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STAY HOME≠STAY HOUSE【しまさんの読むRadio】

最近、とある有志で「オンラインシェアハウス」をしている。

名前ほど大層なことではない。21時くらいに、Zoomを開けておき、そこに人が集まってくる。あいさつはどちらかというと「ただいま」っていう感じ。だからシェアハウスの方が近い。


僕自身、こういう居場所があってありがたい(一人暮らしというのもあり)と思う。昔こんな記事を書いたことがあるが、「寂しがり屋」という性格もある。

ふと、その居心地の良さとともに、なぜ「リアルの場」にはそれが見当たらないのか、またこれまでの「オンラインの場」にもなかったのか。

それを考えていたときに、そういえばと思いだした曲があった。


B'z””HOME””である。


その歌詞はB'zらしく、歌いだしから強烈だ。


愛されるばかりが能じゃないだろう
さあ 見つけるんだ 僕たちのHOME
引用元:歌ネット「HOME」


冒頭から「愛されるばかりが能じゃないだろう」とささやいてくる。「僕は愛に飢えてる=くれないから困ってる」じゃないだろ?という問いかけを埋めつつ。そして、能動的に「僕たち(=私とあなた)のHOME」を「さあ みつけるんだ」とけしかける。


気がついたら、コロナが流行して1年と半年たって、始まってすぐの「STAY HOME」という期間があったことも、もはや昔になった気がする(あいかわらずマスコミのキャンペーンとしては続いているが、ほぼ毎日出勤している自分にはいまは無縁だ)。


その時期に「さあ みつけるんだ 僕たちのHOME」とけしかけるB'zのセンスにはシビれる。君たちが籠ってるのは「HOME」じゃなくてあくまで「HOUSE」じゃねーかよ、とでも言わんばかりに。


HOMEとはじゃあ何なのか

ここまで読んだ人はたぶん「じゃあ『HOME』って何だよ」と思っただろう。僕も思ったもん。

彼ら(B'z)の中での答えは、ちゃんと曲の中にある。

ただ、それは直接は一言も言ってなくて、フレーズの裏返しで表現している。


結論から言うと、「HOME」の曲の中で語られる「弱さ」「孤独」を受け止める何か、である。


歌詞を引用していくと、それぞれがちゃんと表現されている。そう、「弱さ」「弱さ」は、たっぷりこの曲に書かれている。

君を傷つけて いっぱい泣かせて 僕はもう眠れなくて
後悔してるのに また繰り返す…どうしようもなくダメなんだ

ありがとうって 思うことの方が 断然多いのに
どうしてもっと うまい具合に 話せないんだろう
裏切られたって 叫ぶまえに 深呼吸をひとつして
あいつをいじめたって そんなのまるで 答えにゃならないよ

欲望はぐるぐる マーブル模様 鏡をのぞけば
自信のかけらも見えない 暗い顔が見えたよ

しまいには、こんな泣き言まで言い出す次第だ。

さよならなんて  すぐに言わないで さよならしたら
僕はどうなるだろう


そこから、どうやって

「HOME」は受け入れる場所だ、と接(つな)げるのか。


それは、サビのたびに「否定すること」によって、である。


言葉ひとつ足りないくらいで 全部こわれてしまうような
かよわい絆ばかりじゃないだろう
追いかけて手に入らなくて忘れて 全部はじけてしまうような
はかない想いばかりじゃないだろう

それぞれ、最後には

さあ見つけるんだ 僕たちの(自分だけ)のHOME

と締めくくる。つまり、

「弱さ」「孤独」を、受け入れてくれる「HOME」をさがしにいくんだ。

と聞いている人にけしかける。


それは挑戦状のようで、それは嘆願のようで、もしかしたらB’z自身の宣言なのかもしれない。


ちゃんと、””STAY HOME””してみよっと。

話を冒頭の内容まで戻ろう。

オンラインのほぼ固定メンバーのいる居場所が、その居心地の良さとともに、なぜ「リアルの場」にはそれが見当たらないのか、またこれまでの「オンラインの場」にもなかったのか

という考察をこの曲から見つけるための引用だった。


結論、おそらく「僕自身の欠落(=弱さ、孤独)を受け入れる場所を、能動的に探したからやっと見つかった」という結果論であって、これまでなかった、見当たらなかった、のではなくて「そもそも欠落自体を見つけてないんだから探しようがないよね」ということになる。

やっと見つけたんだから、ちゃんと籠ってみよう。

今度こそSTAY""HOME""しよう。


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