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あなたは公務員という仕事(手段)によって、どんなキャリアをいきたいですか? ~大正大学で講義をしました~


先日、大正大学で公務員志望の学生さんたちに、公務員という仕事についてお話をさせていただきました。



テーマは、
「あなたは公務員という仕事(手段)によって、どんなキャリアをいきたいですか?」

「いきたい」は、平仮名にしてみました。


新型コロナウイルスの前まで、定期的に大学で講義をさせていただく機会がありました。

当時伝えていたのは、実体験をベースに私が感じた公務員のやりがい、難しさ、公務員志望者として考えてもらいたいことなどです。


今回も、話の中心は実体験。

「環境部局時代」「内閣府・内閣官房(地方創生)時代」「公有地活用担当時代」そして今の「地方衛生研究所時代」の4つのフェーズに区切って、そのときどきで印象に残った場面上司、関係者の言葉しんどかった出来事などをお伝えしました。

新人時代に係長から「うちは、新人でもやる気のある人には何でもやらせるから」と言われて、仕事の面白さに目覚めたことも。
環境政策の取組で連携していた自動車メーカーの担当者に「島田さんがいたから、(他団体ではなく)さいたま市と組んでよかった」と言われて、真摯に、必死に向き合ってよかったと思えたことも。
新型コロナウイルスのときの定額給付金の仕事で、1か月の残業時間が160時間に上ったことも、鳴りやまない電話を取るたびに罵詈雑言を浴び続けたことも。


全部全部、私が経験したこと、そこで感じたことをありのままお伝えしました


そして今回は、これら実体験に新たな要素を加えました。

加えたのは、キャリアコンサルタントとしてこれから進路選択を控える大学生に考えていただきたいこと

それを3つの問いの形でご用意しました。

①あなたが働く理由はなんですか?
②あなたにとって公務員は何のための手段ですか?
③「公務員は安定している」って本当?

①と②は、ほぼ同じ意味だというひともいると思います。③は、改めて問われると、皆さんはどのようにお答えになるでしょうか?


こういった問いを、個人で考えて書き出してもらったり、それをグループの中で共有してもらったり、お互いの考えを聴き合ったうえで対話してもらったり。

考える、書く、伝える、対話する。

そうやって日ごろは言語化されることのなかった自分の気持ちや考えを頭の外側に出して、自分の目で見て、耳で聞いて、他者との間でやり取りして、そうして初めて気がづく感情があったようです。


今回の講義を受講してくれた学生さんたちは、大手公務員試験予備校から講師が来て、この講座の中で「合格するための対策」に取り組んでいるとのことでした。

だから、頭の中は基本的に「どうしたら合格できるの?」で溢れています。

それはそれで大切な取組ではありますが、一方で、面接などで自分の考えを問われたときに本当に大切なのって「合格するための回答」ではないと、私は思うのです。

本当に大切なのは、唯一無二のオリジナルな「私の価値観」に照らしたときに「働くこととは?」「公務員とは?」「市役所の仕事とは?」「やりがいとは?」「嫌な仕事とは?」といった問いに対して、自然と口から出る言葉なのです。

そのために必要なのは、仕事観とか職業観についてたくさん問われて、その時感じたことを何回も自分の外側に出して、他人の観にも触れて、自分の観を養うことが結果的に一番の近道です。

一定程度、自分の観を養うことができれば、「合格するための回答」はひとつも暗記する必要が無いし、むしろそういった知識は邪魔になります。

(ちなみに言うまでもなく、これは公務員採用試験だけではなく、就職活動全般に言えることです。だから、ホント、変なコンサルとかに捕まって「正解っぽい言葉」を掴まされないでほしいなって思います)


だからこそ、正解のない問いを投げかけて、受講生一人ひとりに考えていただく時間を大切にしたつもりです。


後日、リフレクション(感想)を共有していただいたので拝見しましたが、多くの学生さんが私からの問いに対して「難しかった」「悩んだ」「改めて考える機会になった」「これから考えていきたい」、そんなふうに感じてくれたようでした。

決して、スッキリはしなかったと思います。
むしろ「受験対策」という観点では、モヤモヤしたかもしれません。

あれらの問いを受け止めてくれた以上、彼ら彼女らは、これからそれについて考えずにはいられないはずです。

今回の講義の中で答えを見つける必要はありません。
むしろ、モヤモヤを抱えて帰り、あとから振り返ったときに、あの講義が考え始める「スタート地点」となっていたら嬉しく思います。



こんなふうに偉そうなことを書いても、実は講義をした私自身が自分の仕事観や職業観を改めて見つめる機会になりますし、「どの口が」って思いながら壇上から話していたりしますが、ホント勉強になります。

今回このような貴重な機会をいただきました大正大学様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。



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