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専門家だけが正しいワケではない。自分の頭で考えることが大事なのだ!

最近のワイドショーはコロナに関する話題がガクンと減り、代わりにウクライナ情勢に関する話題がグンと増えている。コロナに関する話題よりもウクライナ情勢に関する話題のほうが視聴率を取れるのだろう。どのテレビ局も躍起になってウクライナの悲惨な状況やプーチンの悪辣非道ぶりを報じている。

そんな日本の節操のないワイドショーなのだが、最近面白い現象が起きている。ワイドショーと言えば芸能人やプロスポーツ選手、元政治家、弁護士等のコメンテーターがわんさか登場するのだが、ウクライナやロシアに関する専門家や、軍事の専門家以外のコメンテーターによるウクライナ情勢に関する素人丸出しの意見がうっとうしいという意見が噴出しているのだ。

3月16日のABEMA Primeによると、Twitterにおいて以下のような意見がみられているという。

●軍事は特に専門性が高く素人の出る幕はない
●平和な日本にいる素人が勇ましい事いってんな
●戦争ダメとかわかってるからコメントいらん
●国を捨てろとか逃げろとか簡単に言い過ぎ
●フェイク多すぎて専門家でも慎重なのよ?
●素人意見を紹介するだけの質が低い日本の報道

……こんなカンジらしいのだ。

私はこの現象を興味深く眺めている。この現象の原因の一つは、やはりロシアのウクライナに対する暴力的で無差別な侵攻について多くの人が正しく常識的に憤っているからだと思っている。

何をどう考えても力で他国をねじ伏せようとするロシアのやり方は間違っていて、抵抗しているウクライナが絶対的に正しい。ロシアの口車に乗せられてウクライナが悪いのだと思っているオメデタイ人もいるようだが(ネオナチ、アゾフ連隊)、それは完全な誤りだ(※ロシアが間違っていると考える日本人が多いこと自体は歓迎すべき状況なのだが、しかしいざ日本が他国に侵攻されたときに、今の日本人たちがウクライナの人たちのような命懸けの抵抗ができるかといったら、それはもう絶望的に悲しいくらいに不可能なのだろうが……)。

また、非専門家コメンテーターの発言について不満を抱く人が多いもう一つの原因は、コロナ禍全盛期におけるコメンテーターや自称専門家どもの発言に対して、多くの人が実は心の奥底で違和感を抱いており、この期に及んでその違和感が爆発的に噴出した為ではないかと考えている。

「いい加減に適当な発言はやめろや馬鹿野郎どもめ!」

――てな具合にだ。

コロナ禍において多くのコメンテーターや自称専門家どもが、言いたい放題メチャクチャな発言を繰り返してきた。制作サイドの意図を忖度した非科学的で煽情的な発言に対して、日本人の多くは恐怖混じりに共感したのだが、同時に多くの人がそこはかとない違和感を心の奥底で抱いていたのだ。

ソーシャルディスタンス、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置、マスク、PCR検査、飲食店の自粛、アルコールの制限、ワクチン、ブースター接種……などなど、本当はクッソ意味のないムダな行為だと心の奥底で分かっていながら、全体主義的状況に屈してしまい本当の思いを抑えつけてしまっていたのが今までの日本人なのだ。

そんなところにもってウクライナとロシアという、比較的分かりやすい構図の戦争報道が流され始めた。何をどう考えても悪いのはロシアであり、命懸けで抵抗しているウクライナは完全に正しい。

ロシアだけが悪いのではない、ウクライナにも非があるのだと言う輩も居るのだが、それは完全にナンセンスだ。もちろんウクライナという国家は無謬ではないだろう。政治的な汚職や腐敗にまみれている国だと理解している。

ゼレンスキー大統領のアメリカ議会における「真珠湾攻撃発言」だって日本人にとっては釈然としないものがある。私だって気持ち良くはない。アメリカは日本の暗号電を傍受していたのだから、厳密に言えば真珠湾攻撃は「奇襲」ではない。むしろ、アメリカの罠にまんまと嵌ったとすら言えるだろう。

しかし、だからといってロシアに抵抗しているウクライナの正義が曇りはしない。ウクライナの抵抗こそ正義であり、暴力的な侵略を企図するロシアが絶対に悪なのだ。この構図は揺らぎはしない。ここら辺はしっかりと踏まえておこう。

さて、とりあえず現在のウクライナ情勢に関する各専門家のコメント等は、ひとまず専門的な知識に裏打ちされていて、視聴者の持つ素朴な常識的感覚とも相反しないだろう(鈴木宗男や佐藤優といったプーチンの犬も存在しているが、全体としてはマイナーな存在だ)。素朴に納得できる筈だ。

それなのにだ。それなのに、ワイドショーのコメンテーターは相変わらずだ。相変わらず制作サイドの意向を忖度した、薄っぺらくてクソ面白くもない発言をぬくぬくとヘラヘラと安全な位置から垂れ流している。「誇りよりも命が大切」だとか、そんな事を抜かす玉川徹みたいなヤツも居る。

――ここに至って、ワイドショーを始めとしたマスコミに対する違和感や苛立ちが一気に噴出したのだ。「従来型」=「コロナ禍型」のコメンテーターどもに反旗が翻されたのだ。

ある意味、この流れは歓迎すべき流れではあると思う。しかし、しっかりとした意見を言う専門家の意見だけが正しくて信用できる、あるいは絶対だとするような感覚には賛同できない。割と真っ当な発言をする専門家が多いのだとしても、私は警戒感を緩めない。

なぜなら、コロナ禍におけるメディアの報道を見ていたら、「専門家」と名乗る者たちを無批判に絶対視することなど危険過ぎて到底できないと考えるからだ。

あの時に(今もだが)どのような専門家が存在した? 岡田晴恵、北村義浩、西浦博、尾身茂、インターパーク倉持、寺島毅、松本哲哉、渋谷健司、峯宗太郎、忽那賢志、二木芳人……などなど、非科学的でどうしようもないデマばかりを垂れ流してきた連中ばかりではないか! 

2年以上もこのクソったれどもに我々は翻弄されてきたのだ。私は「専門家」とか、そんな権威主義的な感覚に己の判断を委ねることなんて絶対にできない! むしろ「専門家」なんて名乗り始めたら最大限に警戒させてもらうことにしている。

――いや、だからといって一切信用しないワケではない。そんなことを勧めているワケでもない。私が言いたいのは、大事なのは自分の頭で考えることだと言いたいのだ。

18日に放送されたテレビ朝日の「タモリステーション」という番組が話題となった。ウクライナ情勢に関しての番組で司会はタモリだったのだが、彼は2時間に及ぶ番組中、冒頭の挨拶以外は沈黙を貫いた。番組では「専門家」と呼ばれる人達が多く発言していた。

このタモリの姿に多くの人が共感しているのだが、それは別にどうでも良い。ただ、専門家の意見だけを批判もせずに全て受け入れることが正しい態度だと理解するのならば、それは誤りだろう(タモリは博学で賢い人間だから、しっかりとした考えを持っているだろうがね)。

大事なのは、他者に己の判断を預けないことだ。色々な人たちの意見を参考にし、そのうえで自分で考えて答えを出すことが大事なのだ。

SNSやTwitterを眺めていると、多くの日本人のバランス感覚のなさが非常に気に掛かる。バランス感覚とは、要するに常識のバランス感覚と言い換えることができると思うのだが、コロナに関しては真っ当な考えを持っていても、ウクライナ情勢に関しては陰謀論にまみれた考え方を抱いてしまっていたり、ウクライナ情勢に関しては真っ当な考えを持っていても、コロナ関連になると非科学的全体主義的な考え方を抱いていてしまったりとする人が非常に多いのだ。

コロナとウクライナ情勢、共に真っ当な考え方を持っている日本人が少ないのだ。バランス感覚が欠如しているのだ。両者は両立すべき事柄なので、非常に歯がゆい思いを抱いている。

なぜこのような日本人が多いのかというと、やはり自分の頭でモノを考えていないからだと判断せざるを得ない。常識を大いに意識したうえで、人の頭でではなく、自分の頭でモノを考えるのだ。

常識的にコロナ禍を終わらせ、常識的にウクライナ情勢から学び、常識的な日本に戻さなければならない。非常識な日本のままではいつか必ず滅びるだろう。

自分の頭でモノを考える。今日の肝はコレです。






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