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【ネタバレあり】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3 レビュー

こんにちはこんばんは。

ゴールデンウィークいかがお過ごしでしょうか。

僕の地元は圧倒的な車社会なので、毎日浮かれたドライバーがイカれた運転を見せつけてくるグラセフオンラインみたいな世界観で生きてます。

この前も映画館の帰りに、信号という概念がないプリウスに遭遇して思わずほっこり。
みなさん事故には気を付けましょう!


さて、公開から遅れること1日半、ようやくガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3を観てきました。
ということでDon't think,feelの精神で、感じたことをそのまま書いていきたいと思います。

今回のBGMはこちら

この曲は稀代のギタリスト、リッチー・ブラックモア率いるRAINBOWが1979年にリリースした名盤、”Down To Earth”に収録された名曲。
後にヘヴィ・メタルシーンの最重要シンガーとなるロニー・ジェイムズ・ディオが音楽性の違いで脱退し、新シンガーとしてグラハム・ボネットが加入したことで音楽性にキャッチーさが増した。

おっと、拙者としたことがメタルオタクの側面が出てしまったでござるwww
謹んでお詫び申し上げまするぞwww


はい。
とりあえず目次です。笑

あらすじ

Guardians of the Galaxy:VOLUME 3(2023)あらすじ
エゴとの戦いのあと、本拠地をかまえたガーディアンズ
→大勢の市民を抱える大所帯となる         
→そこに突然金ぴかの男が突撃してくる       
→おかげ全員重傷、ロケット瀕死          
→ロケットを助けるために宇宙を駆け回る      
→命を救う鍵はロケットの過去に隠されていた    
→宇宙再編を企てる激ヤバおじさんが乱入してくる  
→ガーディアンズvs最凶ヴィランのラストバトルが開幕

以下ネタバレになります。





総評

結論から言うと


過去最高の出来!文句のつけようがない完成度!

ボジョレー・ヌーボーの評価に近いもの言いで申し訳ありません。
いや僕は本気で思っていますがね。MCU史上最高傑作まである。

まず前作で登場が示唆されていたアダム・ウォーロック。
宇宙空間をかっ飛んでる金ピカのウィル・ポールターっていう絵面はだいぶシュールなんですが、その後の強キャラっぷりとのギャップがすごい。
すごい勢いでノーウェアの街を破壊していく様子はマジでショッキングでしたね・・・。
マンティスは腕を折られ、ネビュラはスクラップ状態、ドラックスは人間サンドバッグ、グルートは遊星からの物体X、そしてロケットは死の淵をさまようことになるわけで。

とまあ、いきなりシリアスな展開ではじまるので、今までのシリーズとは漂う空気感が全然違うなーという印象。
その後に続くギャグもそれまでのシーンがショッキングすぎて笑うに笑えないというw

こういうジェットコースターみたいな展開がずっと続いていくので、こんなに起伏がつけられるイマジネーションのすごさというか、そういう部分でガン監督の手腕が垣間見える気がします。

2時間半という長尺、目まぐるしく進行するストーリーラインとロケットの過去のタイムライン。
それを同時進行で描ききる妙技。
そしてガーディアンズはどこを切り取ってもガーディアンズだという一貫性。

普通なら作品ごとにテイストが変わってもおかしくないんですよ。
マイティー・ソーだってタイカ・ワイティティ以前と以後では作風が全然違う。
同じ監督だからってそれが一貫して描けるとも限らない。
ファンが求めるガーディアンズ像を完璧に描ける手腕にはあらためて感服しました。



ブレないキャラ設定

(C)2023 Marvel


今回はシリーズフィナーレということもあってか、いつにもまして各キャラクターの見せ場が多く、さらに人数が多いにも関わらず、人物描写が深く掘り下げられていたのは感心しました。
これはキャラ設定にしっかりとした軸があるからできることですね。

通常なら作品によって多少のキャラ改変はあるはずで(まあマンティスが超強気なキャラになっているという変化もありましたが)、
ここまで全シリーズ通してキャラクター描写に違和感がないのは、監督によるキャラ愛の賜物だと思ってます。


実際にインフィニティ・ウォーで描写されたスターロードのいわゆる”問題行動”も、ジェームズ・ガンが描くスタロ像とは少し違うみたいで。

アベンジャーズを窮地に追いやる結果となったあの戦犯的行動はルッソ兄弟のアイデアで、それはガモーラへの愛が故の行動だったということなんですが、
本来なら激情に突き動かされることのない、実は真のヒーロー的マインドを持ち合わせているのがピーター・クィルという男なんだ、とガン監督。

それはインフィニティ・ウォーでガン監督が監修したシーンで顕著に現れています(ガモーラを捕まえたサノスと対峙したクィルが、ガモーラとの約束で銃の引き金を引くシーン)。
本作はロケットを救うのに命を投げ出し、助けられなかったときに慟哭し、常に「1番(もしくは2番目)の友人だ」と口にする、その監督の思う理想のスターロード感がかなり強く前に出ていたと思いました。


ガーディアンズといえばジュークボックスシネマ

(C)2023 Marvel

今回も恐ろしいほど劇中挿入歌のセンスが発揮されていました。
往年の名曲を堪能できるのがこの作品の魅力でもありますよね。
僕はこれを「ジュークボックスシネマ」と勝手に命名。笑

ガーディアンズ本拠地ノーウェアで流れていたレディオヘッドの代表曲「Creep」や、冒頭で紹介したレインボーの「Since You Been Gone」、敵本拠地でワンカット風の長回しバトルシーンではビースティ・ボーイズの「No Sleep Till Brooklyn」が流れるなど、各年代の名曲がズラリ。
前作でエゴに破壊されたカセット式ウォークマンに代わり、ZUNEを新たに手に入れたことで選曲の幅が大きく広がったことが影響してますね。

「これが最適なサウンドトラックなのか常に不安だった」とガン監督は語ってますが、これが最適なサウンドトラックです。笑


オタクはこういうの好きでしょ?

(C)2023 Marvel

信じていた創造主に裏切られ、さらには愛する友人を全員殺され、自らも殺されかける(むしろ一度死んだ)ロケットですが、死の瀬戸際で再会したライラの一言で辛い過去を克服します。

創造主ハイ・エヴォリューショナリーと再び対峙したときの展開はオタクならシビれるはず!わかるー!!

「お前は89P13だ!」

『俺はロケット。ロケット・ラクーンだ。』

と大声をあげるでもなく淡々と言い放ち、ぶっぱなしたシーン。
ロケットの性格がよく表れた良い場面でした。

場面は変わってミッドクレジットシーン。
新リーダーとなったロケットが、ガーディアンズのメンバーとそれぞれ好きな音楽を語っているところで「これなんか最高だぜ」とかけたのが、初代GotGで最初にスターロードが聴いている「Come On Get Your Love」でした。

まさにこれはアニメ1期のオープニングが、最終回のクライマックスで流れる胸熱展開!と一緒!!
オタクなら誰しも興奮するシチュエーションに、絵面とは裏腹にめちゃくちゃ心打たれました・・・。

ロケットはスターロードがあの曲が好きだという事実を知っているのでしょうか。
もし仮に知らないとしたらくっそエモいんですがどうなんでしょう・・・


役者の事情も演出に落とし込む

(C)2023 Marvel

予算を大きくかけられるマーベル作品では、たいていのことが特殊メイクやVFX技術でどうにかなってしまいます。
ただ、そんななかでもあえてそうしたのか否か、役者の体格差を演出に利用した妙技を発見しました。

物語前半、ソヴリンの女王アイーシャが創造主ハイ・エヴォリューショナリーと謁見するシーン。
付き人に差し出された踏み台に乗り、アイーシャを見下すハイ・エヴォリューショナリー、という何気ないシーン。
実はこれ、役者の身長差を隠すための演出だったんじゃないかと思いまして。

というのも、ハイ・エヴォリューショナリー役のチャック・イウジの身長は174cmなのに対して、アイーシャ役のエリザベス・デビッキは191cmというスーパーモデル体型。
普通に立ったらチャックがリズを見上げる形になってしまうため、創造主としての強キャラ感を崩さないための対策だった、という可能性もありますね。


未来に繋がる新キャラが登場してた説

(C)2023 Marvel

宇宙再編おじさんことハイ・エヴォリューショナリー御大は人造人間の開発に余念がありませんが、実はこの開発中の子供たちのなかに重要キャラが潜んでいた!という噂が。

劇中の中盤、舞台はハイ・エヴォリューショナリーの創造した惑星、カウンター・アースへ。
ガーディアンズは地元住民の協力を得て、敵のアジトに乗り込むことになるわけですが、このときハイ・エヴォリューショナリーが目の前の輪っかで走る少女を眺めているシーンがあります。
ミッドクレジットシーンでロケットに好きな音楽を尋ねられ(ロケットもこのとき”ファイラ”と呼んでいる)、「ブリトニー・スピアーズとKORN」と答えたあの少女です。

実はこの少女が、原作ではマーター(クエーサー)としてガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員として戦うフィラ・ベル(ファイラ・ベル)だと言われています。
キャプテン・マーベルとして活動した後、名をクエーサー、マーターと変えて活躍していたキャラクターのようです。

MCUは原作改変が多く、出自もかなり原作とはかけ離れていますが、同じく原作改変で登場したウォーロックもなんだかんだでガーディアンズ入りを果たしたので、今後の2人の活躍に期待したいですね!


その他とてもよかった点

あげたらキリないので個人的にすごくよかった点をざっくりと。

・別次元のガモーラは結局最後まで別のガモーラだった。
「死ねばいい」と言い放った瞬間、あ、無理・・・となったのは僕だけではないはず。
最後はクィルとイイ感じになるも結局くっつくことはなく、ラヴェジャーズのガモーラとして古巣に戻っていくという、愛情ではなく友情が芽生えたような描写で終わりました。
これはこれでよかったかな。

・ロケットが自身を”ラクーン”と認めた。
今までさんざん「アライグマじゃねぇ」と否定してきたロケットが、アライグマの子供たちを救うシーン。
壁に書いてある”ラクーン(アライグマ)”の文字を見て、ようやく自認するという感動のシーンで、それがクライマックスに繋がるという激熱な伏線でした。

・エンドクレジットシーンの終わり方がファンにはたまらん
シリアルを食べながら祖父に愚痴をこぼすクィル。
最後はその咀嚼音だけが劇場内に響くASMR状態で終了します。
クリス・プラットの小ネタ”What's my snack?”をいじった可能性すらありますねw
ファンの耳に幸せを届ける演出でした。

終わりに

初代ガーディアンズが公開されてもう9年になるんですね。
僕はその当時、ジェームズ・ガンという監督がどういう作風の人なのかはまったく知りませんでしたが、初代GotGで一気に注目株になった印象があります。
その後の活躍は言わずもがな。

おバカなメンバーをたしなめるメンバーもいたりして、ガーディアンズはボケとツッコミのバランスが気持ち良い作風なのですが、本作は全体的にトーンが暗めで、ガーディアンズらしくないシリアスシーンも割りと多目だった印象。
それでもやっぱりコメディシーンとのバランスが絶妙なのはもはや神業です。

本国ではPG-13(13歳未満は保護者の指導が必要)に指定されているように、個人的には動物実験のシーンが精神的にかなりきつく、ロケットの友達が全員殺されるシーンがホントに胸糞悪すぎて夢に出そう。
ホラー映画顔負けのバイオレンスな描写もけっこう多いなどなど、手放しでは評価できない部分もあるのは事実。

ただやっぱりこの作品はジェームズ・ガンにしか撮れない作品だったと思うし、一度解雇されても本作のために戻ってきてくれてホントに嬉しかった。

DCユニバースのプロデューサーになったことでDCも復活の兆しが見えてきましたね! 

そしてスターロード率いるガーディアンズは終わってしまうものの、未来に向けて希望も残してくれてホントにありがとう!

これからのガーディアンズに期待しつつ、以上で終わりたいと思います。

まさかの5000文字レビュー・・・長々とお付き合いいただきありがとうございました!

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