「実践してなんぼ」の学び

EMS(Essential Management School エッセンシャルマネジメントスクール)4期に今秋から参加している。
2020年11月27日に開講し、翌年2021年2月27日までほぼ毎週、4日間の講義と対話の時間が設けられた本質行動学が学べる場所だ。
4期は完全オンライン受講(MBAL Movie Based Active Learning)方式に切りかわったとのことで、東京からとおく離れていても参加できる。
毎週金曜日、土曜日、日曜日、月曜日と4日間連続で1単元の講義サイクルなので、いずれか一日に参加すればOKだ。
4日間連続参加しようと思いたち、今のところ毎回参加している。
理由は、学んだことを「あー知ってる」から「できている」にするには時間かかりそうだと思ったから。

「『原理』は物事を見極める視点として役立つ」と、EMS創設者の西條剛央さんは第一回の講義内で言われていた。

そのとおりだと思う。視点として役立つ。
と同時に、原理は実践の場で「立場を支えてくれる足」だとも思った。
たとえば、世間のマジョリティの風潮に流されそうなとき。
多数の意見(とされるもの)とは、異なる自分の考えがあったとする。
言語化できるほど確たる状態でなくても、多数の意見とは異なる感覚が、「違和感」として自分の内側に漂っている。
「なんか、違うんじゃないかな、よくわからないけど」
その「よくわからないけど」を理路をもって見極めるための、原理だ。

自分の考えを原理に照らして見極めて、勇気をもって「自分なりの立場」をとることができる。
大きい存在(巨人)を前にふるえながら自分の2本足で立つとき、原理が3本目の足になってくれる。しなやか筋肉質な「原理の足」。

今まで、自分の意見をもつ以前に「自分」という存在が心もとなかった。
世界のいろいろに違和感を感じながらも、違和感を感じる自分自身がそもそも疑わしい。
巨人いわく「みんなそうだよ」「普通はそうだろ」に込められた【だからあなたの考えは変】に納得できず、かといって、自分の考えを信じるよりどころはあいまいで、ぼんやりしていて、長いものに巻かれてきた。

(「みんな」って誰だ。「普通」ってなに基準だよ)
心のなかでぶうたれながらも、大きな主語でごまかされる怒り以上に、怒りを理路を持って言語化できない自身へのふがいなさ。

なので、物事を見極める視点なる「原理」を手に入れられそうな本質行動学を、頼もしく感じている。
私の二本足の後ろで、そっと体を支えてくれそう。三脚みたい。


大多数の意見を前に、「あなた(たち)はそう思うんだね(肯定ファースト)」のうえで、自分の意見を表明できる。
ディベートとか論破のためじゃない。
戦うためというより、自分で自分の体を支えるため。

だって、自分の意見を表明しなければ、表に出さなければ、行動しなければ、自分の意見に賛同してくれる仲間にも出会いようがない。

本質行動学は「本質を問う、実践の学問」
手にした道具を使って、実践してなんぼ。行動してなんぼ。

では、どうやって実践していくか。
どうやって日常生活にここでの学びを「使って」いくか。
すぐに出てこない。わかったようでわかってない証拠です。
英語の文法を知ってても英語が使えないなら、なんのための文法か。

西條さんが、「どんなときでも、いつでも実践できること。高度な次元で実践できることは、難しい」といった内容をMBAL第一回で話されていた。
知れば出来るものではない。言語学習と同じだと。
いかに「知っているだけ」が無意味か、と。
文法は知っていても話せない。
知識はあっても行動できず、表に現れないなら、実践的には「無」と同じだと。


だから、ここエッセンシャルマネジメントスクールという安心安全な学びの場所で、実践練習を積むのだ。
車の教習所みたいに、見知った安全なルートを繰り返し練習して、ハンドルさばき一つで怯えないようにする。

そうして公道に出たら「本質を見極める行動パターン」を、安心でも安全でもない場所でなんとか運転できるように慣らしていく。
原理から行動を再選択していく。

焦らずに新しい行動パターンを練習していけばいい。

親がつけてくれた自転車のガタガタ補助輪をはずしたてのときみたいに。
最初はぎこちなくよろけながら、いつのまにか無意識にすいすいペダルをこげるようになった。
自転車で行ける距離が伸びたように、車でさらに距離を伸ばす。

原理のフィルターをとおして物事を見ていこう。
「みんなそう言ってるから」メディアや誰かの意図に飲まれて、自分の思考なく「みんな」にカウントされないように。

本質行動学を搭載した車でいつか、風と流れる景色を楽しめるようになりたい。
他人も自分も車体も傷つけず、行きたい場所へ向かうために。

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