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「手術しないほうが、手術するより生存期待率が長い」~「B17 癌なき世界 9章 実証されているといわれる癌療法」まとめ

「B17 第1巻 癌なき世界」(1979年初版発行 著者:G・エドワード・グリフィン 訳者:渡辺正雄、河内正男、小笠原治夫 監修:河内省一 ノーベル書房)の9章を上下2回に分けて紹介します。
 
9章 実証されているといわれる癌療法㊤

現代医学主流派からB17へのインチキ攻撃


B17療法の提唱者はいつも、「B17が直接に癌を治すのではない」と、注意深く主張する。癌は必要成分の欠乏のために起こったものであり、B17を与えて治療したとはいわない。すなわち、「予防」または「制御」したといっている。
ところが、現代医学主流派の人たちは、B17提唱者のような節度さえもない。「B17のような”売薬”で治ったという人は、貴重な時間を浪費しただけで、その代わり、われわれ側の”実証的治療法”を受けていれば、もっと早くよくなる」と、繰り返し何回も発表する。しかし、その内容たるや、「外科手術」であり「放射線療法」であり、「薬品」なのだ。
その中で最も露骨なのは、ロサンゼルスのニュース・レポートである――
<本日のアメリカ癌協会の発表によれば、いま、大がかりなインチキ療法活動が、サンフェルナンド地域に広がりつつあり、警告を発している。この地域の教育理事長スタンレー・グラシェスキー女史は、インチキ療法で、癌患者が正しい治療を受ける時間がいたずらに遅らされ、結局「手遅れ」となり、患者の生命さえ救えなくなると強調し、このインチキ療法で、多くの人びとを死に追いやっている、と述べている。>
これに呼応して、カリフォルニア州保健局のラルフ・ウエイラ―シュタイン博士は「癌発生の初期に、現代医学の治療を排除して、B17療法を行うことはきわめて危険であろう。外科手術や放射線のような現代療法で治せるはずの癌が、治療を遅らされて「転移」すると、もはや治せなくなってしまう」と声明を発表した。
※この声明のみそは「癌発生の初期に現代療法を」ということばでしょう。決して中期、末期の癌は指していません。しかし、近藤誠理論で知られる「がんもどき」のように初期は放置しても、自然治癒するものがあります。その点からも早期診断を有害無益と指摘しています。著書「クスリに殺されない47の心得」(2015年アスコム)から引用すると、「子宮頸がんゼロ期と診断されたら『おできだと思いなさい』」「治療せず観察していたがんが消えたり、小さくなったりの例は数えきれない」とあります。

癌に関する本が公立の図書館にはたくさんあるが、大部分は配布したアメリカ癌協会の名前を印刷したしおりが挟まれている。その表には――
♠実証されていない癌療法:諸君の命をこれに賭けるな!♠
裏側には
「実証的癌療法につき、詳細を知りたい人は、アメリカ癌協会に連絡下さい。問い合わせの方法は……」
実証的療法とは成功の保証をつけた主張のようだと驚いた筆者がアメリカ癌協会に手紙を送った。
その返事は、「癌の早期発見の場合、実証された療法があり、それらは外科手術、放射線療法で、また化学療法もこの一環に加わっています」だった。
そこで、外科手術、放射線療法、化学療法の治療の成果や利点を調べてみた。

ならば検証 本当に手術したほうが長生きするのか?


▽外科手術療法 腫瘍の中で癌細胞の占める比率が大きくなるほど、外科手術は有効でなくなる。悪性腫瘍ほど手術してはいけないとされている。外科手術の欠点は二つ。第一は、局部的外傷は人体の自然の治癒作用をこわし、栄養芽層の活動を早めやすい。第二は、悪性腫瘍を取り残すと瘢痕組織に残った癌細胞には膵臓酵素も侵入しにくく、白血球の癌攻撃を助けられない。
外科手術を受けた人が、受けなかった人に比べて、平均的に長生きするという確証が統計的につかめない。世界の最高峰に立つほどの外科医は迷っている。だから、もっと掘り下げた、偏見のない研究努力が要望される。

外科手術の初めての統計は1844年、ラロワ・デトワール博士によって行われ、フランス科学アカデミーから発表。手術を受けた、焼灼した、手術を受けないに分類し、統計分析した結果、初診から2、3年以内に手術または焼灼した者では、男性で2か月、女性で6か月しか寿命を伸ばせない。それ以降では、手術などを受けない者のほうが50%も長生きしている。この統計は昔のものだが、最近の統計調査でもほぼ同じ結果である。

乳癌はその部分だけでなく、乳房全体、リンパ腺、卵巣まで切除する場合もしばしばある中、1961年、大規模な全国乳癌治療研究プロジェクトが7年半の統計分析の結論は、簡単な手術を受けた患者と大手術を受けた患者との生存率の比率にたいした差はなかった

修正が必要な統計マジック


これについて一般的外科手術も含めた、ハーディン・B・ジョーンズ博士(※カリフォルニア州立大学バークレー分校教授)の考察
<癌がゆるやかに進む場合は、原則として長く生きることになりやすく、よく手術を受けやすいことになる。しかし、同じ理由で、これらの患者は手術に関係なく長く生存しやすい。手術しなかった人の生存表を正しく表すためには、もともと長く生きやすい病人が、「死ぬまで未手術だった側」から「処置側」に移されている事実を考えて、修正しなければならない。生存率をこの修正表で見直すと、「手術しないほうが、むしろ、手術するより生存期待率が長いようである

次回は9章実証されているといわれる癌療法㊦をお送りします。

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