四君子

美しいもの、美しいことが好き。 感性の赴くままに綴っています。 誰かの心に響けば嬉しい…

四君子

美しいもの、美しいことが好き。 感性の赴くままに綴っています。 誰かの心に響けば嬉しいです。

最近の記事

情趣ある言葉

山滴る。。。 山笑う 山滴る 山装う 山眠る。 俳句の季語です。 語源は、中国の宋北の画家「郭熙」(かくき)の「山水訓」、 「春山淡治にして笑ふが如く、  夏山は蒼翠にして滴るが如く。  秋山は明浄にして装ふが如く、  冬山は惨淡として眠るが如く」 のようです。 これは、山水画を描く際の遠近法や着眼点を述べたものだそうです。 山滴る、 木々の葉が青々と瑞々しく、緑が滴る様子を表したもので、私はこのように比喩された感性の琴線に触れる情趣ある言葉がとても好きです。 多くの

    • 風情なる銘

      夜の闇に浮かぶ梅の花~ 「夜の梅」ーとらや 羊羮菓銘 ご存じの方も多いかと思いますが、 「羊羮の切り口の小豆が、夜の闇にほの白く咲く梅の花を思わせることに由来します。」 ーとらやより この季節になると、必ず思い起こさせられる趣きある風景です。 和菓子は五感の芸術と言うそうです。 (視覚・味覚・嗅覚・聴覚・触覚) 視覚・味覚・嗅覚・触覚は言うまでもありませんが、聴覚とは? それは「銘の響き」です。 美しいですね。 感性豊かな日本人の心に感心します。 和菓子の生菓子の多くに

      • 幽玄なる美

        闇夜に浮かぶ華麗な姿。 可憐な花びらは昼間は優しく輝くかのような微笑む姿を見せ、夕暮れとともに徐々に夜には大人びた美しさを纏いはじめ、妖艶ささえ感じられる姿に変わってゆく。 夜の帳(とばり)が桜という華やかで贅沢な美しさを、一層帯びさせていく。 その姿はどこか幽玄な世界へ連れて行かれそうな錯覚に落ちていくようである。 その反面、短い命をも持つ儚さも持ち合わせている。 幽玄なる美、そして儚いからこそ美しい桜。

        • 桃源郷への誘い(いざない)

          春を代表する花、梅と桜。 「梅は香りに桜は花」 「散る桜薫(かおる)は梅」 と言う言葉もあります。 京都 城南宮では、梅の香(か)に誘われて 足を運ぶと、そこには幻想的な世界が広がっていました。 紅梅の花言葉は「優美」、「艶やか」 白梅の花言葉は「気品」、「上品」 だそうです。 これらの美しい言葉を持った梅たちが各々の 美しい姿で誘って来ます。 気がつけば周り一面を梅に包まれ、そこはまるで梅が織り成す世俗を離れた桃源郷へ誘(いざ)なわれているかのように、私たちを異世界へ

        情趣ある言葉

          奥ゆかしき美

          香梅、観梅、零れ梅 ある雑誌で学んだ言葉です。 春の訪れを香りで知らせ、楚々とした花を楽しませてくれたあと、ひっそりと花を落とす梅。 何とも趣のある言葉です。 寒さが身に染み入るなか、ほのかな香りとともに、凛とした姿を現し、その姿は人々に春へのときめきを与えてくれる。 そして、心に春への想いを温めたあと、その温もりを冷めさせぬようにと静かに去ってゆく姿。 控え目で、身を引く姿は桜のようにけっして派手ではないが、しっかりと人々の心に存在を残してゆく。 その姿に奥ゆかしき美を感

          奥ゆかしき美