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中国の現代アートシーンを巡る(6)景徳鎮

今回初めてとなる「景徳鎮陶芸ビエンナーレ2023」が、景徳鎮陶磁大学のアートセンターで開催している。テーマは「陶磁の旅」。コンペティション形式のビエンナーレで、世界各国より1802点の応募の中から256点の入選作品が展示されている。

Zhang Wei(中国)
Labyrinth
80×35×30
磁、総合素材

Maria Ten Kortenaar(オランダ)
Untitled
17×17×15
磁、総合素材

「練り込み」の技法で作られており、彼女の作品のように、色や模様が交わらないように組み合わせるには、非常に高度な技術が必要だそう。

https://www.mariatenkortenaar.com


Qi Yifan(中国)
Soil
サイズ可変
磁、総合素材

Jiang Shaoping(中国)
The ‘second house’ series
150×120×9
磁、総合素材

古代中国において「翡翠」は高貴なものとして重宝され、人々は、翡翠のイメージを再現するための「釉薬」を作り、焼き物を作っていたそうだ。韓国で10年陶芸を学んだJiang Shaopingは、中国人陶芸家としてのアイデンティティを表現する方法として、「釉薬」で作品を作っている。


Ma Qianhuan(中国)
The terracotta home on the high cliff

ウイグルでテラコッタの陶器を作る職人のドキュメンタリー。
「彼は自らを陶芸家と呼ばず、“陶芸労働者“と呼ぶ」

ちなみに、景徳鎮陶磁大学は学生・教員合わせて約4万人規模の大学である。今回初めての開催で応募・入選作品の多くは景徳鎮陶磁大学の関係者だったらしいが、このビエンナーレは潤沢な資金によって運営されているため、受賞作品に贈られる賞金は、日本のアート関係のコンペティションより額が一桁多い・・・
是非、陶芸を学ぶ学生にもチャレンジしてほしいと思う。
景徳鎮陶芸ビエンナーレ公式HP http://www.cjicb.com/index.html

キャンパスを出たところで遭遇した、景徳鎮の日常。
「彼は自らを陶芸家と呼ばず、“陶芸労働者“と呼ぶ」という言葉を思い出した。


「中国のアート・シーンを巡る」
Supported by :Suisei-Art < Art and Architeicure>
助成:公益財団法人澁谷学術文化スポーツ振興財団

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