No.23 ドラゴンクエストヒーローズ2 「山田は呪文をとなえた篇」

https://www.youtube.com/watch?v=QxLRXfPUx5A


[企業・商材について]

大人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の30周年記念作品。ハードは、PS4、PS3、PSVITA。ジャンルはロールプレイングゲーム。冒険を共にする仲間として、歴代シリーズの人気キャラクターが登場する。そのため、これまでのドラクエをプレイした人がより一層楽しめる内容になっている。


[ターゲット]

10代〜40代の男女。
※主なターゲットは男性だが、女性の購入も期待できる。一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会の調べによると、意外と女性の家庭用ゲームユーザーの人口は多い。
http://magazine.gamerabitanika.com/background-knowledge/game-industry-about2


[企画の思考プロセス]

「ドラゴンクエストヒーローズ2」には、他のゲームにはない大きな魅力が2点ある。1点目は、「ドラクエシリーズ」だということ。30年前の発売以降、多くのファンを魅了し続けている大人気ゲームである。2点目は、歴代のキャラクターが冒険を共にする仲間として登場すること。

以上のことから、一般的なゲームよりもターゲット層が広いと考えられる。日常的にロールプレイングゲームをしている層だけでなく、現在はゲームをやっていないが「過去にドラクエをやっていた」という層に購入してもらえる可能性がある。

前者だけでなく、後者の興味を引くCMにしたい。そのためには、「久しぶりにドラクエやってみよう」と思ってもらえるように、懐かしさを感じてもらうことが重要。

ドラクエの呪文の名前を活かす。「ホイミ」などドラクエ独自の名前が、シリーズを通して使われているため、懐かしさを感じてもらえる。

登場人物はサラリーマンにする。理由は、ターゲットである社会人に「自分に関係があること」と思ってもらいやすくするため。

サラリーマンが、真剣な場面で呪文の名前を言う映像にする。具体的には、真面目な会議で熱っぽく呪文の名前を言い、時には叫ぶ。間抜けな感じに映し、面白い映像にすることで、ターゲットの印象に残りやすくする。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

サラリーマンが真剣な場面でドラクエの呪文の名前を言う印象的な映像を見せる。ドラクエ経験者に懐かしさを感じてもらい、プレイしたいと思ってもらう。


[演出のポイント]

■文字の出方が、実際のゲーム画面と似ている。

「【ホイミ】回復」などの文字が画面下から出ている。実際のゲーム画面の出方と似ているので、受け手に懐かしさを感じさせる。


■「ザメハ!」にエコーがかかり、スローになる。
山田孝之さんが眠っている社員を起こすために言うセリフの「ザメハ!」にエコーがかかる。加えて、映像がスローモーションになる。叫びの衝撃が伝わりやすい表現になっており、面白みのある映像になっている。


■山田孝之さんのこめかみに血管が出ている。

山田さんが「バシルーラ!」と叫ぶ時、こめかみに血管が出ているので、必死さが伝わる。しかし、やっていることは間抜け。ギャップがあるので面白い映像になっている。


[自分がクリエイターだったら]

■後輩社員をニヤニヤさせる。

「共にドラゴラムして」から「バシルーラ!」までの一連の流れで受け手の笑いを誘いたい。そのためには、直前の「ラナルータで意表をつき、モシャスで敵を欺いたタイミングで」が重要。ここまで攻撃呪文の連発だったが、ラナルータとモシャスだけ攻撃呪文ではない。そのため、山田さんは演技を変化させているが、隣の後輩社員の表情の変化が乏しい。「意表をついてやったぜ」という感じで、ニヤニヤしながら敵を睨みつけるような表情にしたい。そして、「バシルーラ!」で一気に気張る表情にする。受け手に「いい大人が2人して何やってんだよ。」と思わせ、笑いを誘う。


■もっと歴代のキャラクターを映す。

ゲーム画面で、歴代のキャラクターが映るカットが少ないので、もっと映す。受け手に「あ!あのキャラクター知ってる!」と懐かしさを感じてもらい、興味を引く。

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