「大丈夫、見ているからいつも。」に救われる瞬間

大学生のさとしは悩んでいた。

軽い気持ちで始めた「ハムスターの観察日記」というブログは、その名の通りハムスターの生態や自分が気になる部分を記録に残すのに、紙のノートよりも続けられるという想いから始めたものだ。

最初の頃は、毎日ハムスターの変化や与えるエサによって体調が変わるなど色んな興味をそのままに書いていた。

そんなある日、いつものように起きてハムスターの動きやエサ食べ方を観察して日記を書こうとすると、思わぬアクセスとコメントの多さに目を丸くした。

「ハムスターを考察してここまで詳しく書かれているのは凄いですね!」
「エサはどこで購入しているんですか?」
「私もハムスターを飼っているので参考になります!」

まさか自分の趣味で書いているブログにコメントが来るなんて…。

さとしはアクセスやコメントなど最初から全く気にせずに自分のためだけに観察の記録として書いていたので、思わぬ反応に少し戸惑いながらも心のどこかで快感を覚え始めた。

さとしは、変わらず毎日ハムスターのブログを書き続けた。だが、ブログの内容は少しずつ変わり始めていた。

「ハムスターに激辛カレーを食べさせた結果」
「ハムスターを冷蔵庫に1時間入れてみたらどうなるか検証してみた。」

さとしの書いた日記は、投稿するたびにアクセスが増えて読者も増えていった。さとしは自分が投稿したものが読者の喜びになっていると感じ、もっとハムスターに何か新しいことをさせて実験して、検証させていこうと心に決めた。

そんな中、あるコメントが目に入った。

「さとしさんの最初の頃の観察日記。ハムスターへの愛が感じられたんだけどな。」

さとしは少しだけそのコメントを眺めたが、アクセス数が過去最高を更新した通知が携帯に入り気に留めることは無かった。

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さとしには付き合っている同じ大学の女性がいた。名前はさとこ。同じ授業を受けているとき、さとしがノートにハムスターの絵を描いているのを見た隣のさとこが

「ハムスター好きなんですか?私もハムスター好きなんです。」

と、小声で微笑みながら声をかけたのがきっかけだった。

付き合って10か月。お互いに学生ということで遊ぶことは限られており、共通の趣味であるハムスターを2人で1匹飼うことでお互いの距離も心も縮めることが出来た。

さとこは、最近のさとしのハムスターへの扱い方が気になっていた。付き合った当初は、さとしの部屋で一緒にハムスターを見ながら、

「ハムスターの聴覚って人間の4倍って凄いよね。」
「ハムスターのヒゲってアンテナの役割、障害物との距離もわかるとか凄いよね。」

など嬉しそうにハムスターを見ながら話すさとしが、私の好きなさとしだった。そんなある日、最近のさとしを見ていたさとこは我慢の限界を感じ、ある重大な決断をさとしに伝えることにした。


※続きは次回、月曜日に。

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2019年も毎日書こうと思います♪
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