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100年前サンフランシスコで「怠け者」の大量逮捕 〇〇強制は国民の連帯感を排除 史上最悪のインフルエンザ編②

「怠け者」の大量逮捕


今から100年以上前の1918年11月、米国サンフランシスコ市で起きた大規模な逮捕劇です。いったい市民はどんな条例違反で逮捕され、罰金刑や懲役刑を受けたのでしょうか。
<警察は数百人もの条例違反者を逮捕し、裁判所は逮捕者に対して5ドルの罰金刑から、ときに法廷でも態度を改めない違反者に対して下したような30日間の懲役刑に至る刑を言い渡した。
11月8日の夜、警察はダウンタウンにあるすべてのホテルのロビーの一斉手入れをおこない、〇〇条例違反の「怠け者」400名を逮捕した。…警察は彼らを囚人護送車に押しこみ、市の刑務所に運んでいった。>
 



正解はマスク着用条例です。「史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック」(アルフレッド・W・クロスビー著、西村秀一訳 みすず書房2004年発行)から引用しています。
スペイン風邪(スパニッシュ・インフルエンザ)発生源の疑いがある東部ニューヨークですが、遠く西に離れた大都市サンフランシスコ市にも危険が迫り、今思えば、的を外した過剰な反応でした。
 

棺を作り、墓穴を掘れ


ちなみに、東部の公衆衛生担当者が他の地域にインフルエンザ流行の脅威を端的に示すアドバイスを送っています。
<まず木工職人と家具職人をかき集め、棺作りを始めさせておくこと。次に、街にたむろする労務者をかき集めて墓穴を掘らせておくこと。そうしておけば、少なくとも埋葬が間に合わず死体がどんどんたまっていくといった事態は避けられるはずです。>
 
サンフランシスコの公衆衛生当局のトップ、ウイリアム・ハスラー博士が主導し、10月18日、接客する商店従業員の営業時間内とすべての理容師へのマスク着用義務付けを手始めに、その後まもなく議会に相当するサンフランシスコ理事会にすべての市民へのマスク着用義務付けを勧告し、全会一致で採択されました。
<公衆の行き来する街頭やすべての公共の場、もしくはどのような形であれ人々が集会を開いたり2人以上の人が集まる場所に行く者はみな、そして食糧品や衣料品・衣服等を取り扱ったりそれを人々に届ける職業に従事する者はみな、食事をするとき以外、バター・クロスあるいは目の細かいガーゼのような素材を4枚重ねにしたマスクで鼻と口を覆うこと。ただし、家庭で同室の家族が2人だけの場合はこの限りではない。>
 
サンフランシスコ・クロニクルには「ガーゼマスクはインフルエンザの予防に99%有効です」という一面広告も掲載されたそうで、今思えば滑稽かもしれませんが、「コロナウイルスワクチンは感染予防に95%有効」に踊らされるのも十分滑稽です。
 

今も昔も規制当局は自画自賛


もちろん、当時のマスク(今も含めて)に予防効果はありません。
<マスクの着用を義務づけた地域には、ほとんどの場合、それらに隣接した地域でマスクの着用を義務づけなかった地域と同じような記録が残されている。>
しかし、感染症の本質、ピークが来てやがて対策とは関係なく下火になることを、わがことの手柄のように語るのは昔も今も同じです。マスク着用解除を発表した11月21日、規制当局の市保健委員会や赤十字社の関係者の昼食会で
<ハスラー博士の見事なリーダーシップのもと…インフルエンザ患者の数を…出て当然と目されていた数の半数以下に抑えこむという偉業を成し遂げ…この成功は、ひとえに、マスク着用を義務づけるという大胆な手法のおかげであります>という自画自賛スピーチが行われました。
しかし、ピークの山は一波より小さかったものの再流行します。
 

「インフルのことを知らないのは100年前と同じ」


自賛後の再流行による市民のマスク疲れが後押しにはなったでしょうが、当時はマスコミや専門家が今よりまだ随分ましな方でした。
<そもそも保健委員会が市民に求めていたことは、本当に努めてそうする価値があったのか?>と、サンフランシスコ・クロニクルが、家族全員がワクチンを受けマスクを付けたのに全員がインフルエンザにやられ肺炎で入院した読者の手紙を掲載しました。
<カリフォルニア大学細菌学研究室のF・L・ケリー博士も、「今日我々がインフルエンザについて知っていることは100年前知っていたこととなんら変わらず、インフルエンザに対してはまだ根本的な治療法や予防法は何もないのだ」と切り捨てていた。>
 

国民の連帯感を排除する狙い


日本人はマスク慣れしていますが、マスク着用の強制には恐ろしい狙いがあります。ロバート・F・ケネディ・ジュニア著「真実のアンソニー・ファウチ」のあとがきから引用します。
<彼らは集会を禁止し、国民に恐怖を植え付けてコミュニティを分断するマスクの着用を強制し、神と進化論が人間に42個の顔の筋肉を与えた最も微妙で雄弁な非言語コミュニケーションを妨げることで連帯感を微小化した。>

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