ロケハン

ロケハンですること

ロケーション・ハンティング、ロケハン。
いまWikipediaを見たら、和製英語で、映画用語で、もともとロケ地を探すという意味から誕生した言葉だったみたい。

ぼくはずっと、撮影する場所の下見や構図決め、と認識してた。
本撮影の前に、現地を確認して、光とかそこにあるものとか、雰囲気とか状況を感じて、こういうふうに撮影しようってアタリをつけておくこと。

だから、撮影カットを決めるとか、こういう構図でとか、こんな光でとか、ここにこれがあってとか、これは入れないでとか、絵(写真)を決めるのが大前提で。それは当然として、自分的にはやっぱり現場の雰囲気を感じ取れるというのも、ロケハンで大切にしていること。


先日、ある施設のロケハンに赴く。こいのぼりが寒空にたなびく地。もう少ししたら、あたたかくなるから、こいのぼりももっとゆったりと泳げるだろう。

その施設の紹介ツールを作るのだけれど、事前に聞いている情報と、それで感じた自分のファーストインプレッションと、現場での感覚をすり合わせる。

やっぱり現場で感じた生の情報は強い。
たとえば、シックなデザインが合うかな、と感じていても、現場を見るとシックというよりは、いごこちのよさだなとか、そういった感覚を拾っていく。高級じゃなく、上質だなとか、そういった感覚の、言葉の、精度を上げていく。

でも、現場が全てとも思わない自分もいて、現場を見てしまうと、発想が固まってしまうときもある。現場を見る前に感じていた、いわば思い込みとか、勘違いとかも、活かしようによっては、アイディアをジャンプさせる要素になったりする。でも、現場を見てしまうと、勘違いは起こりづらくなる。

だから、現場のリアルを見る前に、好き勝手に妄想したり、勘違いしたりする工程も大切にしている。現場を見た後だと、見えなくなるイメージ。正解がわかると除外されるもの。ファーストインプレッションだけが見せてくれる感覚。

そうした、思い込みとのギャップを埋めたり、光や音やにおいを五感で感じたり、ろいろな情報をキャッチできるのが、僕にとってのロケハンだったりする。

今回の施設、現場に来る前に勝手にいだいていたイメージと違う所がたくさんあって、さてどうしようか、と思う。この雰囲気を伝えたいとか、あの勘違いの要素をおもしろく使えないだろうか、とか写真の構図を決めながら、脳がぐるぐると動き出す。


そういうロケハンの工程が、とても楽しい。

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