村上 臣(電脳コラムニスト)

だれもが自分らしく楽しく働ける世の中に!働き方や注目テクノロジーなどを中心に発信。日系…

村上 臣(電脳コラムニスト)

だれもが自分らしく楽しく働ける世の中に!働き方や注目テクノロジーなどを中心に発信。日系企業でエンジニア→ディレクター→役員の後、海外経験ゼロのまま外資カントリーマネージャーへ。執筆依頼等は→ https://www.linkedin.com/in/shin-murakami/

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すぐに役に立たない学びの価値とはなにか

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 わたしのコラムでも幾度となく話題にしている「リスキリング」。技術革新や変化の早い世の中だからこそ、自分のスキルを常に磨いていなければ生き残れない。特に日本社会がジョブ型雇用へと移行する中で、ある種の残酷な事実として認識しておく必要があります。 一方で、実行するのはとても苦労するもので、新しいスキルを身につけるための勉強をコツコツと続けられる人は少ないでしょう。または、短期間頑張れたとしても「リスキリング疲れ」とも言える思いがふと頭

    • 「おもてなし」は世界の共通語に サービス産業は輸出できるか

      こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 今日ニュースをチェックしていたら、こんな記事が流れてきました。オックスフォード英語辞典に23の日本語由来の単語が追加されたそうです。 「カツ」「ドンブリ」「オニギリ」など、新たに追加された単語の半分以上は食や料理に関するもので、日本食文化への関心の高さが現れています。伝統工芸に関するものも追加されており「Kintsugi(金継ぎ)」や「Shibori(絞り染め)」などが採用されました。 特に目を引くものに「Omotenashi(

      • 仕事を始める前の準備こそが、より良い仕事のためのコツだ

        こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 # 本投稿は日本経済新聞とnoteが共同で開催しているお題企画への寄稿です。 今年は桜の開花が遅く、まだまだ肌寒い日々が続いています。しかしながら、時間は刻々と過ぎていくもの。気づけば3月も下旬にさしかかり、いよいよ4月・新生活のシーズンになります。そんな中で出されたお題は「#仕事のコツ」。新たな環境でスタートを切る方々に向けて、ちょっとした仕事のコツをまとめてみようと思います。 仕事のコツと言えば、PowerPointを使いこ

        • なぜ人は焚き火に惹かれるのか オフィスにも広がる炎の力とは

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 焚き火好きですか?昨今のキャンプブームもあり、焚き火に親しむ人が増えた気がします。芸人のヒロシさんが配信している人気のYouTubeチャンネルでも、ソロキャンプや焚き火の魅力が取り上げられています。 いまではアウトドアの枠を飛び出して、オフィスに炎を導入する会社も増えているそうです。 人と炎の関わりは長く、むしろ人がホモ・サピエンスへと進化するにあたって重要な役割を果たしたのが火の力と言われています。火を道具として活用できるよう

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          タイパ全盛の世の中だからこそ、不便であるからこそ得られる便益を考える

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 現在の技術革新は、課題を解決することで進歩してきました。手間がかかる、遅い、大量の労力を要する等々、「面倒くさい」「不便」を解消するものに価値がつき、そのサービスや技術が売れる。そのようなエコシステムがまわっているからこそ今日の経済発展があります。 インターネットの発展により世界規模の大きなプラットフォームができ、新たなサイバーエコシステムがまわっています。そこから生み出されるコンテンツやサービスは膨大なものとなり、可処分時間の奪

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          変えられないことで思い悩まない 〜世阿弥で学ぶ人生の指針

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 3月と言えば卒業や異動など、新生活シーズンとも言われる身の回りの環境の変化が多い時期です。引っ越しや転職など、人間関係や生活の基盤にも影響が出る場合もあります。自分自身に変化はなくても、例えば上司が変わったり同僚が異動・転職したりして、知らぬ間に変化に巻き込まれていることも少なくありません。 個人的にこの1年は、公私ともども周辺環境の変化に翻弄された年でした。会社内での大きな変化や介護など、まさに勝手に変化に巻き込まれるパターンで

          変えられないことで思い悩まない 〜世阿弥で学ぶ人生の指針

          リスキリングのゴールはなにか キャリアを転換する上で重視すべきはソフトスキル

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 本コラムでもずっとおいかけている働き方系のトピックとして「リスキリング」があります。背景としては、年功序列・終身雇用という日本型雇用から、いわゆるジョブ型雇用への移行に対応するために必要な行動だと広く認識されされはじめたということがあります。 では実際にリスキリングでなにをしているかというと、英語を学んだりプログラミング言語を学んだりといったハードスキルに偏重しているのが現状です。たしかにどちらも需要が旺盛で人材不足であることから

          リスキリングのゴールはなにか キャリアを転換する上で重視すべきはソフトスキル

          猫であふれるインターネット 経済効果は2兆円

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 先日の2月22日は「ねこの日」(にゃーにゃーにゃー)でした。インターネット上ではSNSを中心に非常に盛り上がり、X(旧Twitter)では企業の公式アカウント名がねこっぽくなったりしていました。リクルートの旅行情報誌「じゃらん」が「にゃらん」、ワイモバイルが「ニャイモバイル」になったりといった具合です。 猫の経済効果が2兆円超というのは驚きです。インターネットでは(それ以前のパソコン通信時代からという説も)犬よりも猫のほうがコンテ

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          文系・理系というバイアスがイノベーションを阻む

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 大学入試も佳境を迎え、今年も多くの受験生が将来を切り開くために頑張っていることと思います。最後まで悔いのないように実力を発揮できることを願っています。 進路と言えば、最近では様々な専門性をもった学部・学科が新設されています。私が客員教員を務める武蔵野大学では2021年春に「アントレプレナーシップ学部」を開設。次の時代を自らつくりだす起業家の育成に特化した学部として注目を集めています。 このような学部は、文系なのか理系なのか。ふと

          文系・理系というバイアスがイノベーションを阻む

          認知の前に共感があった 我々の未来の希望はどこにあるのか

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 ビジネス書は日々新著が出てきており、「おっ!」と思って購入しても積読になってしまっている方も多いのではないでしょうか。わたしもご多分にもれずそうなのですが、なるべく時間を見つけて消化しようとしています。 最近はビジネス書よりも文化・教養的なものや、自身のコア分野とは離れた領域のものを意識的に読むようにしています。また、面白い人は面白い本を知っているという持論がありますので、おすすめの本を聞いて回ったりもしています。 先日、経営学

          認知の前に共感があった 我々の未来の希望はどこにあるのか

          日本の新興市場復活の鍵は、世界トップ投資家に学ぶ「経営の共通言語」だ

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 日本株が好調です。先週9日の東京株式市場で日経平均株価は、一時3万7000円を上回りました。これは1990年2月19日以来約34年ぶりの水準で、バブル崩壊後の高値を連日でつけたことになります。 この流れを受けて新たに日本市場に参入した海外勢を中心に、買いが買いを呼ぶ展開が続きます。海外勢は1月に現物株を2兆693億円買い越しました。月間の買越額としては記録のある1982年以降で7番目の大きさ(東京証券取引所)です。今後の動きはわか

          日本の新興市場復活の鍵は、世界トップ投資家に学ぶ「経営の共通言語」だ

          持続的なインバウンドのために 日本版「グランドツアー」を

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 インバウンド(訪日外国人)の宿泊需要が急回復しているようです。たしかに、都内でも路上カート(あれ、まだ生き残ってたんですね…)を頻繁に見るようになりましたし、繁華街でも多くの観光客を見かけます。 データをみると、栃木県や高知県など大都市圏ではないエリアの健闘が目立ちます。徳島県も回復度77.2%で9位となっており、山あいの秘境と呼ばれ、樹木のつるを編んだ渓谷のつり橋「かずら橋」で有名な祖谷地区が日本の原風景として訪日客を呼び込んで

          持続的なインバウンドのために 日本版「グランドツアー」を

          好きを仕事にすることは 「好き」の解像度を高めること

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 突然ですが、みなさんはいまの仕事が好きですか? 学生や若手からのキャリア相談を受ける機会があるのですが、定番の質問の一つに「好きを仕事にするにはどうすればよいか?」があります。(もしくは「好きなことが見つかりません」も同程度あります。) これは決して若手だけの話ではなく、むしろ人生100年時代と言われる現在においてはシニア層のほうが深刻なのかもしれません。 現在の50〜60代の方々は日本型雇用システムにどっぷり浸かってきた世代

          好きを仕事にすることは 「好き」の解像度を高めること

          ロボットはめんどくさいの解消から、やりたいことを実現する技術へ

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 自動運転などの技術革新により、これまで人間でなければできなかったことが機械にまかせられるようになってきています。加えて、RPAや生成AIなどの技術により、ホワイトカラーの業務領域にもこれらの技術が導入されてきています。 いま盛んに議論されているのが「AIが人を代替する」可能性についてです。 特に日本においては人材不足が深刻化していますので、その領域で自動化が進むことにより不足が解消するかもしれないというプラスの側面があります。一

          ロボットはめんどくさいの解消から、やりたいことを実現する技術へ

          乱立する〇〇バレー。集積するのはスタートアップだけでよいのか

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 東京都内の再開発が続々と進んでいます。主要なターミナル駅前はほぼすべて大規模ビルに建て替えられるのではないかというくらいどこも工事だらけであり、私が現在勤務している渋谷駅前もいつになったら完了するのかわからないほどです(そして導線が目まぐるしく変わるのでよく迷います)。 そして新しいオフィスビルができると、必ずコワーキングスペースやスタートアップを呼び込んでイノベーションの集積地にするというビジョンが語られます。どれも米国シリコン

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          2025年問題を知ってますか? ビジネスケアラーへの支援は喫緊の課題だ

          こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 「2025年問題」をご存知でしょうか? いわゆるベビーブーマー世代と言われる団塊の世代(1947〜49年生まれ)は約800万人います。そのすべてが来年までに75歳以上の後期高齢者になります。一般的に高齢者というと65歳以上を指しますが、74歳までの前期高齢者はアクティブシニアなどという言葉もあるように、健康でイキイキと暮らしている方も多いです。しかしながら、後期高齢者となると衰えが加速していきます。日常生活に支援が必要となったり、介

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