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【本の紹介】ザ・マネージャー

ザ・マネージャー

マイク・カーソン (著), タカ 大丸 (翻訳)

【五段階評価】

★★★★★

【印象に残った言葉】

リーダーとして重要な5つの心構え

1.中心にいることを楽しむ

2.優先順位を明らかに

3.共有できるビジョンを作り上げる

4.さまざまな関係者が関わっている事実を受け入れる

5.それぞれの関係を重視する

(ヴェンゲル)

「フットボールの世界では特別な才能が必要だが、選手が20歳を過ぎたら、何を考えて生きているのかの方がうよほど大切なのだよ」

強いリーダーに共有する一つの要素は、自分の弱さを補うことができる有能な人間を積極的に使うことだ。

イングランドのフットボール界において監督の平均任期は16か月であり、初めて監督に就任した人のうち55%はそのあと二度と監督に任命されるということが無いということだ。

なぜうまくいくのか?

基盤その1

自らの哲学に忠実である

基盤その2

学び続ける

恐怖が姿を現すとき、素早く対処しなければ弱体化のきっかけとなってしまう。第一に恐怖が何からきているのかを特定し、把握することだ。

イングランドのラグビー選手として活躍したジョニー・ウィルキンソンは大一番の朝に目覚めると、重圧をお腹で感じて朝食を摂れなかったという。

彼はそんな自分の症状を自覚して、受け入れ、そのまま練習場に行き、何十本もゴールキックを蹴ってから大量の朝食を摂るようにしたという。

恐怖が何から来ているかを知ることが第一歩で、そこから通常通りの対策に移るのが第二歩だ。

ほとんどの場合、何か悪い方向に進んでいるときに限って分析しようとする。調子がよいときには、十分な分析をしない。当然のことだと受け取ってしまうからだ。

(モウリーニョの哲学)

偉大なリーダーになる第一歩は豊富な知識量だという。リーダーとしてやっていくときの第二条件はどこの分野であれ、専門知識を有していることだと思う。

圧倒的な才能を操縦するための方程式はあるのか?


5つの原則

1.才能を認め、たたえる
2.職務と部下の人間性をよく理解する
3.友情を提供する
4.チームに集中する
5.謙虚にふるまう

【感想】

フットボールのマネジャー(監督)ほど、入れ替わりが早い職種はないのではないだろうか。そんな職種の第一線で活躍する、功績を作った人からの言葉にはあらゆるメッセージが隠されている。

とくにリーダーであることと、リーダーであり続けるには大きな違いがあり、自らも学び続けなければいけないこと、多くの知識を得ている、もしくは得ていかなければいけないことの重要性はどんな組織のリーダーにも共通すると感じた。

自分の哲学を持つということは、難しい一つのテーマかも知れない。誰しもが自分はこういう考えを持っていると胸を張って言えるかと言えばそうではないだろう。

でも、リーダーである以上、組織の舵取りをし向かうべき道しるべとならなければいけないとき、ブレることのない哲学は何よりの自信となって導いてくれるものである。

【どんな人が読むべきか】

管理職、指導者という立場の人は一度は読んでみても良いかも知れない。フットボールを知らなかったとしても、自分の組織、グループに置き換えて自分の振る舞いはどうなのかとチェックするのに最適な本だと思う。

マネージャーという立場に年齢は関係なく、必要なのは尊敬されるべき自らの哲学と、それを実行する行動力を見せ続けることが出来るかということがこの本では細かく色んなマネージャーを通じて描かれている。

そしてマネージャー全員に共通していたのは、フットボールを愛しているということ。今の自分の仕事が好きでない人も、リーダーになっているのであれば、周りに指示を出す前に、この一冊を読み、自分と向き合うことで思考がシンプルになるのではないかと思う。

ザ・マネージャー


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