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まえがき

新しいアイデアや発想は人の探求心と、それによって得られる知見から生まれるのではないか、とあらためてデカルトの「方法序説」、「省察」を読んで思いました。

「知る」ということは自分が変わる、ということです。
自分が変わるとどうなるかというとものの見方が変わります。(と、よく言われます)
何かに興味を持って調べたり、本を読んだりしてそれまでまったく気づかなかった、予想もできなかったようなことを知れば、きっと誰もが驚き、そして同じものを見てもそれまでとは違うものに見えるようになるでしょう。

養老孟司は「方法序説」を読んだときのことを次のように語っています。

本がその人にとってブレークスルーになるような時代は過ぎてしまったのではないかと思いますが、私の場合、自分の人生を振り返ると、本のおかげだったという気がします。
大学院に入るとき、ちょうど試験を受けるころでしたが、デカルトの『方法序説』を初めてちゃんと読みました。
非常に影響を受けました。物事を明晰に語る、クリアに語る、しかも論理的に語っているからです。
<中略>
医学生が基礎医学をやるか、臨床医学をやるか。
選択しだいで一生の生き方が変わってしまう。
そういう自分の人生をかけて本を読んだとき、初めて影響を受けます。
<中略>
私は、哲学というのは根本的に人生の講師というか、人生そのものを語るということだと思っていました。デカルトの場合はそれだけではない。
本当に職業選択のために読めたのです。
同じ活字が見方が違えばまったく違ってくるという体験です。

「バカにならない読書術」養老孟司


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