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こんな学校に通いたかった -広島県教育長・平川理恵-

2020年2月7日にNHK朝の情報番組・あさイチで「広島県教育長・平川理恵」さんの特集がありました。子どもの未来を見据えて、子どものための教育改革に取り組むかっこいい広島県教育長です。番組への反響は大きかったようでその後3月27日に再放送もされていました。

学年混合クラス、学校内フリークラス、高校入試の内申点比率を減らす、行きたくなる図書室作り、全寮制公立中高一貫校など次々に教育改革を進めているんだそうです。

小学校の授業風景がすごく楽しそうで「こんな学校に通いたかった」とため息がでました。

広島県教育長・平川理恵さん

平川理恵さんは広島県知事がじきじきに任命した元々はリクルート出身の民間人です。教育委員会の保守的なイメージとはかけ離れた、行動する挑戦者といった感じのエネルギーにあふれた人でした。

「今の子どもの65%は、現在まだ世の中にない職業につく。これからの子どもにとって必要な教育とは」

「未来の全く新しい職業につく子どもたちに、従来の黙って座らせて一方的に教えるだけの授業では通用しないのでは。教育そのものも、新しくしないと」

という子どもの未来を真剣に考える姿勢にしびれます。主役は子ども。子どもたちがこの先どうしたら充実した生き方をしていけるのかが中心です。

平川理恵さんはリクルートでトップセールスを記録。その後、留学支援会社を起業し海外の学校を何百と視察したとのこと。そして横浜で中学校の校長となり中学校改革を行う。そこで広島県知事からいまの教育長にスカウトされたそうです。

気になる教育改革をメモしました。


縦わりクラス


広島県の一部の小学校では「縦わりクラス」で授業を行っていました。なじみのない「縦わりクラス」とは、1年生から3年生とかの違う学年の子どもを混ぜて一緒に勉強する教室です。

低学年の算数や国語は習熟度にばらつきが出やすいとのこと。学年分けではなく、学年を混ぜたクラスの方が子どもそれぞれの理解度により勉強をすすめやすいそうです。

小さめの居心地のよい教室には学年バラバラの子どもが集まり、算数の勉強をしていました。ドリル問題、教科書、タブレット学習、プリントなど好きなスタイルで取り組んでいます。

寝転がりながら問題を解いている子どももいて楽しそうです。ソファーもありました。わからないときには周りの先生または上級生にすぐ聞けます。

下級生に教えていた上級生は、「自分の知っていることをほかの子に説明することで、より理解が深まり自分の勉強になる」とのこと。

先生も2、3人部屋にいるので、子ども一人ひとりに目が届きやすそうです。お友だちとワイワイいいながら問題を解いている子ども、ひとりで黙々とドリル問題をしている子ども。「ここに混ざって算数の勉強をやり直したい」と思いました。

先生の授業を集中して聞くだけのスタイルとは違い、小さい子どもは遊びのように勉強できそうです。先生も数十人の子ども相手に一度に教えこむ必要がないためか、リラックスしているようす。

子どもに合わせて個別にわからない箇所をじっくり教えるしくみ。勉強の得意な子どもはどんどん先へ進み学習する。ペースの遅い子どもはゆっくり問題に向き合う。多様性に合わせた画期的な取り組みでした。


数々の学校改革

そのほかにも様々な取り組みを行っているとのこと。

学校内フリースクール
学校に通えない、学校に着いても教室に入れない不登校生のための教室。学校以外のフリースクールに通う子どもがいるのなら、校内にフリースクール部屋を作り生そこに登校してもらう。これにより不登校生はいなくなったそうです。

全寮制の公立中高一貫校を設立
世界で働ける人材を育成する。英語教育に力を入れほとんどの授業を英語で行う。自ら考えて、自分のことだけでなく、何かのためになる人を目指す。

生徒の行きたくなる図書室
知の入り口として本を活用してもらう。生徒の行きたくなる図書室を作る。

高校入試での内申書の比率を下げる
子どもが中学校生活をのびのびすごせるように高校入試での内申書比率をギリギリまで下げる。その代わり、高校入試で「面接」もしくは「作品提出」で自分をアピールする。

子どもからの「内申書があると評価を気にして中学生活をのびのび過ごせない」という意見から生まれたとのこと。


不登校が増えて今のままの教育システムを変えなくてはと考える人が多い中で、実際に行動している広島県教育長平川理恵さん。かっこいい人でした。

「これまでに前例がないので」と周囲から、学校や教育の改革に反対も多く大変なことと推測します。それでも子どもの未来のためにつきすすむ平川理恵さん、これからも注目していきたい人です。




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