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わずか20席の小さな映画館「シネコヤ」で「ヨコハマメリー」を見る

なかなか自由な時間がとれないな…、という気もしますが、ポッと空いた時間を見つけると、大好きな映画館に出かけるようになりました。

先週は役所広司の熱演が光った「すばらしき世界」を。

そして今日は、15年前の映画「ヨコハマメリー」を見に行きました。

「歌舞伎役者のように顔を白く塗り、貴族のようなドレスに身を包んだ老婆が、ひっそりと横浜の街角に立っていた。本名も年齢すらも明かさず、戦後50年間、娼婦として生き方を貫いたひとりの女…」(公式HPより)

確たる情報もなく、ウワサばかり立つ「メリーさん」という一人の人間の生き方を描いたドキュメンタリーでした。

ストーリーには触れませんが、面白いなと思ったのは、所在不明のメリーさんをどのように描くかという点。彼女の歴史の中で、関わりを持った他者へのインタビューを重ね、人物像を浮かび上がらせていきます。本人の出演はほぼ無し。

出演者は、近しかった歌手を始め、クリーニング屋、美容院、薬局、作家、カメラマン、不動産屋、大衆酒場、映画監督など。みんながメリーさんとのエピソードを語っていくという構成で、見ているうちにどんどん彼女の魅力に引き込まれていく不思議な気分を味わえるような作品でした。

そして、この映画の内容もちろんよかったのですが、上映してくれた映画館が最高でした。

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その映画館とは、神奈川県藤沢市から海に向かった「鵠沼海岸」にある、ミニシアター「シネコヤ」です。

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ここは映画館といいながら、コンセプトは、「本と映画とパン」で、館内には本がズラリと並んでいるのです。「貸本屋」だそうです😊

映画はすべて事前の予約制。受付で会計を済ませると、座席札を渡され、劇場まで案内してくれるというユニークな仕組みでした。

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場内に入ると、レトロなソファと机が並べられていて、壁の本棚には昔の映画のパンフレットがズラリ。各席に机もあり、自由に本を読みながら、食事もとれます。アンティークなライトの光が、異空間へと導いてくれるような演出でした。

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終わったあとにここの館長と話をすると、「にぎにぎ川谷」を上映してくれた新潟の「高田世界館」とも交流があるようでした。バッグにしのばせていたDVDをひとつおすそわけしました。

大手シネコンとは一味違う雰囲気のシアターが、通える距離にあるんだと、嬉しい気持ちになりました。ポップコーンやホットドッグのようなアメリカンな売店はないのですが、こだわりの天然酵母パンとドリンクが楽しめます。

引っ越してきてまもなく知り合ったパン屋さん「Desture」(山北町)が毎日出店していて、思っても見なかった美味しい食事にありつけました。

こうした雰囲気が素敵で、さっそく「ファンクラブ」に入りました。

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月に一度は行きたい場所がまた一つできました。

同伴者は1300円(通常1,800円)への割引がされるようです。ぜひ一緒にいきましょう。

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