映画祭のマネジメントの研究10:短編映画祭の意義

映画の起源は短編映画

1895年12月28日にフランスのリュミエール兄弟が初めて映画をパリで人々に有料公開して以来、約10年の間は、映画はそもそも短編しか存在しませんでした。

例えば、リュミエール兄弟が製作した世界初の実写映画といわれる『工場の出口』(La Sortie de l'usine Lumière à Lyon)や、蒸気機関車が駅に到着する様子を撮影した『ラ・シオタ駅への列車の到着』

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映画祭のマネジメントの研究9:映画祭が活発に行われているのはなぜか。

映画祭が活発に行われている背景

日本における映画祭は1980年代のバブル期における地域振興ブームによって急増し、1990年代の多様化を経て、2000年代においてもなお増加傾向にあります。

1980年代以降、一貫して映画祭の開催が増加傾向にある背景にはどのようなものがあるのでしょうか。

映画祭は低予算で開催可能

まず、地域が何らかの手段で地域活性化を行おうとする場合、他の施策に比べて映画祭は

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映画祭のマネジメントの研究8:映画祭の日本史

日本における映画祭の歴史

日本における映画祭の歴史は、1950年代から始まりました。日本の映画祭の歴史も、全期間を5期に分けてみていくことにしましょう。

第1期(1950年代~1960年代)

日本における第1期は1950年代から1960年代です。この時期の映画祭は一般の観客が参加するイベントではなく、業界関係者が業界の活性化を意図として企画したイベントでした。

日本における比較的大規模な映

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映画祭のマネジメントの研究7:映画祭の世界史〜大規模映画祭の誕生と地域映画祭の多様化

第2期(1950年代)

映画祭の発展段階の第2期は1950年代です。この時期は、各地で強い政治力を持つ政府や民族と結びつきながら、同時に映画界の商業的な成功をも視野に入れて映画祭が開催されていた時期です。

映画祭の増加に伴い、映画祭間の調整が必要となったため、国際映画製作者連盟は1950年に映画祭に関する規定を整備しました。そして、1950年代には大規模な国際映画祭が創設されるようになっていき

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映画祭のマネジメントの研究6:映画祭の世界史〜映画祭の起源

海外における映画祭の歴史

映画祭はいつから始まり、そしてどのような経緯をたどってきたのでしょうか。映画祭の歴史的経緯をたどってみましょう。映画祭は欧州を中心に広がってきたため、最初に欧州を中心に海外における映画祭の歴史を簡単にみておくことにします。

映画祭の歴史は、主に1930年代から始まりました。海外における映画祭の歴史について、全期間を5期に分けてまとめていくことにします。

第1期(19

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映画祭のマネジメントの研究5:ジャンル型映画祭と地域映画祭の組み合わせ

ジャンル型映画祭と地域映画祭の組み合わせ

ジャンル型映画祭と地域映画祭とを組み合わせたコンセプトで実施された映画祭としては、フランスのパブリックシステムシネマ社が企画した一連の映画祭が事例としてあげられます。

パブリックシステムシネマは、1998年からユーロネクスト市場に上場しているフランスの広告代理店パブリックシステムの子会社で、映画祭の企画やオーガナイズの他に、広報やプロモーションなどを手

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映画祭のマネジメントの研究4:上映作品の傾向と開催地とのベストな関係とは

上映作品の種別による分類

映画祭は、どのような範囲の映画を集めて上映するのかという、上映作品の種別によって分類することもできます。大きく2つに分ければ、幅広い作品構成で上映が行われる総合型映画祭と特定の専門ジャンルに特化した作品を上映するジャンル型映画祭があります。

総合型映画祭は比較的大規模な映画祭に多く見られる類型です。例えば、カンヌ国際映画祭やベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭、モン

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映画祭のマネジメントの研究2:世の中にはどんな種類の映画祭があるのか

映画祭の規模は様々

映画祭と一口にいっても、世界には様々な種類の映画祭があります。映画祭はまず、上映本数や予算といった規模別に分類することができます。日本の国際映画祭には上映本数が10本程度のものから600本近いものまであり、予算についても1000万円程度から10億円を超えるものまで、様々です。また、地域映画祭では上映本数が数本のものから100本近いものまであり、予算も数百万円程度から3億円程度

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映画祭のマネジメントの研究1:映画祭とは何か

映画祭とは何か

フランスの映画批評家、アンドレ・バザンは映画祭について、次のように書いています。

このカンヌ映画祭に、1946年(カンヌ映画祭の始まった年)以来、ほとんど毎回《関係》してきたわたしは、そのために、この映画祭という現象が徐々に完成してゆくのを、その典礼定式書が経験に基づいて編成されてゆくのを、それが参加者の間に必然的に階級制度を設けていくのを、目撃してきた。わたしは、このような映

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いぶすき映画祭ありがとうございました

(※追記:8/5マガジンに入れました。有料設定になっていますが、全文無料で読めます。)

本日、ショートフィルム「ラムネ」をいぶすき映画祭のショートフィルムコンペティションにて上映していただきました。
残念ながら、受賞はなりませんでしたが、たくさんの方にご覧いただけ、またとても素敵なご感想をお聞かせいただけました。
ありがとうございました。

ハプニングで最後20秒ほどが流れませんでした。また機会

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