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奥ゆかしき美

香梅、観梅、零れ梅
ある雑誌で学んだ言葉です。
春の訪れを香りで知らせ、楚々とした花を楽しませてくれたあと、ひっそりと花を落とす梅。

何とも趣のある言葉です。
寒さが身に染み入るなか、ほのかな香りとともに、凛とした姿を現し、その姿は人々に春へのときめきを与えてくれる。
そして、心に春への想いを温めたあと、その温もりを冷めさせぬようにと静かに去ってゆく姿。
控え目で、身を引く姿は桜のようにけっして派手ではないが、しっかりと人々の心に存在を残してゆく。
その姿に奥ゆかしき美を感じる。
ゆえに、梅にはほころびを見せた時から、素敵な名が付けられているのだろう。

梅に倣い、静かに人々の心に残る、深みある品を纏った人になりたい。

京都 北野天満宮 2024年2月12日撮影

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