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日本のウクライナ支援総額は推定53兆3550億円 明日19日復興推進会議を前に

19日東京でウクライナ経済復興推進会議が開かれます。もちろん、日本国民の関心は、いったいどれほどの支援額が支出されるか、にありますが、岸田首相は国民に説明するつもりは一切ないようです。
2月11日のロイターの報道によると、「ウクライナへの158億円(1億600万ドル)の援助を約束すると共同通信が日曜日に匿名の情報筋の話として報じた」とありますが、こんな金額であろうはずがありません。
会議後もまともな報道はないと判断して、主にホワイトハウスのブリーフィング(バイデンの選挙キャンペーンでの発言等)や世界銀行の公表データなどに岸田首相の従米度を加味して下記の計算式を作成しました。
 

(復興支援必要額-欧米韓追加支援額)×忠犬度=日本の追加支援額


 
各項目を検討する前に、官邸ホームページ「日本はウクライナと共にあります」から抜粋した、これまでの支援総額は96億3412万ドル(1ドル150円換算で1兆4451億円)と政府系銀行日本開発協力銀行が保証するポーランド政府系金融機関が発行する円建て債権930億円の合計で約1兆5381億円となります。しかし、報道から積み上げていくとすでに2兆円を超える支援をしていると見られます。
そのほかに、大型変圧施設2基、移動電源車6台、地雷探知機50台、自衛隊車両100台等々の物納が多数あります。
 
日本がいかに世界の中でウクライナ支援の前のめり度が突出しているか。
昨年4月6日の参議院財政金融委員会で興味深いやり取りがありました。
梅村聡議員「世銀加盟措置法の改正案についてお伺いをしたい。今回は、世界銀行の中にいわゆる基金がつくられると。この基金に対して国債による拠出が可能になるようにする、ウクライナ復興支援を目的とするこの基金ですけども、これ、今、日本が中心になって設立に向かって動いていると。ただ、現時点では、私が聞いている範囲では、日本のみがこの基金へ参加表明をしている状況であるというふうにお聞きをしております」
鈴木俊一財務相「日本といたしましては、来週開催されます世界銀行・IMF合同開発委員会の場でありますとか、G7を始めとする各国が出席する会議の場を活用いたしましてこの基金への参加を呼びかけていきたい」
唯一ウクライナ復興基金に参加表明する日本が欧米に呼びかける立場だと言うのです。
 

【復興必要額】61兆6500億円


それではまず、ウクライナ復興に必要なお金はいくらか、です。
世界銀行が昨年3月23日に公表しました。それによると今後10年間のウクライナの復旧復興に要する費用は約4110億ドル(1ドル150円換算で61兆6500億円)です。
 

【欧米韓追加支援額】8兆2950億円


まずアメリカは、2月14日のBBCニュースが「アメリカ連邦議会上院(定数100)は13日、ウクライナへの軍事支援を含む総額950億ドル(約14兆3000億円)余りの外国支援包括予算案を可決した。…ウクライナ支援に600億ドル…が盛り込まれている。…下院のマイク・ジョンソン議長(共和党)は、法案審議を阻止する考えを示している」と報じています。今後ウクライナ追加支援は一切行われないと見ていいでしょう。
欧州については、2月2日のBBCニュースは「欧州連合(EU)の加盟27カ国は1日、ウクライナに対する500億ユーロ(約7兆9500億円)相当の支援パッケージを承認した」と報じました。
2月15日のソウル聯合ニュースは「韓国は今年3億ドル、来年以降に20億ドル以上を支援する方針を示している」と報じました。昨年8月の日米韓首脳会談で武力担当と指名され、すでに尹大統領が英国の国賓来日を果たしている韓国が3450億円も追加支援するのですから、お金担当の日本の追加支援が158億円であろうはずがないのです。
 

【忠犬度】100%


HP「日本はウクライナと共にあります」の後半は、ロシアに対する数々の経済制裁を3ページに渡って列挙しています。経済制裁は制裁国への宣戦布告と言ってもよく、宗主国であっても言われるがままやってはいけないことです。また、昨年強引に成立に持ち込まれたLGBT法もバイデン政権の強力な指導の下でのことでした。
 
よって、

(61兆6500億円-8兆2950億円)×1=53兆3550億円


 

【確かめ算】


バイデン発言が参考になります。
昨年7月29日メイン州フリーポートでの選挙資金集めキャンペーンで「日本がdomestic budget国内予算よりもmilitary budget軍事予算を増やして、西側の側に立ってヨーロッパの戦争を支援すると考えた人がいるだろうか? それが今やっていることなのです」と発言しました。一昨年末岸田首相は2023年度から2027年度までの5年間で総額43兆円の計画を閣議決定しています。防衛費の増加率が一般会計の増加率よりも多いとも読めますが、国内の防衛予算よりもウクライナへの支援の方が多いと読めなくもありません。
翌8月キャンプデービッドでの日米韓首脳会談後、日米の課題として一番に触れたのがウクライナ支援でした。
 
そんな巨額な支援を保証できるのか、という問いには、日本の外貨準備である米国債でできると申し上げます。
米国財務省が公表する最新の海外保有割合(2023年11月分)から、総額の14.4%を占める日本保有分1兆1270億ドル(1ドル150円換算で169兆円)です。バイデン政権にとっては、米ドル暴落の火種となりかねない米国債を担保で縛り付けて大量売却を無効化できるうえに、ウクライナ支援を最大化する一石二鳥の効果があります。
 
保証だけならいいじゃないか、と言う人もいるかもしれませんが、ウクライナが何十兆もの借金を返済できると思いますか? 元本はおろか1、2か月利子を払えるかどうかでしょう。
連帯保証人に類が及ぶのは間違いありません。
担保にはできても売却できない米国債の代わりに、消費増税で支払う旨の特約が入るのではないでしょうか。これこそ、財務省と経団連が望む展開です。
 

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