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ワクチン二回目の感想

職域接種で二回目のワクチンを受けた。

なんやかんやと言われてるけど、もう色んな事に気を使ったり使われたりする生活と早くおさらばしたいので職域接種で7月、8月でモデルナを一回ずつうけたのである。

一回目の時は左肩が筋肉痛みたいになったけど他に問題はなにも起きず、次の日には知り合いのガキんちょ達とキャッチボールしたり、ウェービーボードに乗りながらフリスビーをしたりしていた。

子ども達は接種の順番がまだまだ先なので、「俺、ワクチン打ったぜ」と自慢したら「すげぇ」と尊敬の目で見られたりした。

そんな事もあり、二回目も大体似たようなもんだろうとたかをくくっていた。

色々言われてるけどみんな騒ぎすぎなんだぜ、と。順番が来たらびゃびゃっと打ち終えて、ワタミとかモンテローザの居酒屋で一杯無料の酒を飲めばいいんだぜ。

そんな風に思っていた。

だけど、「30代の方は六割が発熱しますからね」と接種会場の問診の時におじいちゃんの医者に言われた時に、どこかその言葉に「覚悟しとけよ」みたいなニュアンスをかんじ、やはり前回と同じようにはいかないんだなと悟った。

俺、もしかして発熱するの?

そんな風に一抹の不安を抱きながら注射をさされると、そのあとに急に立ちくらみがするような、しないような、ワクチンが原因のような、でも昨日大分寝不足だったから、それかなぁ、どうかなぁ、みたいな、そんな気分に襲われていた。

接種会場が西新宿の都庁の近くのビルで、帰りに駅まで行こうとしたら2、3回道を間違えてやたらと遠回りした。

これもワクチンの副作用かなぁ、どうかなぁ、方向感覚が狂うのかなぁ、と思った。

家に帰ってきたらまだ昼だったけど、夜勤明けだったからそのまま寝た。夕方過ぎに起きてみると、やっぱり体の調子がなんか違う。

頭痛や怠さはないものの、頭とか耳の辺りが結構熱く火照っている。これは発熱しているに違いない!と感じたが、肝心の体温計が見つからない。いつも入ってる引き出しの中に入っておらず、辺りを探したが全然見つからなかった。

いくら探しても見つからず、予め炊いておいた米にレトルトカレーをかけて食いながら、おかしぃなぁ、おかしいなぁ、あそこにあったはずなのに、これも副作用かなぁ、そうだろうなぁ、物の位置を忘れてしまうのかなぁ、と思っていた。

その後に第二の症状が襲ってきた。寒気である。頭や耳が熱く感じるのに、手足がやたらと冷えて寒い。これはもう本格的な副反応だ、体温計なんかなくたって分かる、と感じながら毛布を被り、しばらくがたがた震えた後、布団の中でユーチューブを見始める事にした。

最近は株式投資にはまっており、お気に入りの投資系ユーチューバーの動画を見るのが日課になっている。

自分の中ではアメリカ株が熱かった。

しかし日本語の情報はどうしても限られており、仕方ないのでアメリカ人の動画を英語で見て、出てくるチャートとかグラフとか、話してる人のテンションの上がり具合を観察しながら大体何を言ってるのか想像する。

登録者数50万くらいの黒人青年が薄暗い部屋でビートの効いたBGMにノリながら株価の解説っぽいことをしている。

彼いわく、今、アメリカではオンラインカジノを運営している会社の話題で持ちきりになっているっぽい。なぜなら、その会社が自分達より大きな会社を買収したっぽく、アメリカで有名な女性投資家のキャシーさんもその株を買い増し保有しているらしいっぽい。その会社はスポーツ賭博も合法で運営していて、コロナが終息したあかつきには売り上げも順調に伸びることが予想されってるっぽい。

「ちょっと株価が上がったからってすぐに売っちゃダメだぜブラザー」みたいな事を黒人青年は言っていた。「俺は二倍にはね上がる株の話をしているんだメーン。ここに投資し続けてさえすりゃ確実に儲かるんだぜ」みたいな事も言ってた。

いいなぁ、俺もそこに投資したいなぁ、でもお金がないなぁ、と思いながらその動画を閉じた。

それから顔全体が熱くなり、鼻が詰まり、やんわり頭痛もしてくる。起き上がり、ふらふらしながら、明日の米だけ研いでセットし、解熱剤を飲んだ後に電気を消す。

熱さと寒気がおさまらず、布団に入ってしばらく暗闇の中で芋虫のようにのたうちまわり、解熱剤も飲んだけど全然効いてこない。濡れたタオルで冷やすと気持ちよいかも、と思ってやってみたらちょっと効果があった。

それなら冷却シート買えばいいやん、と思い立ち、起きて深夜コンビニにいく。外に出ると夜風が柔らかくてめっちゃ気持ちいい。熱も冷めてく感じがするが歩いてみるとわかるがかなりふらついている。そして目が悪いのに眼鏡を忘れた。

なんとか冷却シートと栄養ドリンクを見つけて買う。店員はコロナ感染者が現れたのだと思ったのか、めちゃくちゃ怯えていた。

誤解だぜメーン、と思いながら家に戻ると歩いたせいか手足の冷えはおさまった。 

冷却シートは一定の効果があり、貼っているといくぶん頭がスッキリしてきた。

次の日から熱は下がってきたものの、微妙な怠さや軽い咳などはずっと続いた。三日目にようやく全回復し、無敵になった気分で髪を切りに行き、映画を観に行った。

繁華街もまだ本来の人通りが戻っていない。たまに飲みにいく店もシャッターが閉まっている。それから、例のアメリカ株の動向をスマホで見たら、ちょっとだけ下落していた。

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