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#Article3. 【逹磨神社を有名にした2つの話し】


はじめに

※シン・コワは「心霊現象を撮りに行く」ではなく「心霊現象って本当に起こるの?」を軸に、"特別な機器は使わずに"検証を行う番組です。
現地で起こった全ての事象を心霊現象だと煽ることなく、疑問を呈し、考察し、勘違いや思い込みにより話が飛躍されてしまったのではないか、ということも提示していきます。

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 千葉県船橋市にある白幡神社/白幡宮。通称:逹磨神社
ここでは”達磨を使った呪術を行っていた”という過去があったとされ、その話が基となり逹磨神社と呼ばれている。神社と呼ぶにはあまりにも淋しく、あるものは骨組みだけの建物と、祀るものを失ったやしろだけである。

 この場所の有名にした話は2つある。1つは先述した通り、達磨を使った呪術が行われていたという話。もう1つは、2001年に発生した強盗殺人事件である。事件概要は、3人の少年が強盗を目的に”たまたま目の前を通過した”男子学生を集団リンチし、殺害、その遺体を神社に放置したというもの。
 この事件に関しては定かな情報ではない。事件自体は起こっているようだが、遺体の発見場所はまた別のところといった情報もしばしば見かける。

 達磨神社を有名にした話は以上として、ここで噂される主な心霊報告については以下になる。

男性の霊・女性の霊・子供の霊・様々な楽器の音が聞こえる・身体が重くなる・人魂の目撃・社の周辺だけ寒気がする・木に達磨の顔が浮かび上がる

 これら噂される心霊報告は、呪術の話と事件の話の2つと照らし合わせると不審な点が見て取れる。
子供の霊はなぜ居るのか。女性の霊はなぜ居るのか。楽器の音はなぜ聞こえるのか。逹磨神社を有名にした話2つとの関係は果たして・・・。

 ではここからは齊藤の撮影した写真とともに神社内部を見ていこう。

 入り口は綺麗に整備されている。写真を見てわかる通り、真新しいしめ縄もされている。しめ縄とは、神様のいる神聖な場所を示すとされている。また神様の依り代とも言われている。御神木や御神石にしめ縄がされているのは神様がそこに宿るとされるからである。
 しかし先述した通りここには祀られたものが存在していない。では、このしめ縄にはどういう意味が込められているのだろうか。

 鳥居をくぐると1本道が続き、その先には骨組みだけとなってしまった建物が姿を現す。まだ機能を果たしていた頃は壁があり、ゴザが敷かれ、火鉢が置かれていたそうだ。つまり簡易的な寝泊まりのできる建物だったということである。
 周辺には”県民の森”と呼ばれる大きな自然公園、それに付随したキャンプ場、コンビニなどがあるため現代社会においてこの寝泊まりできる建物は"使わないもの"として役目を終えたと考えられる。

 最後に社についてだが、これは本殿と思われる。サイズ感は摂社せっしゃ末社まっしゃと思われてしまうだろうが、他に本殿らしきものは発見することはできなかった。また、社には何が祀られていたのかパッと見ただけでは不明である。戸は開け放たれていて中が見える状態になっていた。

【前編】多くの心霊現象を突き止めろ!千葉県屈指の心霊スポット《逹磨神社》に潜入!-2023年12月9日-

【後編】呪術は本当にあったのか?《達磨神社》で起こる複数の怪異の謎を追求せよ!-2023年12月16日-

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 ここからは齊藤の考察を交えて話を展開していく。

1.社に何も祀られていないことについての考察

 まず、白幡神社とは関東地方・東北地方・中部地方に分布し、動画内で齊藤が考察した通り、源氏の白旗から来ていることがシン怖の調べで判明した。
 その多くは源頼朝を主祭神としている。ご利益は合格や成功、勝利祈願、家内安全などであるが、この逹磨神社には祀られていたであろうものは存在していない。
 祀っていたものを失った神社に、主祭神のご利益は果たしてあるのだろうか。もしくはどこか別の神社に祀っていたものを移動した、なども考えられる。

 しかし齊藤はこう考える。”そもそも何も祀っていなかった”という説である。
当然であるが、この小さな社に主祭神が祀られていたとは考えにくい。となれば御神体が祀られるのは必然。御神体とは神社によって様々あり、石や鏡、御幣ごへいなどが挙げられる。
 そして、"敷地そのもの"を御神体とし、社には何も祀らない神社は日本各地に存在する。これを踏まえ、この白幡神社は敷地全体が御神体だったのではないか、と考察する。

 これが理由であればここに何も祀られてないことに腑が落ちる。全ての神社に共通することではあるが、鳥居のしめ縄が綺麗だったのも敷地全体が神聖な場所として保たれるために、管理している人が定期的に替えているのだろう。
 
 そもそも、このようなむき出しの社に御神体を置いてしまったら盗まれるリスクが非常に高い。そういったことも踏まえ、ここには何も祀っていなかったということを結論とし、何も祀られていないことに関しての考察を終える。

2.達磨を使った呪術についての考察

 では次に、なぜ逹磨を使った呪術が行われていたと噂立てられたのだろうか。
これも動画の中で考察した通り、達磨の正しい作法は願いを込めながら右目を塗る。そして願いが成就したら左目を塗る。というのが一般的だ。

 白幡神社が源氏であれば敵軍は平家となる。そして平家は赤旗を掲げていた。その敵軍を象徴するカラーである赤は逹磨と同じ色になる。
 つまり、相手を呪術で呪いながら右目を塗り、成就したら左目を塗るといったように使われていたのではないだろうか。
 さらに細かく言うと、歴史の時系列を鑑みて、源氏の子孫が平家の子孫に達磨を使った呪術を行っていた可能性が出てくる。

 ・・・しかし紐解いてみると、どうやらとある怪談師がこの白幡神社を題材に話した内容に逹磨が登場するとのことだった。
 それが大きく広がって逹磨を使った呪術が行われたなどと広まってしまったようだ。わかってしまうとなんてことの無いことだ。
 だがこれは、呪術が行われていた過去を隠蔽するために作られた話なのかもしれない。真相は藪の中、ということである。

3.心霊現象についての考察

 男性の霊の存在について
これは普通に考えるに、強盗殺人事件で被害に遭った男性だろう。

 女性の霊の存在について
当時、白旗神社を守ってきた巫女ではないだろうか。

 子供の霊の存在について
迷い霊か。居心地の良さに居着いてしまった・・・?
または、キャンプ場から肝試しに来た少年を、たまたま目撃した人の思い込みや勘違いで”少年の霊”と噂され広まった。

 様々な楽器の音がする
周囲にある青少年キャンプ場から漏れてくる楽器音と思われる。
もしくは呪術を行う際に、様々な楽器を使用した儀式的なことがあり、神社内で音の再現がされている。

 身体が重くなる
恐怖心から来る筋肉の硬直による疲労感と思われる。

 人魂の目撃
肝試しに来た人が持っていたライトの光が人魂に見えた可能性がある。

 社の周辺だけ寒気がする
寒気とは少し違うが、調査員の佐古は検証中に社側から常に不気味な気配を感じたようで目が離せなかったようだ。
「目を離してしまうと、何かが現れてしまう気がする」そんな不安感に飲み込まれたとのこと。

 木に達磨の顔が浮かび上がる
幹の模様が逹磨に見えてしまったのかもしれない。
しかし、なぜか1本だけやたらと枯れている木が社の真横に存在していた。

 最後になるが、動画の中ではかなりの頻度でパキパキといった音が鳴っていた。
これは後編の最後で調査した映像があるが、ドングリが落下した際に出る音だと考える。
どんぐりが落ちる時期は10月〜11月初旬らしく、撮影日は11月4日だったので合致する。これで間違いないと考えるが、引きずるような足跡は謎のままである。


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