つ倍音を第n倍音と呼び、倍音を順に並べたものを倍音列という。高次倍音ほど隣り合う倍音の音程が狭まるのが特徴で、各倍音の音程関係は基音の音高に関係なく維持される。

『ウィキペディア(Wikipedia)』

これでは何のことか分かりませんね。元々音程はある音(ドにしましょう)を楽器で(ピアノにしておきましょう)鳴らすとまず低い音のㇻを鳴らすと最初に大きく倍音で振動するのがオクターブ上のラ、次がその5度上のミという風に響く順番が科学的に決まっているのです。
これが弦楽器で言うと等倍間隔に当たるわけです。
もう少しだけ細かく言うと、ギターの音は(すべての楽器ですね)基音と倍音で成り立っていて、倍音は基音の周波数の整数倍(上のn倍というやつです)の周波数を持っていて、その含まれ方によって音色が変わってくるのです。 そんな倍音自体を響かせて本来の音の整数倍の高い音を奏でる奏法がハーモニクス奏法という事になります。
さてさて、そんなわけでギタリストの為の倍音・倍列の譜面を作ってみました。

この表では6倍音で止めましたが本当は16倍音まであります。

さてこの図の説明していきますね。これは全てギターの⑥弦がモデルになっています。倍音が多く聴こえる順番が2等分、3等分と続いていくという事は
その長さの弦の音程になっているとも言えますね。まず、⑥弦の
12フレットを触りまして弦を弾弦します。
これで④弦の2フレットと同じオクターブ上のミが鳴りました。ここで早速もう一つ実験しましょう。
左手で⑥弦の12フレット触ったら、そのポイントより右下で弾弦しますよね。でも右上(12フレットより上)で弾いても同じ音が出ます。
2等分だから当たり前ですがこれは覚えておきましょう。

次に3等分割点に当たる7フレット、そして3分割ですから分割点はもう一つ19フレットにありますね。ここを触って弾弦すると②弦の開放弦と同じ音がします。同じように4分割は1/2は2分割と同じ場所ですから、5フレットと24フレット(もうフレットありません)なのです。フレットなければ分からないではないか!という方は定規を持ってきて0フレットから5フレットまで計って、ギターの駒から上に同じように距離を測るとどこだか分かります。

さて、問題はここからです。5分割はちょっと面白いことが起きますね。
上の図からも皆さんが一番使っている5分割ハーモニクスは9フレットでしょう。なぜ?距離で言ったらもっと短い4フレットあたりにあるはずなのに。
そうなんです!4フレットでは5分割のハーモニクスが綺麗に出ないのです。
4フレットー1/4です。何故こんな事が?それはフレットが平均律で打ってあり今皆さんにお話ししているハーモニクスは純正率のことでして、オクターブオクターブ+5度はこの二つに大きな違いは無いのですが2オクターブ+3度の3度が誤差が出るのです。では9フレットは何故ぴったりなの?いいえ実はピッタリではありません。少しだけ糸巻き側(ーと呼びます)ー1/8ぐらいが良く出ます。まだ分割点はありますよ。14フレット+1/8ぐらいです。
もう一つはフレットなさ過ぎてサウンドホールのわっか飾りのところぐらいにあります。先述した通り0フレットから4フレットー1/4までの距離を測って駒から逆に計って探してくださいませ。

6分割は5分割と同じ理由でフレットにずれが生じて3フレット+1/4ぐらいの場所。3分割点と同じ分割点は省きますし、7フレットと19フレットの間も12フレットですのであとは駒から10cm6~7mmの所でした(すいません私は660mmのサイズのギターしか持っていないので少し大きめかと思います。)これ以上の分割はもう楽器の限界で実際に鳴らなかったり、使用頻度も低いため(人口ハーモニクスの方が弾きやすい事もあり)に私の表も
ここまでにしてあります。

さて、ここからが肝心なハーモニクスが上手く鳴らない為の講座です。

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