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僕らの香港はコロナ禍のなかで消えていってしまった。そのなかで、香港の若者が残した言葉が、いまでも頭から離れない。「一齊走」。日本語で「一緒に帰ろう」。香港の人たちに一緒に帰る場所はあったのか。今回は香港涙酒。税込み290円のつまみ動画。

  中国は、香港に約束されていた一国二制度を形骸化させる国家安全法を香港に無理やり導入した。それは習近平政権の力による中港融合だった。もちろん香港市民は激しく抵抗した。武漢で新型コロナウイルスが猛威をふるう少し前。2019年の7月。民主派の学生たちは、日本の国会にあたる立法会に突入した。「一齊走」はそのときに広まった言葉だった。
 この記事は隔週日曜日更新。新しい酒飲み話が加わっていきます。
 

いまだ厳しい香港の入国規制

 世界でコロナ禍が収束に向かっている。感染者がいなくなったわけではない。ウイルスの弱毒化のなかで、国を開き、停滞してしまった経済を復活させる方向に舵を切っただけだ。
 アジアでも多くの国が入国ルールが緩和させ、ほぼ自由に渡航できる国も多い。
 しかし香港はいまだに厳しい水際対策をとっている。ワクチン接種証明書、PCR検査の陰性証明のほかに7日間の隔離がある。
 アジアではほかに中国、台湾が厳しい制限を設けている。その次のレベルが日本だろうか。中国に蹂躙される前の香港、つまり一国二制度が機能していた3年前だったら、香港はどんな入国規制をとったのだろうか⋯⋯しばし考えてしまう。

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