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4年間同じ漫才をやり続けて少しだけ漫才師になれた気がした

おはようございます🌞

シマウマフックのドラマ「ファーストペンギン」を観てる方、シマダネズミです🐭

ファーストペンギン観てますか?

舞台がぼくの地元の山口県なのと、主演の奈緒さんが美しくて仕方ないので観始めたのですが、観てみるとそんなことよりとにかく内容がたまらないですね!

「ファーストペンギン」とは、ペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ最初に飛びこむ1羽のペンギンのことで、転じて、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主のことを指すようです!

まさにこれが今回書きたいことに直結するのですが、成功か失敗か、正しかったのかどうかはさておき、ぼくはぼくなりに漫才においてファーストペンギンをしてきました!

タイトルにも書いたように、ぼくたちは4年間同じ漫才をやり続けてきました!今年M-1でやったのはこちらです!

ぼくらが出させてもらえるライブは限られてるので、しょっちゅうぼくたちを目にしてたお客様からしたら正直見飽きたり、うんざりしたりしてたかもしれません!

それでも「M-1ではみんな初見なんだから」という目的意識でとにかくやり続けました!

そしてこのネタをやり続けたことで、それまでのぼくたちではあり得なかったことがたくさん起こりました!

色々な芸人さんが出番終わりで声をかけてくれるようになって、学生時代からテレビで観てた尊敬する先輩が面白かったと言ってくれて、M-1でも3回戦までは進めるようになりました!

正直ぼくなりには1年目の頃からずっと「自分たちにしかできないことはなにか」、「自分たちはなにをしたら目立てるのか」を考えてやってきたつもりではいますが、その結果選んだ方法が見た目イジりのネタだったりモテない僻みのネタだったりで、「若いお客さん相手にノリでやってる」という嫌なイメージを持たれてきました!仕方ない部分もありますが、後にこれでかなり、かなり、かんんんなり苦しむことになります!

興味ねぇよって方とはここでお別れになりますが、ここからは色々あった4年間を振り返りたいと思います!

一番最初にこのネタができたのは芸歴3年目の2018年夏、ネタ作家の芝山さんに依頼をしてネタ会議をさせてもらった際、芝山さんは最初の30分くらいでぼくたち二人に色々な質問をして人間性や関係性を分析してくれて、いきなり一言、「やかべさんは多分あまり喋らないでネズミさんを困らせて、ネズミさんがたくさん喋ったほうがいいですね」と言ってくれました!

そこからすぐに「例えばネズミさんがボケて、それをツッコんでもらえなくて、だからネズミさんが「こう言えよ」とツッコミも自分でやる羽目になるのとかどうですかね?」という提案をくださり、当時のぼくはめちゃくちゃワクワクしてその提案に全身で乗っかりました!その場ですぐに「じゃあせっかくならツッコミの例をぼくが複数個出すとかどうですかね?」「アリですね!喋る量も増えるし!」「「もしくは!」とか言ってたら面白いですかね?」「いいかも!」と勢いで出せる案を出しまくりました!

そして帰宅して一旦ネタを書いてみて、これまでやったネタではあり得ないセリフ量に戸惑いながらも、しばらくしてライブで試してみました!

めちゃくちゃスベりました!

ただそれを袖で聞いていた先輩が「おまえらなんか面白いこと始めたな」と言ってくれて、「めちゃくちゃ難しいことやってるからウケないことが続くと思うけど、ウケるようになったときはおまえら自身がこのネタをやりこなせるようになったってことやから、スベってもしばらくはやったほうがいい」と言われ、正直ネタを先輩に褒めてもらったことなんてなかったぼくは「これはこれまでとはなにか違うぞ」と思い、その言葉の通りやりまくりました!

そして当時は月1ペースで芝山さんとのネタ会議を継続させてもらい、「この1ヶ月でここをこう変えたら反応が良くなったので今はこんな感じです」と見せては手直しし、原型を作っていきました!

一番最初に形になったのがこのカラオケデートのネタです!

今より速くて聞き取りにくいし、まだどこをどう立たせて言えばいいかもわかってないですが、これが少しずつウケるようになり、芸人さんから声をかけてもらう数が増えてきたことで、確実に「これは続けてくべきだ」と思いました!

そして2019年の正月、初詣の列に並びながらぼんやりと「今年一年どうしようかなぁ」と考えていて、不意に「今やってる形のネタ以外一切やらずにこれだけとりあえず一年やってみようかな」と思い、その場で相方にラインしました!

そして夏までに3〜4個くらい題材を作り、一番しっくり来た題材でM-1にのぞみ、無事1回戦通過、2回戦では全然歯が立たずに敗退となりました!

この年は「ジブリ」でした!


そしてその年のM-1ではミルクボーイさんが優勝、3位にぺこぱさんということで、「来年もまたこのネタをやろう」という決意が固まりました!

そして2020年、コロナ禍で開催されたため3回戦が無く、そのぶん1回戦の時点で大幅に組数が削られ、2回戦から動画配信があるという年に、ぼくたちは2回戦敗退でしたが、初めてM-1の公式動画に載ることができました!

この年の題材は「リストランテ」です!

そしてその動画を観てくれた、大学時代からテレビで観てた尊敬する先輩であるリニアの酒井さんから「シマウマフック面白かった」とラインをもらい、それがきっかけでご飯に連れて行ってもらえることになりたくさん漫才のお話をさせてもらって、改めてここで「この形をずっとやっててよかった」と思いました!

その年のM-1動画の感想をエゴサしてたらとにかく多かったのが、「原宿のイメージしかなかったけど意外とちゃんと面白かった」といった、「見直したわ」的な感想でした!ある意味腹立つけど、でもこうやって一人一人塗り替えてくしかないんだよなとも思い、それができ始めてることに安心や手ごたえも感じました!

そして翌2021年、追加合格からの初めての3回戦進出!この年の動画の感想には「見直した」的なものは一つもなく、YouTubeの動画がコマンダンテさんとレインボーさんに挟まれて載ったおかげでたくさんの方に観てもらえて、とにかく純粋なお褒めのツイートがたくさん見受けられました!ただ、それでもライブオファーは増えませんでしたし、人気も出ませんでした!なんか、ディープなお笑いファンや主催者の間で「シマウマフックを推すのはダサいこと」みたいに思われてるんじゃないかという被害妄想すら膨らみました!ひとえに実力不足なんでしょうが、同じくらいの戦績の芸人が呼ばれるようなライブに極端にぼくたちは呼ばれません!ぼくの学生時代からの経験なども踏まえると、被害妄想を膨らませるなという方が無茶なくらいです!

話がそれました、すみません!

2021年の3回戦の時点で、ぼくの中では「3年やってきてやっとこのネタのベースの形ができた」という感覚がありました!それまでは構成や進行のセリフの不備を細かく直して伝わりやすくするという作業に3年間追われていたのですが、ここでやっと、ベースは完成したからあとはもう中身も合間の仕掛けも面白いものを作るだけだという感覚になれました!

この年は「体育祭」!

なんかこれだけネタ動画上がってませんでした!最悪!立ち位置逆でやった企画動画を一応貼っておきます!

そして今年、納得のいく題材(タイムマシン)、そして仕掛けでのぞんだM-1グランプリ2022でしたが、2回戦敗退からの今年も追加合格、そして昨年と変わらず3回戦で敗退となりました!

とんでもない虚無感と喪失感、絶望感です!正直一度2回戦で敗退したときに、「こんなに作り上げてきたタイムマシンちゃんを色々な人に見てもらえない2回戦で終わらせてしまった」という罪悪感に苛まれていたので、その点に関しては本当に追加合格で助かったし、色々な人に見てもらえるだけ幸せではあるのですが、やはり人間は欲が出ちゃうものですし、ぼくなんて欲の塊なので、喪失感のほうが大きいです!

題材の被らなさ、最後のターンに尻すぼみにならない仕掛け、ツッコミワードの強化など、昨年の時点で感じていた必要なことはきちんと全部潰したつもりでした!

春頃に「タイムマシン」で作ってみたらめちゃくちゃいい感じにできて、今年はもうこれだと決めて、タイムマシンで6本作って、それをいいとこ取りで合体させて2本にして、準々決勝用にも中身の全部違うタイムマシンのネタを用意してました!

とにかく「世の中でタイムマシンにまつわる変なニュースだけ起こらないでくれ」と祈って過ごしました!

しかし結果はただただ昨年と同じ3回戦敗退!

ということでここで一旦、M-1におけるぼくたちのワンオペ漫才は終了しようと思います!

とはいえ、もしなにか革新的な仕掛けができたり、最強の中身を作れたりしたらやる可能性もありますが、ここ数年の「よし、来年も絶対にこれをやろう」は今のところはありません!飽きてたみなさん、よかったですね!おめでとうございます!少しでも楽しみにしてくれてた方がいるとしたらすみません!

それはこのネタがもうやりたくないわけでも、これ以上は面白くできないという諦めでもなく、なんなら他の賞レースやテレビのオーディションには自信満々でぶつけまくるつもりではあるのですが、やはりM-1においてはどこか「これまでの自分たちとの比較やこの一年での努力による伸びを測る」という基準もある気がしてるので、そういう意味ではよっぽどのことがない限り難しいのかなと思います!

ただ、本当にこの4年間、愚直にこのネタをやり続けたことはよかったと心底思っています!

先程も書きましたが、いろんな方に声をかけてもらえるようになって、面白いと言ってもらえて、M-1もこれまでより少しは勝ち上がれるようになって、「シマウマフックといえばこれ」と覚えてくれる方も増えて!

そしてなにより、ぼくはお笑いしか楽しみがなかった学生時代、オードリーさんやハライチさんが大好きで、その方たちみたいな「自分だけの漫才を持ってる漫才師」になりたかったので、少しでもそれになれてたような気がして、本当に楽しかったし、お笑いをやってる、漫才師をやってる、って思えました!

世間から見ての漫才師、お笑いファンから見ての漫才師、そして芸人の間での漫才師が、M-1で何回戦以上の人のことを指すのか、はたまたM-1では指標にはならないのか、人によるだろうし全然わかりませんが、少なくともぼくの中ではこの4年で少しは漫才師になれた実感があります!

たくさんスベったし、たくさん嫌なことも言われました!

「いつまで同じネタやってんの?」と嫌みを言ってきた先輩、あなたの言葉はめちゃくちゃ痛烈に刺さってました!やってくれましたね!いつか必ず復讐しますね!

でも、たくさんウケたし、たくさん認めてもらえたし、認めてくれた人たちの言葉のほうが一生支えになるくらい残ってます!!!

誰もやったことないことだから最初たくさんスベって、どこを直せばウケるのかもわからない中で4年間も掛かりましたが、自分のなりたい自分に少しは近づけただけでもやった意味はあったと思います!

また、既存の笑いの取り方で爆笑をとるよりも誰もやったことないことで爆笑をとるほうが何万倍もすごいと信じているので、これからも色々な漫才に挑戦して、誰もやったことない漫才をいっぱい作って、自分たちだけの漫才を見つけて、M-1で花咲かせます!!!

誰もやったことないことに飛び込んで、絶対に結果出してやる!!!ぼくはファーストペンギンでありたいと思います!!!

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