見出し画像

【本】実践ウェルビーイング診断①~ウェルビーイングとは?

「幸せになりたい」―これは人間誰しも思う願望ではないでしょうか。そして一人一人「解」が異なるため、万人に当てはまる答えが見えにくい問題でもあります。今回は「幸福学」の第一人者でもある前野隆司さんの著作「実践!ウェルビーイング診断」(共著:太田雄介さん)を読みながら、いろいろと学びがあったので、この場でシェアしていきたいと思います。もちろん、note上では一部分の紹介となります。ぜひぜひ、ご興味を持っていただけた方は、本作をお読みいただければと思います!


短期的な幸せと長期的な幸せ

一般的に「幸せ」というと「給与が良くなること」や「より休みが多く、楽な生活が送れること」と言われることがありますが、実際にそれらで幸福度が上がることはあまりありません。(中略)お金では、短期的な幸せしか得ることが出来ないので、給与アップによる幸福度の向上は、長くとも2か月程度といったところなのです。

「実践!ウェルビーイング診断」~人と会社が幸福になる34のリアル・ノウハウ~
/前野隆司・太田雄介より

たしかに、これはよく言われる話題ですよね。お給料が上がると、そのときは嬉しいけれども、徐々になじんでしまい、それが当たり前となってしまう。また、休みが多ければいいかというと・・・。これは実際、仕事がなくて求職活動をしたことのある身としては、大いに頷いてしまいます(笑)。そう、休みが多いだけでは幸福度は上がらない。やっぱり人間、やりがいとか生きがいがないとつまらないと思います(経験者は語る・笑)。

幸せタイムスパン(地位財と非地位財)

「幸せタイムスパン」については、経済学者のロバート・フランク先生が、地位財・非地位財という言葉で整理しています。
・ 地位財・・・他人との比較により満足を得るものであり、あまり長続きしないことが知られている。
(例)収入、財産、社会的地位
・ 非地位財・・・他人との比較によらず幸せが得られるもの
(例)心身の健康、幸せな心の在り方、環境

ある研究では「短期的な幸せ感」が高まると、本来やるべきことに取り組むことができ、結果として「長期的な幸せ」につながることも分かっています。そのため、「短期的な幸せ」を大切にしつつも、基本的には「中長期的な幸せ」を目指していくことがおススメです。

同上

これまた同感です。他人と比較して優劣をつけること自体は否定しませんが、それが目的となってしまうと・・・しんどいですよね。地位や持ち物による勝ち負けって、当事者にとっては必死なのでしょうが、他人にとってはそれほど大事でなかったりしますからね。それよりは自分自身が満足いく生活を送っているか、安定した心で日々暮らしているか、といったことの方がよっぽど大事なのではないでしょうか。

一旦、仕事や生活をリセットし、新しい生活を始めた身としては非常に共感を覚える解説でした。誰も前職の私のことを知らない環境。ゼロから人間関係を構築し、リ・スタートしている身としては、仕事ももちろん大切ですが、何より「自分の(心身共に)健康であること」が一番。短期スパンでなく、この今の状態を中長期的に維持できればと考えています。

幸せの4つの因子とは

これは数多くの「幸せな心」について、「要はどんな要素が幸せな心につながるのか」を整理したものです。

その4つの要素は、
①「やってみよう因子(自己実現と成長の因子)」
②「ありがとう因子(感謝とつながりの因子)」
③「なんとかなる因子(前向きと楽観の因子)」
④「ありのまま因子(独立と自分らしさの因子)」です。

小さなことでも大きなことでも、「やってみよう」と取り組み、周りとのつながりや「ありがとう」を大切にし、「なんとかなる」と考えて挑戦し、人と比べ過ぎず、「ありのまま」でいる。そんな人は幸せであるということです。

同上

この4つの因子、どれもとても大事な因子ですよね。なんでも「やってみよう」というチャレンジ精神で取り組む。そして周りへの「ありがとう」という感謝の心を常に持ち続ける。さらには困難にぶつかっても、諦めるのではなく「なんとかなるさ」とポジティブな気持ちでチャレンジする。そして気取らず、気負わず自分らしい「ありのまま」のスタイルを貫く・・・うーん、こうありたいものです(笑)。

幸せは伝染する

また、幸せについて補足すると、1つ目は「幸せは伝染する」ということです。ハーバード大学のクリスタキス先生によると、幸せな人に会うと幸せになれる確率が15%程度向上すると言われています。自分自身が幸せであるということは、それによって周りも幸せにしているということです。また、周りを幸せにするということは、周り周って自分自身を幸せにするということでもあるのです。

同上

かつて10年、20年前に「不機嫌な職場」という本が話題になりましたよね。当時はチーム作りに日々格闘していたので、貪るように読んだことを覚えています。なぜならまさに本に書かれている通りの職場だったからです!(涙)しかも悲しいことに、そうした環境を作り出していたのは、他の誰でもなく責任者の私だったのです!悲しいかな、あれこれ取り組もうとするとすべてが裏目に・・・なんて時期もありました。

しかし、それを乗り越え、好循環を迎えると、なんだか心も軽くなってくる。次第に自分自身にも笑みが増えたのでしょう。職場がどんどん明るくなっていき、仕事に通うのが楽しくなってきました。そうなるとあとは面白いようにどんどん良い循環が加速度を増してくる・・・なんて時期もありました。これこそまさに「幸せは伝染する」状態だったのかもしれません。ま、当時は必死すぎて、そんな感傷に浸る余裕はありませんでしたが・・・(笑)。

ちなみに本書では当然、もっと細かくそれぞれについての解説が書かれています。こちらはぜひ本書をお読みいただきたいと思います。

今頃、こうした組織の「幸福学」を読んでみると、「あのとき読んでいたら・・・」と若干悔しい気持ちになる反面、「いや、そうした経験があるからこそ、内容が理解できるのかも」と思い直してみたり。とはいえ、「学ぶのに遅すぎることはない」という名言もありますし、まさにその通りだと思っています。こうして昔の青臭い恥ずかしい思い出を振り返ることになったりしておりますが、もしかしたらこれを読んでくださっている方の今後のお役に立てるかもしれない、そんな気持ちで綴ってみました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?