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【離島医療の限界】アキレス腱を切った時、離島だとどうなるか

剣道で妻がアキレス腱を切った。

種子島で、家族みんなで剣道を始めました。
私は埼玉で去年から突然思い立って始めましたが、種子島の剣友会で受け入れていただきました。そして、私が通ううちに家族も興味を持ち、全員で剣道生活をスタート。

妻は小学生の頃に剣道をやっており、基礎ができている。さらに、高校時代の空手経験もあり、筋が良い。

そこに、種子島の先生たちは、褒め上手ときました。そうなると、、、調子に乗るのが人間というもの。普段の運動不足を忘れ、気持ちよく稽古に励んでいたところ、ブチッといったようです。

最初、ちょっとした怪我かなとも思ったようですが、誰も周りにいないのに、誰かにぶつかったと言っている。これは…アキレス腱を切ったときの典型的な症状…。その場にいた皆さんは、心配をして、とてもよくしてくださる。さて、問題はここからです!

問題1  救急病院探し

怪我した日は、土曜の夜。元々病院の少ない種子島。近くの公立病院に整形外科の先生はいない。すぐに診てもらいたいけど、どこへいけばよいのやら。

➡️解決策
先生方に聞いたり、電話をしたりして、ようやく、車で1時間の、島で1番の病院で診てもらうことになった。荷物をまとめて、子どもたちにも稽古を引き上げてもらい、片足しか動かせない妻をおぶって、車へ。ここで、、次の問題。

問題2  車のガソリン不足

車に乗り込んで少し走ったところで、我が家の車のガソリン残量が残りわずかで、40km先の病院までは辿りつけないことに気づく。しかも、島では、ガソリンスタンドはどこも19時まで。時計をみると、20時半。こりゃ困った、困った。

➡️解決策
すぐ近くの、同じ宇宙留学の友達家族に電話をかけ、助けを求める(とてもありがたい友人家族)。車を借してくれると言ってくれ、さらには子どもたち2人まで預かっていただくことに。
そして、そのお借りした車が快適そのもので、病院までの1時間の道程があっという間だった(横で妻はだんだん痛みが強くなる)。そして、無事に救急診療をうけた。時間はすでに22時。でも、とりあえずは安心。

問題3  病院選び

でもここで終わらない。とりあえず、仮ギブスで固定して週明け月曜に再来院で精密検査という指示。おそらく手術だろうと。真夜中の街灯もない道をドライブして帰宅。

しかし、、、どこで手術をするのか。やるならちゃんと病院を選びたいところだが、選択肢はあまりない。地元の方々に聞くと、本土の鹿児島市が良いと。移動手段は、飛行機か、高速船か。いずれしても遠い。。。松葉杖をつきながら通うのを想像すると、なかなか難しそう。病院事情の良い埼玉に戻って、治すか。はてはて…。とりあえず寝てから考えよう。

問題4  スケジュール

手術と、入院と、リハビリ。
あまり遠いと、本人も家族も負担が大きい。慣れぬ地での手術の不安、入院生活の不安、さらに、入院中は子どもたちをどうするのか。私がお見舞いにいくのも、車で1時間。本土鹿児島市なら1日がかり。

その間に予定している、宇宙留学生ならではの、子どもの貴重なさまざまなイベントはどうするのか。種子島では、毎週のように何か子どもたちのイベントがある。妻も、せっかくの種子島の夏、サーフィンとか海遊びとか、いろいろやりたかったろうに。

さらに、上の子の小学校と、下の子の幼稚園。夫の私は、平日は朝から夕方までリモートワークをしている。仕事の裏で、送り迎えと、食事と、諸々の家事と、子どもたちの遊びと、妻と。何がどこまで出来るのだろうか…。

結論 埼玉で手術

妻は、下の子と埼玉に数週間戻って、手術もしてじっくりと療養します。種子島では、私と長男の男2人の生活に。楽しくおかえり、と迎えられるように、がんばります。

補足 島の人たちのやさしさ

狭い島社会。多くの人たちが妻の怪我を聞きつけて、連絡をくれたり、わざわざ車でお見舞いを持ってきてくださったり。みなさん、「出来ることがあったらなんでも言ってね」と。それは、社交辞令ではなく、本当になんでもしてくださるんです。やはり、不便ではあるけれど、温かく、幸せな島生活であることを改めて感じています。ありがとうございます😊


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