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夏バテも防ぐ「夏季うつ」予防で快適な毎日を!

特定の季節だけに起こる「季節性感情障害」の一つに、「夏季うつ」と呼ばれる、夏に発症するうつ病があります。頭痛やだるさなど体調不良が続き、気分の落ち込みも伴うのが特徴です。
ここでは、夏バテとも似ている「夏季うつ」がどんなものなのかを詳しく解説します。

■夏季うつとは

6〜9月頃にうつ症状が続く症状を「夏季うつ」といいますが、医学的な診断名ではありません。
 
主な症状は、食欲低下、不眠、気分の落ち込み、不安感などです。
精神的な不調が伴うこと以外は、夏バテの症状とも似ており、自分でもその不調に気づきにくいとことがあります。
 
夏バテとの大きな違いは、気分の落ち込みです。
暑さでだるいという感覚以上に、物事に対してやる気になれなかったり、誰にも会いたくないと思ったりというような感覚が2週間以上続いていれば、夏季うつである可能性も疑いましょう。

■夏季うつの原因は「隠れ疲労」

夏季うつは、大きなショックがあったなど、わかりやすいきっかけが原因で起こるわけではありません。日々蓄積されていく、疲れやストレスが原因となって発症していきます。
 
楽しい飲み会も連日ともなれば心身の疲れにつながっていきます。激務続きの疲労は言うまでもなく、食事や睡眠時間の乱れ、休日返上で予定を詰め込んでいるなども原因になります。
また、梅雨から蒸し暑さが続いていると、その暑さや煩わしさがストレスになって、疲労として溜め込まれていく傾向もあります。
 
ふとした時に「どっと疲れたな」と感じたら、それは夏季うつの前兆かもしれません。
心身が訴える疲労感に耳を傾け、無理はしすぎず、プライベートなどの約束の時には断る選択も必要です。
 
そして、特に不調を感じない方も、たまにはここ数ヶ月の生活を振り返って、無理をしていないか確認しましょう。
自分が思っている以上に、周囲はあなたに対して「働きすぎでは?」と思っているかもしれません。
家族は「ちょっと休んでほしい」と思っているかもしれません。
 
自分で疲れが自覚できていない場合は、周囲に話を聞いてみて、心配の声が聞こえたら意識的にお休みを取ることも、上手な体調管理の一手といえるでしょう。

■夏季うつは「何ごともほどほど」を合言葉に予防しましょう!

夏季うつは、あまり気にしていない毎日の生活を「ほどほど」にすることで予防できます。
 
・夏の太陽に当たりすぎない
一般的なうつ病予防では、幸せを感じるために大切なホルモン「セロトニン」の分泌を促す、太陽に当たるという行動がとても大切です。
しかし、紫外線たっぷりの夏の日差しは、疲労の原因となる物質を体内で発生させてしまいます。より疲れやすくなる可能性もあるため、直射日光を浴びすぎないようにしましょう。
外出時には、日傘やサングラスで対策すると良いでしょう。
 
・暑さを我慢しすぎない、体を冷やしすぎない
暑すぎても、寒すぎてもストレスを感じるのが人間の体です。
 節電のためなど、クーラーを全く使わないとすると、とても疲労する上、脱水症状の危険性も出てくるでしょう。
逆に、極端に冷やしすぎるのも体によくありません。
涼しいことが気持ちいいと感じても、肌の表面が冷たくなるほど冷えた室内は、体本来の機能である体温調節がうまくいかずストレスを溜めていきます。
 室温は、暑すぎ、寒すぎを避けて、過ごしやすい「適温」を保つようにしましょう。
 
・蕎麦やそうめんなど、のどごしのいい冷たい食事ばかりにしない
暑くて食欲がないから今日はそうめん。次の日も、暑くて口当たりのいいものが食べたいから蕎麦にする……と、冷たくてのどこしのいいものばかり食べていると、体を冷やしてしまったり、栄養が偏ってしまったりして結果的にストレスを溜め込む原因になります。栄養バランスのいい食事を心がけましょう。
特に、卵、肉、魚、チーズなどのタンパク質を多めに摂ると、疲労回復の助けになります。
 
・就寝前のスマホやPC、テレビの見過ぎに注意
寝る前にスマホやPC、テレビの画面を長時間見ることも控えましょう。
入眠しづらくなるばかりか、睡眠の質が悪化します。
寝る前は、ゆったりした気分を増幅させる副交感神経が働いていると、気持ちのいい眠りに入りやすく、ぐっすり眠れる傾向があります。しかし、電子機器の画面には、活発な行動を司る交感神経を刺激する効果があり、睡眠に入りにくくなるのです。
 たとえ疲れていて体は眠りに落ちたとしても、直前までスマホを見ていると、体は寝ていて脳は起きている状態に。「寝たはずなのに疲れが取れていない」という現象が起こりやすくなります。
寝る前の30分は電子機器を近づけず、できれば蛍光灯の光も落としたり、避けたりして質の良い睡眠を心がけましょう。
 
・「我慢」のしすぎは、体に毒!
夏季うつに限ったことではありませんが、日々のストレスや疲労がうつ病につながります。
夏特有の気温などへの我慢以外にも、人間関係や忙しすぎる仕事、家族の問題など、生活の中にはさまざまなストレス要因がひしめきあっています。
決してご無理をしすぎることのないよう、上手に息抜きをしていきましょう。友人と話すだけでも、気分は変わります。
話をしたいけど誰にしていいかわからないときは、精神科や心療内科などの専門家を頼るのも一つの手です。
 自分を大切にしましょう。

■最後に

夏季うつは、夏バテと似ているために、自分も周囲も症状に気付きにくい傾向があります。
見分けるポイントは、体の不調に加えて、気分の落ち込みや不安感があるかどうか。そして、それが2週間以上続いているかどうかが判断基準になります。
 
おかしいと思ったら、できるだけ早く精神科や心療内科を受診しましょう。
うつ病は早期治療が、早期回復の鍵です。
 
また、夏季うつの予防は、夏バテの予防にもつながります。
生活全体で心身の健康に努め、楽しく快適な夏を過ごしてください。


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