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東京講座第5回 しまコトマイプロジェクトの発表

こんにちは!東京講座スタッフの山﨑(しまコト7期生)です!
今年1月に最終発表を迎えたしまコト東京講座。開催から日が空いてしまいましたが、当日のレポートをお届けします!
現地インターンシップを経て様々なインプットを得た受講生の皆さんはどんなマイプロジェクトを考えたのか?受講生の皆さんにとっても、我々スタッフにとっても集大成の時間となり、ドキドキワクワクの瞬間です!

今回、会場となったのは東急大井町線 尾山台駅の商店街にあるタタタハウス。「多い」よりもさらに多い、多様性が溢れる場所にしたい、ということでタタタハウスと名付けたのだそうです。1階では小学生向けの学校用品を販売しており、2階では東京都市大学 都市生活学部のゼミ生が研究室として利用中。老若男女が訪れる地域の交流拠点として、新たな出会いや活動が生まれています。

タが3つ。ロゴを見ると「多いより多い」が伝わってきますね!

しまコトマイプロジェクト、発表

東京講座の受講生は12名。6ヵ月間の講座や現地インターンシップを通じて受講生の中に生まれたマイプロジェクトが産声をあげる瞬間です。

関東の島根人を目指して

トップバッターを務めたのはMさん。インターンシップを通して、仕事に対する考え方、好きな事に対するお金・時間の使い方、地元への想いに変化があったといいます。
島根のインターンシップで過ごした3日間は全く疲れることがなくすっきり過ごせたことから、お金・時間の使い方が大きく変わったのだとか。
その反対に、島根に行ったことで変わらなかったこととして、「人が好きということ」、「人と人をつなげたい欲」の2つを挙げました。もともと、人を繋げるコミュニティに興味のあったMさんは、島根のインターンシップを通してこの2つを強く再認識できたとのこと。(しまコトに関わった方ならお分かりかと思いますが、島根は「つながり力」がとても強い土地ですよね。)
Mさんのこれらの想いから生まれたマイプロジェクトは「関東での島根コンシェルジュ」、「関東での便利屋」。島根の魅力を広めるコンシェルジュとして、関東から島根に新たな繋がりを生み出しつつ、島根の方が関東で何かイベントをやりたい…という時に便利屋としてお手伝いをし貢献する存在になりたい、と力強く語っていただきました。

島根のいいものみつけ隊

以前、松江に住んでいたことがあるというKさんは、「島根のいいものみつけ隊」という気持ちでしまコトに参加。
インターンシップ中に特に印象に残った出来事として、空間デザインから楽器の製造まで行うSUKIMONOに訪れたエピソードを挙げます。趣味でガラスの造形を行っているKさんは「陶芸の窯を作る予定とのことですが、今後、ガラスの素材を取り扱う予定はありますか?」と質問したところ「陶芸もガラスも工房を自分で作ってやってみなよ」と予想外の回答があったそうです。この答えを聞き、基礎からガラスについて学んでみたい、という新たな自分の気持ちを発見したと言います。
そんなKさんのマイプロジェクトは、当初の「島根のいいものみつけ隊」から「島根のいいものつくり隊」へと変化していきました。アーティストや地域の人との交流が生まれるような工房を開き、地元原産の材料を活用したガラスの作品作りを行っていきたいと話しました。

島根で食べたい!~Eat Specific Shimane

食べることが大好きだというYさんはしまコトを通じて、自分の好きな事や苦手な事など、自身を振り返る機会になったと言います。
Yさんはコロナ禍の際、オンラインツアーやお取り寄せグルメを堪能していたそうですが、あるタイミングで気分が滅入るように。インターンシップで食べたのどぐろの炊き込みご飯は、石見地方を堪能できる空間で、島根の素材や器を使ってこその美味しさだったと語り、その場所に行ってこその味わいや、誰かと一緒に食べるからこその幸せに気付いたとコメント。
Yさんのマイプロジェクトは、「自身の食体験をしまコトに関連するメディアを通じて発信していく」こと。島根の器をつかって、島根に行って食べる、島根の逸品、といったような体験企画など、自身の食欲を少しでも世の中に使っていきたいと熱く語りました。投稿したいネタはいっぱいあるということで、発信が楽しみです!

島根でつくる、をなりわいにする

島根県生まれのIさんは、地元に窮屈さを感じ18歳ごろに島根を離れますが、「やはり島根で何かできないか」という想いが捨てきれず、自分に何が出来るかを見つけるためにしまコトを受講。
普段はデザイナーとして活動しているIさんは、インターンシップで県西部に訪問し様々なプレイヤーと出会う中で「自分のライフスタンスを作って、自分の仕事を地域の資産を活用し、無形文化財が生まれている」と感じたそうで、その学びから「自分自身の文化物を島根で作る」というマイプロジェクト「シマネ ブンカブツ プロダクツ」に辿り着いたと言います。
自分自身の文化物を作り、それらの展示会を開催しつつ、地域体験ができるプロダクトを開発、持続可能な仕組みづくりを展開したいと話します。まずは島根で困っている人にインタビューをしていきながら新たな価値を発見し、一緒にプロダクト作りをしていきたい、と熱く語ってくれました。

THE BASE BI-BASED 二拠点生活のための基地

島根出身のKさんは地元を離れたことで初めて魅力や愛着を感じたそうです。これまで身につけてきたスキルで地元に貢献したい想いと、多拠点生活を夢見て手がかりを見つけるためにしまコトに参加したと言います。
インターンシップで西部に訪れたことで「カッコいい人や場所はすでにある。出来ることではなく、やりたいことをやるだけ」という気付きを得たKさんのマイプロジェクトは「基地となるイベントスペース・ハコを作る」。
ポップアップライブラリーやヨガレッスン、映画の上映会など、自分のペースで好きなものを発信するthe BASE(基地)を作り地元の人の居場所になるだけでなく、県外の人が来たいと思える場を作ることで、「ここと言えばこの人」という存在になりたいと話すKさん。まずは最初の一歩として、地元の島根県で開催される街歩きイベントに参加し、場作りについて学ぶとのことです。

島根で変態結婚式をする

しまコト受講前は何がしたいかがわからず、見えない未来への不安を感じていたというTさん。しまコトを通じ、様々なヒトやモノ、コトに触れて自分の心が何に動かされるかがわかり、「今、これがやりたい!」に集中できるようになったと言います。
西部のインターンシップの中で「変態」というワードをよく耳にしたTさんは、その対極にある「普通」について考えるきっかけになったそうです。
誰かの普通はわたしにとっての普通なのか?」…そんなTさんのマイプロジェクトは「島根で変態結婚式をする」。学生時代を過ごした島根県で結婚式を挙げたい、結婚式という抜群の集客力を誇るコンテンツで、大好きな人たちに大好きな島根に来てもらいたい、という想いから本プロジェクトは生まれました。
結婚式場ではなく自然の中でやってみたり、2日間かけて島根のスポットを行脚したり…小さくても自分たちで作ることを大切に、面白い取り組みをしていきたい、と話しました。

「奥出雲の友達へまた会いに来る」を生む

4月から雲南市と東京の二拠点生活が本格的に始まるというMさんは、島根と自分の「かかわりしろ」を見つけたいと言う理由からしまコトを受講。島根県は人口減少や観光客数の低下、空き家の増加といった課題もあると指摘する一方で、歴史と自然あふれる素敵な土地だとも。
「誰もが縁を感じる場づくり」を目指し、まずは島根に来るきかっけ=旅のきっかけを作りをしたいというMさん。「「奥出雲の友達へまた会いに来る」を生む」ために、奥出雲アートキャンプを計画中とのこと。都会から友人を雲南市に呼び込み地元の方と交流しつつ、現地を題材にした作品作りを通して、奥出雲へまた来るきっかけになればと話します。
アートキャンプ後の展開として、また雲南市に来たいと思った人が拠点にできる場を古民家を活用して作りたい、と発表を締めくくりました。

島根×ぼくのなつやすみ

東京生まれ東京育ちのTさんは少年時代にハマったゲームはヴァーチャルな自然が楽しめる「ぼくのなつやすみ」。大学時代には養老孟子さんの「「自分」の壁」という本に出会い「人と自然はもともと繋がっている」という考え方に共感したと言います。
都会の中で自然のことを考えることにモヤモヤしていたTさんは、インターンでは西部地方を視察し、自然体で生きる方々に出会うことで、自分なりの自然を表現したいと考えるように。
そんなTさんのプロジェクトは「Tさんアカデミー(仮)」の発足。既に4人のメンバーがいるそうで、「自然に帰ろう」という名のもとに、各々の興味・関心がある事の進捗を共有し合い、年一回共通のプロジェクトを実施するというもの。2024年は東京講座の受講生全員で有福温泉へ行くことを目標に活動していきたい、と話しました。

「書く」を通じて島根の人の魅力を伝える

新聞社に勤めるMさんは、鳥取への転勤を経験後に東京勤務となり、仕事は楽しいものの「このままずっと東京で暮らすのだろうか?」というモヤモヤを抱えていたと言います。そんな中、美しい風景が気軽に見られたり、美味しいものが食べられる山陰での暮らしが常に頭の中にあったそうです。
県西部のインターンに参加したMさんが印象だったことは、自分の仕事に誇りを持ち、地域に溶け込みながらいきいきと暮らすプレイヤーとの出会い。プレイヤー、メンター、運営スタッフ、受講者…この場に集まった様々な想いに触れ刺激を感じる三日間だったと言います。
そんなMさんのマイプロジェクトは「「書く」を通じて島根の人の魅力を伝える」。仕事柄、記事を書くことの多かったMさんは、自身のスキルで島根で暮らす方々の魅力をnote等を用いて発信し貢献していきたいと話し、「どういった風にプレスリリースを書けば記者が興味を持ってもらえるのか?」という情報発信を行う上でのお手伝いもしたいとのこと。しまコトの情報発信はMさんに頼ることになりそうですね!心強い!

自分を見つける1カ月in島根

とある大企業にシステムエンジニアとして勤めるUさんは、しまコトを通じて「会社を利用してやろう!」というマインドに変わってきたと言います。
Uさんの周囲には休職や辞職をする人が絶えず、自身も自分のキャリアに悩みがあったそうです。しまコトのインターンに参加することで、自分自身の悩みにはっきりと気付き、インターンを通して、島根には癒し効果があること、長所を生かして形にできる環境があると感じたとのこと。
これらを掛け合わせたマイプロジェクト「キャリアに悩む社会人に1カ月間島根に住んでもらって、自身のキャリアを定め、今後の生活を豊かにする」=「自分を見つける1カ月in島根」を思いついたそう。
キャリアに悩む人を島根に募集、1カ月滞在してもらい、地域に入り込んで島根のプレイヤーと関わってもらいながら、Uさんが業務で利用するChatGPTで長所を見つける手助けをし、その長所を活かせる場を作る。そうすることで、自分の軸をもってキャリアが考えられるのではとマイプロジェクトを発表しました。
まずはUさんの会社で提案、社内で共感を募ったうえで自社内で実施した後に社外へ展開、最終的には支社を島根に設立したい、という夢を語りました。

島根を伝える。

ライターとして活動するIさん長年担当していた仕事が終了し、新しい事や新しい人たちとの出会いを求める中でしまコトを知ったと言います。過去に島根県で取材に訪れた際に親切にしてもらった経験や、しまコトの説明会で参加者のやわらかな優しさを感じ取り、ここでなら自分らしい何かが見つかるかもと思い、受講を決めたそうです。
しまコトの講座やインターンを通して最も感動したことは「受講生みんなの感想」。短期間で島根の情報を吸収し、自分の言葉で語る受講生の姿を見て感銘を受けたのだそうです。一方、Iさんは島根県の「影」の部分が気になったと言います。インターンシップで訪ねた現地のプレイヤーではなく、シャッター店舗の向こう側の人々が何を考えているのかが気になっていきました。メンターの三浦さんと壁打ちをしたところ「自分なりの視点を持つことは大切だが、一方向からの価値観で決めつけるのはよくない。シャッターの向こう側の人たちは影ではないかもしれない。自分の視点を大事にして新しい表現を模索したらどう?」とアドバイスを受けたのだとか。
この言葉を受けてIさんは、自分の好きな「書く」こと通じて、島根と誰かをつなぎながら島根を伝える、という新たなチャレンジをしていこうと思い立ったそうです。
島根についての情報発信をしつつも、最終的には東京講座12期生・12のマイプロジェクトを題材とした小説を書きたい、と熱い夢を語ってくれました。

ボクの妄想集

出雲市出身のKさんは、島根の家族(ご両親)と東京の家族(奥様、ご子息)それぞれに対してしっかりと責任を果たしていきたいと思いつつも、どのような方法があるのか?というモヤモヤからしまコトを受講。
ですが、講座を通じて、「そんなウマく両立させる方法はない!」と気付いたといいます。それと同時に「それでも島根県が大好き」という想いと、ここで出会った仲間たちとの繋がりも感じたそうです。
そこでKさんは「あるときは東京の責任人口で関係人口、あるときは島根の関係人口で責任人口」として、どちらも大切にしていきたいと思い始めたと言います。
しまコトでつながった縁をさらに拡げていき、島根の責任人口として帰省のタイミングを増やしつつ、リモートワークを取り入れ二拠点生活のイメージを掴みたいと話しました。
また、東京と島根のお祭りを通じて新たな交流が生み出せないか、といったKさんなりの「妄想集」を語ってくれました。

皆さんの発表の後には、メイン講師でありソトコトの編集長である指出さんからフィードバック。これまで全国の地方を取材して培ってきた経験から惜しみないアドバイスが送られました。
これまで受講生に伴走してきたメンターの三浦さんからもフィードバックがありました。
マイプロジェクトへの発表に対して講座生全員と指出さん、三浦さんからフィードバックを付箋に書いてお渡ししています。壁に張り出してみんなで見ている様子。
受講生が投票して決める“いいね賞”はTさんの「島根で変態結婚式を挙げる」でした!

最後に

皆さん、発表お疲れ様でした!どのマイプロジェクトも皆さんの中にあったモヤモヤや想いをベースに誕生し、それぞれの個性が際立っていましたね。この6か月間が、皆さんにとってかけがえのない期間だということが伝わってきました。ここで生まれた小さなプロジェクトが、島根だけでなく様々な地域を巻き込む大きくプロジェクトに育っていくことを願っています。

最後は12期生と指出さん、三浦さん、運営スタッフで記念撮影!ここで生まれた繋がりから、12期らしいプロジェクトが生まれてくるといいですね!