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【まるで実写版ナウシカ!!】映画『VESPER ヴェスパー』感想

生態系が破壊された地球を舞台に絶望的な世界から抜け出そうとする少女たちの生き様を描いたSFファンタジー映画『VESPER ヴェスパー』

この映画、観たいと思っていたものの2回ほど観る機会を逃していて(1回はチケットを購入した後だったので悔しかった)。

だから上映最終日ギリギリに観に行くことができて良かった。

鑑賞したのはミッドランドスクエアシネマ2の2月8日21時15分からの回。お客さんは10人ほど。多分全員男性だったと思う。

そこまでして観に行きたかった理由、それは本作を実写版『風の谷のナウシカ』と評する感想をいくつも見かけていたから。

『風の谷のナウシカ』は日本を代表するアニメーション監督、宮崎駿によるSFファンタジー映画。
宮崎駿作品の中でも自分の一番好きな作品だけに、その実写版と聞いたからには何が何でもチェックしておきたかったのだ。

『風の谷のナウシカ』大好きな作品。

実際観てみたら本当に実写版『風の谷のナウシカ』だった。

といっても王蟲も巨神兵も出てこない。
腐海を舞台にそこに住む人々の物語といった雰囲気の作品だ。

物語について少し説明すると、舞台は生態系が壊れてしまった地球。一部の富裕層のみが"シタデル"と呼ばれる城塞都市に暮らし、多くの人々は危険な外の世界で済むことを強いられている。

主人公ヴェスパーは外の世界で父親と暮らしている13歳の少女。ある日、森の中で倒れている女性を助けたヴェスパー。その女性はシタデルからの逃亡者で…というあらすじ。

本作を監督したクリスティーナ・ブオジーテ&ブルーノ・サンペルによると「遺伝子工学によって変容した世界」を描きたかったとのこと。

例えば、劇中には1度だけしか収穫出来ない遺伝子組み換え種が出てくるが、これは実際にアメリカの企業がその特許を取得したエピソードからきている。

このような現実の状況を交えつつ幾多の作家から影響を受けて本作は製作された。

監督が影響を受けた作家としてルネ・ラルーと宮崎駿の名前も挙げていた。

そんな本作は直球のSF映画ながらビジュアル強度の高い作品となっている。
舞台となっている森は本当にナウシカの腐海のよう。顔の描かれたドローンに凶暴で美しい植物…観ているだけで世界に引き込まれる。

下のようなビジュアル(劇中の場面写真)に惹かれたなら観て損はないと思う。

こうしたビジュアルに胸ときめく人なら本作を楽しめるかと

物語は王道かつ普遍的。崩壊した世界に革命を起こす物語だ。個人的には各キャラクターの関係性の描き方が好みだった。

ヴィスパーとカメリヤ、立場の異なる2人だが「父を失った娘」という点で繋がっている点も面白い。監督はこうした関係性の描き方には「女性解放」というメッセージを込めていると語る。

ヴェスパーとカメリヤの疑似母娘の関係もツボ。

ということで『VESPER ヴェスパー』面白かった!既に公開終了してる劇場も多いと思うけど、気になった人は是非チェックしてみては。


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