島田豊実

『健康』『美容の基礎』『人生100年社会での健康の話』『定年後の生かし方』など、それら…

島田豊実

『健康』『美容の基礎』『人生100年社会での健康の話』『定年後の生かし方』など、それら歯科医の立場でなければ書けない内容を、できる限り多くの方々に伝えて行きたいと思いから、かなり多岐にわたった本を一冊書きました。それらの内容を少しづつ配信してまいります。

最近の記事

第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-010

10_誰もが知りつつある事実 テレビの健康番組で、耳鼻咽喉科の専門医が 補聴器の勧めについて述べたシーンは、私に深い感慨をもたらしました。 「聞き取りにくくなったら、補聴器を恥ずかしがらずに装着してください。年を重ねると耳が遠くなる現象を生じることがあります。聞こえにくい状態を放置するとと、聞こうとしなくなります。聞こうとしなくなると、コミュニケーションを取ろうとしなくなります。コミュニケーションを取ろうという意欲がなくなると、認知症が始まります。お気をつけください」と。

    • 第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-009

      9_歯科は最後の砦だ 私は初めてお会いする患者さんに対し、 できるだけ時間を設けるようにしています。 その理由は 歯科での問診に、患者さんの多くがこれまでの長い人生をとうとうと語り、それに付随するいくつもの既往歴と不定愁訴を時系列に沿って述べる傾向があるからです。 このため少なくとも30分から1時間くらいを用意しておかなければ、 問診を完結することができないことがしばしばあります。 そして最後に付け加えるように、できることならば さまざまな体から発する不定愁訴をも治し

      • 第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-008

        8_健康にとって良い食べ物とは?  新型感染症の到来によって、世界的なパンデミックが生じました。 各国政府は移動制限時に、スーパーマーケットへの買い出しと、 医療機関への受診を許可しました。 私たちはいつまで続くかわからない移動制限という機会を利用して、いくばくかの保存食も買い込みました。万が一、食べるものがなくなれば生きてはいくことができないと想定したからです。 その一方で、 定期的にスーパーマーケットへ行って新鮮な食材を買い求める。 それを調理することによって

        • 第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-007

          7_現代医療の盲点 2020年の新型感染症の到来は、 現代社会の現実をあらわにする現象をもたらしました。 それは何か?と申せば、 ワクチンや特効薬がなければ、医療機関に受診しても意味がないことを、 政府はあからさまにしました。 なぜなら、医療機関でのクラスター化を恐れたからです。 なぜか?と申せば、 医療機関の多くは感染症外来であり、 しかも入院患者は免疫力の低下した人たちばかりだからです。 政府は移動制限時に報道を通して、医療とは対症療法による自然治癒力を促す行為

        第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-010

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-006

          6_体の中の植物と動物 解剖学的に、体を2つの要素から見てみたいと思います。 人体の根幹となる部分は、植物由来の要素である腸に始まりがあります。 腸の入り口は口、そして長いチューブ状の腸、出口は肛門です。 そもそも植物は、空気、水、無機物と太陽エネルギーなどを取り入れることによって、体の中から生命の源を作り出す生物です。 これに対し植物を起源とする動物は、 外部からのエネルギーを取り込む仕組みを体の中に作りました。 自らを養う力を持たない動物は、 この植物由来の要素にあ

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-006

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-005

          5_あごで噛めない現象を考える あごで噛めない現象を生じる根本原因は、 不正咬合を伴う虫歯と歯周病にあると、私は仮説を立てています。 歯科医療の範疇から発生する、これらのささいな現象とも思われている 疾患は、りっぱな(?)生活習慣病の一つです。 ちなみにその一つである歯周病は年を重ねるほどに、 この罹患率は他の疾患に対し群を抜いて高いことが特徴です。 不正咬合とは、歯並びという見た目の問題にすぎない。 虫歯や歯周病は歯ブラシによって抑制することができる。 さらに、いま

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-005

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-004

          4_見える化してきた新たなる不健康問題 経済的な発展を始めたいくつかの先進諸国から、 飽食の時代が始まっています。 社会人となった(未成熟な)大人たちから、 過食のできる生活を自慢する人が増えています。*1 「自分の稼いだお金で好きなものを食べて何が悪い」と 宣(のたま)う人さえ見かけます。 労働人口を占める年齢層から肥満が発生し、 飢餓時代には見たこともない体型が表出を始めています。 そしていまだかつて人類史上体験したことのない生活習慣病が、 噴出を始めているので

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-004

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-003

          3_脳はおバカさん 何かしらの競技に集中するあまり、 周囲からの大声援が聞こえなくなる体験をしたことがありませんか? 嗅いでいた匂いが、突然感じなくなることは? あまりの驚きに一瞬、目の前の現象が消えてしまうことは? ビジネスを兼ねた食事中に、 味覚が飛んでしまう体験をしたことはありませんか? 共食という人類にとって、もっとも大事な仕組みを仕事にリンクさせ、 接待という場を設けたはずなのです。 私たちは貨幣経済の中で生き抜くことを大事と考え、 味覚のセンサーから発する心

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-003

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-002

          2. 脳で考えると不健康を作る? 人間の体には五感のみならず健康に留意するたくさんのセンサーが、 体内外のさまざまな箇所に張り巡らされています。 これらが巧みに機能することによって、わたしたちに気づきを与え、 自然淘汰の対象とならないように注意を促がしているのです。 私たちの祖先は、これらのセンサーからの情報を しっかりと処理することによって、自分の体を使って 優秀なゲノム情報を連綿と受け渡すというリレーを行なって来ました。 しかし一方で、 近年の私たちはこの不健康問題を

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-002

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-001

          いつもご覧いただきありがとうございます! さて、第四章では 以下の内容で書き進めてまいります。 _あごで噛めない(不健康)問題を放置すると? _脳で考えると不健康を作る? _脳はおバカさん _見える化してきた新たなる不健康問題 _あごで噛めない現象を考える _体の中の植物と動物 _現代医療の盲点 _健康にとって良い食べ物とは? _歯科は最後の砦だ _誰もが知りつつある事実 1. あごで噛めない(不健康)問題を放置すると? 『なぜ、口(あご)から不健康

          第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-001

          第三章 人間の顔とは何か?-006

          人間という動物社会他の動物はあごで直接捕食することによって、 食べて生きるための生活(自給自足の生活)を送っています。 やがて成長発育し成熟したら生殖をして、 次世代に優秀なゲノム情報を渡すことを連綿と行なっています。 これに対し、人間という動物は他の動物に比べると、 極めて面倒くさいプロセスを通過しなければ 食べて生きることができない仕組みを作っているのです。 人間の食べて生きるステップを、 具体的にご紹介していきたいと思います。 私たちは成長発育して成熟した後、 一

          第三章 人間の顔とは何か?-006

          第三章 人間の顔とは何か?-005

          顔とは何か?胎児の研究をした解剖学者が 「お母さんのお腹の中の胎児の顔から、魚類、両生類、 そして哺乳類の顔の進化の変遷の歴史を読み取ることができる」と、 述べています。*1 やがてお母さんが出産を迎えると、 その顔は人間の赤ちゃんの顔として登場してくるのです。 他の動物に比べて、人間の赤ちゃんがユニークなところは、 誕生してすぐに喜怒哀楽や奇声を表出することです。 他の霊長類の赤ちゃんはお母さんの体にしがみつき、 その手によるボディータッチによって母親はその要求に応

          第三章 人間の顔とは何か?-005

          第三章 人間の顔とは何か?-004

          食の軟化が顔の軟化に!頭蓋骨の変化という現象とともに、顔の軟化が始まりました。 なぜなら顔の多くを占めていた大きく硬い咀嚼筋の役割が必要ではなくなったからです。 このことによって顔の表面に新たなる機能を作り出すことに 成功していきました。 それは何か?と申せば、 五感の穴の開閉をおこなっていた筋肉の機能が衰退し、 あらたなる表情筋という機能を作り始めました。 (今や意識しないと、耳や鼻は動きませんよね) 表情筋がどのような機能を推し進めたのか?と申せば、 「こころの表

          第三章 人間の顔とは何か?-004

          第三章 人間の顔とは何か?-003

          あご、腸そして脳へのバーター取引とは人間の頭蓋骨とは、脳とあごを収めているところです。 そこに、人間はあごで直接捕食するための五感を配置しました。 (目、耳、鼻などです) 効率的に捕食するために、五感からの情報を処理するコントロールセンターとしての機能を、脳に大きく求めるようになったのです。 実のところ、これら五感は私たちのあごを中心とした 顔下3分の2のための付属器官にすぎない、という話をご紹介しました。 直立二足歩行という他の動物の進化の歴史にないプロセスと、 肉

          第三章 人間の顔とは何か?-003

          第三章 人間の顔とは何か?-002

          マスクに隠された顔の下3分の2とは?私たちの顔の中で唯一動く骨は、(下)あごです。 そもそも顔とは、あごのための一種の臓器(内臓の入口)に過ぎません。 他の動物は食べ物を効率的に直接捕食するために、 あごを使って食べています。 実際のところ、他の動物の顔がどこからどこまでの範囲を示すのか? 人間のように規定することは難しいと言われています。 人類はなぜか直立二足歩行をしていますが、 それまでの魚類や両生類そして哺乳類のあごは、 体の移動方向の先頭にあります。 そして

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          第三章 人間の顔とは何か?-001

          私たちにとっての顔とは現代社会を生きる私たちにとって、 顔とはなくてはならない存在です。 しかし、それはなぜなのでしょうか? 2020年に新型感染症という、一つの社会現象が到来しました。 世界中の国民はパンデミックを拡大させないために、 一斉にマスクを着用し始めました。 このことによって私たちはなぜか?顔という存在に、 強い意識を抱くようになりました。 なぜなら、マスクを着用すると、 コミュニケーションの取りにくさを感じたからです。 コミュニケーションとは? なぜ

          第三章 人間の顔とは何か?-001