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【保存版】【GA4】セグメントで取得されるデータを図解する - ユーザー・セッション、条件グループ・シーケンス

Reproでマーケティングコンサルタントをしていると申します。
GA4のセグメントで取得されるデータについて、自社の研修資料も兼ねて図解してみました。

アクセス解析ツールを触ったことがない方が入社された際、「セグメントを利用した際にどのようにデータが取得されるか」イメージを持てていないことが特に多かったです。
そこで、いつもは紙で解説していた内容をコンテンツとして整えてみました。


セグメントとは

セグメントとは、全体のデータから見たいデータを切り分けるための機能です。こんなデータが見たい!と思ったときにこの機能を利用するとデータを可視化することができます。

  • データ例

    • 商品詳細ページを3回以上閲覧したセッション数

    • 特集ページを閲覧した後、購入したユーザー数

    • TOPページのポップアップ経由で動画再生したユーザー数、など

セグメントを理解するうえでのWebの基礎知識

セグメントの解説に入る前に、イベント、セッション、ユーザーについては理解しておく必要があります。(知ってるよ!という方はスキップしてください)

イベントとは

ユーザーの行動データの最小単位です。ページの閲覧、ボタンのクリック、動画の再生などがイベントに該当します。イベントは点というイメージを持ってもらうと良いと思います。

セッションとは

ユーザーがウェブサイトやアプリを訪問してから離脱するまでの一連の行動を指します。一連の行動はイベント(点)の連なりなので、セッションは線というイメージで捉えてもらうと良いと思います。

ユーザーとは

ウェブサイトやアプリにアクセスする個々の人物を指します。ユーザーは一意の識別子で識別されます。複数のセッション(線)を包括する形になるため、ユーザーは面というイメージで捉えてもらうと良いと思います。

これらを踏まえたうえでGA4のセグメントについて解説していきます。

セグメントの種類

GA4のセグメントは「ユーザーセグメント」、「セッションセグメント」、「イベントセグメント」の3つがあります。

更にユーザーセグメントには「シーケンス」という機能があります。「シーケンス」を使うとイベントの順序(ページAの後にページB、など)を条件として指定できます。

それぞれデータの切り分け方(正確にはスコープとする範囲)が違ってくるのですが、ここの理解が最初はなかなか難しいと思います。
私もWeb業界に入ったばかりの頃は理解するまで時間がかかりました…!

それでは、実際にセグメントがどういう風にデータを切り分けているのか、分かりやすく図解していきます。

セグメントで取得されるデータの違いを図解する

ある期間の3ユーザーの行動データを用意しました。このデータにセグメントをかけて問題形式で図解していきます。

  • 考えていただきたいこと

    • 「セッション」「総ユーザー数」「表示回数」がいくつになるか

    • どうして上記の数値になるのか

「セッション」「総ユーザー数」「表示回数」はざっくり言うとGA4における「セッション数」「ユーザー数」「ページビュー数」です。

セッション セグメント・条件グループ①:「ページパス+クエリ文字列」で「詳細」を指定した場合

まずは答えの書かれていない行動データを見て各指標がいくつになるか考えてみましょう!!!

(解答)
まず、セグメントで指定した「詳細」ページ閲覧イベントが抽出対象となります。(赤色部分)
今回はセッションセグメントを使用しているため、データのスコープは「詳細」ページ閲覧イベントが発火しているセッションとなります。(オレンジ部分)
よってセッションは「4」、セッションを包括している総ユーザー数は「3」、表示回数はオレンジ色のセッション上のイベントを数えるので「12」となります。


セッション セグメント・条件グループ②:「ページパス+クエリ文字列」で「特集」と「購入完了」を指定した場合

(解答)
まず、セグメントで指定した「特集」と「購入完了」のページ閲覧イベントが抽出対象となります。(赤色部分)
ポイントは「特集」と「購入完了」は順不同であることです。
今回はセッションセグメントを使用しているため、データのスコープは「特集」と「購入完了」のページ閲覧イベントが発火しているセッションとなります。(オレンジ部分)
よってセッションは「2」、セッションを包括している総ユーザー数は「2」、表示回数はオレンジ色のセッション上のイベントを数えるので「9」となります。


ユーザー セグメント・条件グループ①:「ページパス+クエリ文字列」で「詳細」を指定した場合

(解答)
まず、セグメントで指定した「詳細」ページ閲覧イベントが抽出対象となります。(赤色部分)
今回はユーザーセグメントを使用しているため、データのスコープは「詳細」ページ閲覧イベントが発火しているユーザーとなります。(オレンジ部分)
よってセッションはユーザーが包括しているすべてのセッションを数えるので「5」、総ユーザー数は「3」、表示回数もセッションと同様にすべてのイベントを数えるので「16」となります。


ユーザー セグメント・条件グループ②:「ページパス+クエリ文字列」で「特集」と「購入完了」を指定した場合

(解答)
まず、セグメントで指定した「特集」と「購入完了」のページ閲覧イベントが抽出対象となります。(赤色部分)
ポイントはセッションセグメントの時と異なり、別セッションでも対象となることです。
今回はユーザーセグメントを使用しているため、データのスコープは「特集」と「購入完了」のページ閲覧イベントが発火しているユーザーとなります。(オレンジ部分)
よってセッションはユーザーが包括しているすべてのセッションを数えるので「3」、総ユーザー数は「2」、表示回数もセッションと同様にすべてのイベントを数えるので「11」となります。


ユーザー セグメント・シーケンス①:「ページパス+クエリ文字列」で「特集」⇒「購入完了」を指定した場合

(解答)
まず、セグメントで指定した「特集」⇒「購入完了」のページ閲覧イベントが抽出対象となります。(赤色部分)
ポイントは先ほどとは異なり順序が指定されることです。
今回はユーザーセグメントを使用しているため、データのスコープは「特集」⇒「購入完了」のページ閲覧イベントが発火しているユーザーとなります。(オレンジ部分)
よってセッションはユーザーが包括しているすべてのセッションを数えるので「1」、総ユーザー数は「1」、表示回数もセッションと同様にすべてのイベントを数えるので「5」となります。


ユーザー セグメント・シーケンス②:「ページパス+クエリ文字列」で「特集」⇒「特集」を指定した場合

(解答)
まず、セグメントで指定した「特集」⇒「特集」のページ閲覧イベントが抽出対象となります。(赤色部分)
ポイントは順序が指定されることと、別セッションでも対象となることです。
今回はユーザーセグメントを使用しているため、データのスコープは「特集」⇒「特集」のページ閲覧イベントが発火しているユーザーとなります。(オレンジ部分)
よってセッションはユーザーが包括しているすべてのセッションを数えるので「1」、総ユーザー数は「1」、表示回数もセッションと同様にすべてのイベントを数えるので「6」となります。

(※イベントセグメントは使用頻度が低いので今回は対象外とします)

最後に

いかがでしたでしょうか?
ここまで全問正解できた方はセグメントで取得されるデータのイメージがしっかり持てており素晴らしいです!!

今回の解説でセグメントで取得されるデータのイメージを掴んだうえで、重要なのは取りたいデータを自由に抽出できるようになることです。
自分が取りたいデータを抽出するにはどういう条件のセグメントを作ればいいのか、ここまでの内容を参考にしつつ考えてみてください。

今後もデジタルマーケティングに関するコンテンツを発信していく予定です。
モチベーションに繋がるので少しでも良い部分があれば「スキ」で反応してもらえると嬉しいです。とても喜びます。

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