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アボイドノートの規則

アボイドノートとは?

アボイドノートとは「避けるべき音」ということで、あるコードがなっている状態で使うと不協和感が強く取り扱いに注意の必要な音を指します。

具体的な内容は以下のnoteに書きましたが、これ結構覚えるのが大変なんですよね。ということで、アボイドノートの意味をもう少し深く考えて理解することで覚えてみましょう。

アボイドノートの規則

発生する音程関係をベースに規則性をもたせることができます。
以下の2つの音程関係を元にアボイドノートを決定できます。

①短9度の関係を持っている
よく「半音はアボイドノート」という解説を見ますがあまり正しい表現ではないと思います。そもそもM7が半音を持っていますので。
短9度という関係をもっているという区別がより適切で、オクターブの中に敷き詰めたときには短2度となりコードトーンを乱す音が問題になるわけです。

このルールで導き出せる各コードのAvoid Noteは以下のとおりです。

メジャー系(ドレミファソラシド)
CM7:ド・ミ・ソ・シ → ファ
Dm7:レ・ファ・ラ・ド → なし
Em7:ミ・ソ・シ・レ → ファ、ド
FM7:ファ・ラ・ド・ミ → なし
G7:ソ・シ・レ・ファ → ド
Am7:ラ・ド・ミ・ソ → ファ
Bm7(-5):シ・レ・ファ・ラ → ド

マイナー系(ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド、ドレミ♭ファソラ♭シド、ドレミ♭ファソラシド)
Cm7:ド・ミ♭・ソ・シ♭ → ラ♭
Dm7(-5):レ・ファ・ラ♭・ド → ミ♭
Dm7:レ・ファ・ラ・ド → ミ♭
E♭m7:ミ♭・ソ・シ♭・レ → ラ♭
Fm7:ファ・ラ♭・ド・ミ♭ → なし
F7:ファ・ラ・ド・ミ♭ → なし
G7:ソ・シ・レ・ファ → ド
Gm7:ソ・シ♭・レ・ファ → ラ♭・ミ♭
A♭M7:ラ♭・ド・ミ♭・ソ → なし
Am7(-5):ラ・ド・ミ♭・ソ → なし
B♭7:シ♭・レ・ファ・ラ♭ → ミ♭

少しだけのイレギュラーはマイナー系のG7でラ♭、ミ♭はAvoid Noteにならないことです。G7コードはトライトーン(シーファの増4度)という非常に特徴的なコードトーンを持っているので、これを乱されない限りはテンションノートを受け止める力があるのでしょう。このトライトーンはダイアトニックコード内ではドミナント7th(ハ長調におけるG7)しか持っていません。

②トライトーンを形成する
①の規則でほとんどのAvoid noteを決定することができますが、まだ出てきていないものがあります。メジャー・マイナー系のDm7におけるシがAvoid Noteです。

これはDm7のファとシがトライトーンを形成してしまうことが原因です。
先程G7がラ♭やミ♭を受け止めれるのは、トライトーンがあるからだという話をしましたが、その強烈な個性のトライトーンが含まれてしまうことで、Dm7が「おれってもしかしてG7なんじゃ、、、」とDm7の自我を崩壊させてしまいます。

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先程のものと合わせたら以下のようなAvoid Note一覧ができあがります!
あー、すっきり!

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もう一つの見方

一覧表を見て、何か気づきませんか?
そうです、Avoid Noteになる音って限られた音なんです。
Major Keyなら、ファ、ド、シ、Minor Keyなら、ラ♭、ミ♭、ド、シ、これだけです。
♭9なAvoidをもう少し違った目線から説明することができます。

本当に大きく大別すると、コードはトニック系(CM7、Am7、Em7)、ドミナント系(G7、Bm7(-5)、Em7)、サブドミナント系(FM7、Dm7)に分けられます。Em7はどちらにも解釈されるコードです。

トニック系はFと相性が悪いのです。
ドミナント系はCと相性が悪いのです。
ルート音の4度上のノートと相性が悪いのです。
サブドミナント系は4度上がB♭になるので、ダイアトニックスケール上に現れてこないので、Avoid Noteが存在しません。

メジャースケールを例に取りましたが、マイナースケールも平行調のメジャースケールで考えると同じ関係が導き出せます(G7だけはハーモニックマイナースケールなので少し変わってきますが)。

これはピタゴラス音律でFがすぐに導出できなかったり、自然倍音列にFが含まれなかったり(どちらもFisでてきます)という自然由来の音列との不一致が原因かもしれませんね。

まとめ

Avoid Noteの発生規則についてまとめました。
整理してみると意外とシンプルに体系立てられている理論ですね。

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