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ボロ宿紀行 湯の花旅館

日本ボロ宿紀行第3話「湯の花旅館」をご覧くださりありがとうございました。とても好評で、この回から担当のたかせ監督も、きっと胸をなで下ろしていると思います。2月15日までは見逃し配信をしております。まだご覧になられていない方は、こちらでご視聴できます。

なんて書いていたのですが、書きあぐねているうちに、14日になってしまいました。見逃し配信を見逃させようかという愚行。すいません。


次回、第4話もたかせ監督回なので、愉快な楽しい回になると思います。引き続きご視聴ください。よろしくお願いします。

今回は、少しだけ撮影時のことを書こうと思います。ドラマの内容に関わることも、薄くですが書いておりますので、ご視聴になってから読んでいただけたらと思います。

当日は、午前10時くらいに現地集合でした。自宅から200㎞以上離れている場所でしたので、決して乗り継ぎを間違えまいと、神経質になりました。

初めて乗車した北陸新幹線で軽井沢駅まで行き、そこからバスに乗り継いで一時間半程度揺られますと、ようやく現場近くです。スタッフさんがロケバスで迎えに来てくださり、数分走りますと湯の花旅館です。

湯の花旅館の目の前には、冬を待っている乾いたゲレンデがありました。運転休止中のリフトが少し廃墟感を出しています。スキーヤーにとってこの宿のロケーションは最高でしょうね。冬場はかなり繁盛されているのではないでしょうか。

旅館の方に目を戻すと、全体的にいびつな感じがします。噂の宿にワクワクしながら、軽めのアルミサッシの引き戸を滑らし中に入ると、これでもかと並べられた動物の剥製が出迎えてくれます。キタキタ〜、です。

撮影隊はまだ別の場所で撮影中のようで、帰りを待つ間、旅館内を探検していました。すると、リアル宿主の方とお会いすることができ、お話を伺うことができました。

宿主さんとの会話中、不思議な感覚がしました。初めてお会いした感じに思えなかったのです。すぐにその理由は分かり、こみあげてきた笑いを我慢しました。宿主さんは、僕が役で話している内容を、そのままお話になっていたからです。

剥製のお話、さるのこしかけのお話、自慢の温泉のお話。きちんと丁寧に取材された上で書かれた脚本なのだなぁと、お話しながら感心していました。

ちなみに全体がいびつな形に見えたのは、何度も増築を繰り返されたからだそうです。かなり古さを感じる建物なのですが、清掃は行き届いており、全く嫌な気持ちにはなりませんでした。

リアル宿主さんとお話できたことで、演じる上での軸ができたような気がして、良かったです。

深川さんと高橋さんの関係はとても雰囲気が良くて、素晴らしかったです。

翌日、朝一の撮影が、春子と竜二が宿を後にするシーンだったので、深川さんが目の下にクマを作ったメークをされていました。少しリアルなメークだったかもしれません。それを見た高橋さんが、本当に体調が悪いのかと勘違いされて、深川さんを気遣われていました。すぐに和んだ笑いに包まれましたが、その優しいやりとりを見て、これから回を重ねるごとにお二人の関係が積み上がって、味わい深いドラマになるのだろうなぁと想像したりしました。

関わったから言う訳ではありませんが、ま、関わっていなかったら書いてはいないのでしょうが、『日本ボロ宿紀行』はドラマとしても、ボロ宿限定の紀行番組としても、興味深く面白いです。これからもお二人には様々な土地を旅して、ボロ宿を紹介していただきたいなぁ、と思います。

でも、ちょっと待て。

ということは、ドラマで桜庭竜二は売れ続けない事になるのかな? 売れちゃったら、ボロ宿に泊まる必要がないですから。初回で自分を少し重ねてしまった僕としては、なんとも複雑な気持ちです。報われてほしいのに。

ですが、先日の高橋さんご出演のカントリーライブに行って、その思いは変わりました。

高橋さんのバンドパフォーマンスは、とてもクールでカッコ良かったです。見惚れました。終演後、ファンの方から、作る前のCDを「買わせて!」とせがまれてました。ドラマとは真逆です。

現実は素晴らしいので、フィクションは大変でもいいか、と自分の中で心地良い着地点を見つけることができたのでした。

なので、これからもボロ宿旅を続けていただきたいな、と心から願っております。

また、行けたら良いな。遠いですけど。




明日への糧にしますー。