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祝・映画完成&初上映

日本最古の映画館─。そんな由緒あるシネマ「高田世界館」で上映してもらいました。

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企画をしてくれたのが、農家らでつくる「上越★農業映画祭」で、映画祭のテーマは「農がつなぐ希望」でした。

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映画祭といえば、無数にある映画からテーマを設定して表現する、そういうキュレーションの力量が試されるものです。

田中正造の半生を描いた三國連太郎主演の「襤褸の旗(らんるのはた)」と、トマトケチャップの実態をドキュメンタリーで描いた「トマト帝国」という歴史的・グローバルな世界観の作品に、50人にも満たない山村の日常を描いた「にぎにぎ川谷」を選んでもらいました。

この映画祭のユニークなところは、農家が主催しているということ。2000円のチケットを買うと2合の棚田米がついてくるという粋な計らいも。参加者もみな喜んでいました。

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さて、FB友達のみなさんのコメントを励みに再編集した映画「にぎにぎ川谷」でしたが、今回が一般公開としては初上映。約120人の来館者に見ていただきました。

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寝る間も関係なく作業できたのは、メッセージを下さったみなさんのおかげ。挿入歌の演奏者である上野哲生さんとプロデューサーも同行してくれて、心強く本当にありがたい気持ちでした。

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印象的だったのは、トークイベントの問答でした。

コロナでしんどい中、どうすれば〝希望〟を持てるものか。そんな質問に企画者は「絶望を直視しない限り、希望は生まれない」と。さらに「希望は空から降ってくるものでない。心の持ちようです」という農家のコメントも。チョイスされた映画は、絶望と希望を感じさせられるものでした。

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今回の会場である高田世界館については、前回の記事でも書きましたが、あらためて製作者として、このような場所があることの価値を考えさせられました。

映画館といえば、大手シネコンばかりになった今、僕のようなインデベンデント製作者の発表の場はほとんどありません。作ったところで世に出ないのです。

そして、製作者自身のメンタルも課題です。いい作品をつくるには予算も時間も必要。私は家庭は子育て真っ盛り。編集したくても家事に追われて疲れて眠い。あきらめる。それが3年間続き、ニコニコしながら軽い絶望。

映画がつくられるには、いくつものハードルを乗り越えなくてはいけませんでした。映画館、企画者、共同製作・生活者(僕の場合は妻やジャーナリスト仲間)、そういう人たちがいてこそ、表現は可能になります。

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(映画館に設置された募金箱。お礼の意味も込めて寄付しておきました。がんばってください!)

名もない映像製作者・ライターでありながら、全国の林業者たちのなりわいづくりをサポートするNPO事務局である私としては、今後の活動展開の糧になる旅となりました。

絶望も希望も幅広くもちあわせた表現を続けていきたいと思います。

さて、明日は国府津に帰って地域活動です。こうした表現活動の創出を学べる場づくりもしたいものです。


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