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スタバとコミュニティ

私はスタバが大好きです。店員だったときもあるし、以前「47都道府県地元限定フラペチーノ」が出たときも全国(全47種類)制覇しました。それは、スタバが「コミュニティ」そのものだからです。

今日は、スターバックスとコミュニティについて考えてみます。

スタバ「パートナー」時代

自分自身は、スタバの店員(社内用語で「パートナー」と呼称します)だった時期があります。志望した理由は、スタバが他のコーヒーチェーン店と大きな違いがあったからです。

・禁煙(環境)
・接客(いじり)
・呪文(オーダー)

まず、禁煙について。日本でも最初から完全禁煙だったのか改めて調べたら最初は分煙だったとのこと。今でこそ完全禁煙の飲食店やホテルは増えましたが、この「客を選ぶ」戦略に当時は様々な議論があったようです。しかし、市場と対話をしながら徐々に進めていったことがわかりました。これはサービス開発やコミュニティづくりにおいても言えることで、「プロダクトアウト」型の自己中的コミュニティにしてしまうと、後戻りができません。コミュニティづくりをする際も、イベント等を通じて参加者との対話を行いながら仮説検証と改善を重ねていくことが重要です。

次に、接客について。これは「スタバらしい接客」というのがありながらも、実は「こうしなさい」というマニュアル・決まり等はありません。しかし、研修の際にその「考え方」について学ぶ機会があります。もうはるか前のことなので、詳細は憶えていませんがひとつだけ強烈な印象が残っていることが。研修の最初に老齢の男性が自宅から大きなPC用モニターを持ち込んで「1日中、ここで仕事してるんだ!」と笑顔で語る映像を観たのです。

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スタバは「コミュニティ」なんだ、ということを研修中で何度も耳にしました。いま改めて考えると、とても先進的な発想だったと思います。以前の飲食店では長居されると「回転率」が下がるので困る、という常識があったからです。特にカフェの場合は「ねばる」客も多いので、これは本当に衝撃的でした。そして、それを研修の最初で「スタバの価値観」としてこれからスタバを構成する店員に伝えていることにも驚きました。コミュニティの参加者にとって、いかにそこが「心地の良い場所」か?という観点で運営していきたいものです。スタバと違い、コミュニティの多くは(懇親会のあるイベント等を除いて)参加・参画すること自体は無料。だからフルサービスをすべきだ、とまでは言えないまでも「参加者体験」がどうあるべきなのか?については運営者の間で仮説検証をまわすことも必要でしょう。

最後は「呪文」について。これこそスタバが禁煙や接客という他に追従され得る要素を超えて「コミュニティ」を構成している要素だと言えると考えています。

そう、コミュニティとは「どんな人でもウェルカム」でありながら、深い所ではそうではないのです。スタバの例でいえば、

「『スタバ好きなら』どんな人でもウェルカム」

なのです。これがコミュニティなのです。例えば、スタバに対して

・提供が遅い
・注文が難しい
・客がカッコつけ

などとネガティブに思う人は「招かれざる客」なのです。スタバは「客を選ぶ」ことで、コミュニティを形成しているわけです。独特の注文方法や作法があるラーメン店が「コミュニティ」であるということを書きましたが、それが嫌な人は自然に足を運ばなくなっていきます。スタバで提供が遅いことを許容できない人は、他に沢山ある同業店にいけばいい。コミュニティとは「同じ興味・関心」を持っている人の集まりだとしたら、

「同じ”LOVE”を持っている人の集まり」

でもあるわけです。つまり、愛の発露。スタバが好きな人は、スタバが好きな人と直接の会話ではない「精神的なつながり」を快適に思いリピートするわけです。

最後に、スターバックスジャパンがコミュニティに対して日本で取り組んでいるページを見つけたのでご紹介します。

地域コミュニティと自社のビジネスの関係性を重要視する会社の姿勢は、今後ますます意義化する経済において「選ばれる」ための要素になっていくでしょう。

コミュニティ、それは「愛を表す場」であるということを再認識する土曜の朝でした。

本日の「呪文」は…ショート、ソイ、カフェミスト!

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