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IT業界で働く人必見!? うつ病にならないための処方箋

「IT業界で働く人は、うつ病になりやすい」といわれています。
IT業界の労務相談では、メンタルヘルスにおける相談が最も多いといわれており、最先端の業界ならではの問題も多いことがうかがえます。
日本のIT業界は「きつい、帰れない、給料がわりにあわない」という現状にあり、新3Kとも呼ばれているそうです。こうした環境がストレス過多の環境をつくり、それが続くことでうつ病が多い業種といわれるようになったのでしょう。
今回はそんなIT業界のうつについて紐解いていきます。

IT業界のうつ病の原因

IT業界で働く人がうつ病になりやすい原因には、大きくわけて3つの理由が考えられます。 

・オーバーワークになりやすい
IT業界はもともと慢性的な人手不足だといわれている業界です。新しい技術がどんどん生み出され、それを身につけるだけでも至難の業。課題や納期などのタイムリミットに追われ続ける仕事でもあるため、月に100時間を超える残業も珍しくありません。また、成果物に対して、高水準の完成度を求められる職業でもあります。
クライアントの要望に応えるためと、長時間労働や会社に泊まり込むように仕事することもあれば、自宅に持ち帰って仕事をすることもあるでしょう。うまく休みを取得することも難しいこのような環境は、うつ病のリスクを高めます。

・人と人とのコミュニケーションが少ない
IT分野の人は、一日中パソコンの前に座っていたという人も多いでしょう。会話もパソコン上のツールを使い、「今日1日一度も声を出さなかった」というケースも少なくありません。通常、精神疾患の原因になるストレスは、対人関係が多いといわれます。しかし、IT業界で働く人の場合、対人関係のない環境がストレスの原因になってしまいがちです。
コンピューターとしか会話をしない毎日が当たり前になれば、人の感情を理解できなくなってしまったり、人の心を考えることが煩わしく思えてきたりする可能性が高まります。しかし、心のどこかでは人の温もりを知っており、「誰かと話したいけど面倒くさい」というジレンマも生まれやすく、それがさらなるストレスになってしまうことも考えられます。

・太陽にあたる生活をしていない
ストレスの直接の原因ではありませんが、太陽にあたらない時間を過ごしていると、うつ病発症のリスクが高まります。
人は、朝日を浴びることで体内時計を正常に保っています。
太陽の光にあたると、やる気スイッチの元となる覚醒ホルモンセロトニンが分泌されます。そのセロトニンは、夜になると眠気を誘う睡眠ホルモンメラトニンという物質に変わり、質のいい睡眠を作り出します。
質のいい睡眠は、ストレス過多の心身にとって何よりも効く薬です。
しっかり眠れればストレスは解消されやすくなり、日中のパフォーマンスもあがって物事が順調に進みやすく、結果的にうつ病の予防にもなります。

IT業界で働く人のうつ病とは

IT業界で働く人の精神疾患については、2019年4月からはじまった働き方改革の前から、ずいぶん長い間問題視されてきました。
ITエンジニアは「周囲とのコミュニケーションを取りにくい」ということは、周囲からの情報も入りにくいということを意味します。
インターネットがあればさまざまな情報を入手できますが、自分が知らない情報を検索することはできません。

例えば、自分の残業時間があまりに長いと思っても、「IT業界ではこれが普通」という情報が出てくれば「自分は甘えている」「もっと頑張らないと」と思ってしまいます。
仕事がつらいと思っても、隣の席の人も前の席の人も黙々とパソコンを打っていれば、「やるしかない」「自分だけがつらいわけじゃない」と考えるでしょう。
けれど、もしそこで昔の友人など業種の違う人とコミュニケーションを取っていたら、「その残業時間はおかしい」「労務に相談すべきでは?」という話が出るかもしれません。
精神的につらいという話をすれば、「そういうのは精神科などに相談すべきだ」「うつ病で精神科に相談するなんて今時普通だ」「精神疾患も労災が認められるって知っている?」という話になって、現状を打破する方法に気づくかもしれません。

「つらい」と思うときは、心身が何かしらのSOSを出しています。

自分の声を聞かなかったフリなどせず、何がどうつらいのか一つひとつ紐解きましょう。
そして、部署替えなどを上司に相談、勤務時間の長さを労務に相談、うつ病ではないかという不安を精神科などの専門機関に相談というように、自分の状況に合わせた相談先に現状を説明することが大切です。
どうすれば良いかわかならければ、家族や信頼する友達に相談し、「会社に言ったほうがいい」「クリニックに行こう」と話に出た通りの行動をまずしてみてください。
行動を起こしたことで、新しい意見が聞けたり、もっと具体的な対策が提案されたりして、その先の未来が必ず動きます。

まとめ

「うつ病でクリニックに行く」ということに、抵抗がある場合もあるでしょう。
しかし、日本人の18人に1人がうつ病を経験するといわれている現代では、精神科や心療内科で相談することのハードルはかなり低くなりました。
通院したという話だけでなく、うつ病だということをオープンにする人も増えているようです。
職場や家庭、友達付き合いによって、開示しやすさには違いがあります。
IT業界はどうしても一人で仕事する機会が多く、人がどんな反応をするか不安になることもあるかもしれません。

でも、どうか自分を追い込まないでください。
一人で悩まず、誰かに相談してください。

身近な人にはとても言えないと思うなら、まずは心の悩みの専門家である精神科や心療内科を頼りましょう。


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