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大麻合法国カナダでもDelta-8 THCが登場する理由

2022年12月、アメリカにある全50州の内、39州で医療目的での大麻の使用が合法化されており、さらにその内の21州では成人の嗜好目的での大麻の使用も合法化されている。

人々の大麻との向き合い方も多種多様になってきており、大麻と言っても昔の様に嗜好目的と医療目的の2つに分ける事が難しくなってきている。

昔の様にハイになるために使用する人もいれば、サプリの様にCBDを日頃の健康管理に使用する人も多く、人々と大麻の関係から大麻には様々な効果がある事が分かる。

日本でもユーザーのニーズに応える様に新しい大麻製品は次々と作られおり、簡単にCBDを摂取する事が出来るベイプ製品や、眠りをサポートしてくれるCBNエディブルなど、日本の法律でも合法な大麻製品の人気はドンドンと高まっている。

アメリカのカンナビス事情は少し複雑だ。

多くの州ではすでに合法化されているのだが、今でも日本と同じ様に嗜好目的でも医療目的でも大麻の使用を認めていない州が11州ある。

当然その11州内でも大麻製品に対するニーズは存在しており、日本と同じ様に、その州法の範囲内で大麻製品が作られ販売されている。

今回ここで取り上げたいのは、そんな環境下でよく使われるDelta-8 THCというカンナビノイドを使った製品である。

先ずはじめに、Delta-8 THCは日本の法律で禁止されているので、日本で入手する事はできない。

このDelta-8 THCというカンナビノイドは、大麻の主成分であるDelta-9 THCから得られる陶酔作用に似た効果を持っているため、Delta-9 THCの代替として使われているのだが、自然の大麻草の中にも微量だが含まれている成分である。

しかし大麻の使用の有無を調べる薬物検査の際に対象となるカンナビノイドはDelta-9であるため、大麻の使用が違法とされている州では、Delta-8 THCを使った製品が多く販売されている。

Delta-8 THCは自然の大麻草の中にも含まれているが、非常に微量である為、製品に使われるDelta-8 THCはCBDから加工され製造されている。

カナダでもDelta-8 THC製品が登場

カナダは医療目的と嗜好目的の両方で大麻の使用が国全体で合法化されている数少ない国の一つだ。

しかし、アメリカと同じ様にDelta-8 THCを使った製品が登場し始めており、この段落ではその理由を考えてみたい。

アメリカでDelta-8 THCはベイプなどにも使われているが、カナダでは今のところエディブル製品にのみ使用されている。

その理由はどうやらカナダの大麻取締法にあるDelta-9 THCの使用上限規制があるようだ。

カナダで販売されている大麻ドリンクやエディブルに使う事が出来るTHCの量は、1パッケージあたり最大で10mgまでと定められており、この上限の低さは、2019年にカナダが大麻ドリンクやエディブルの製造販売を許可した時点から問題になっていた。

日常的に大麻を使用している人とって10mgという含有量は非常に低く、その様なユーザーにとってはあまり効果を感じる事ができない商品となっているのだ。

しかし世界的に、大麻エディブルは大麻製品の中でも人気が高く、売れるエディブル商品を作りたいと考えるカナダの大麻会社が10mg規制の対象外であるDelta-8 THCを代わりに使ったのは自然な流れと言えるだろう。

実際に上の写真の商品は、1パッケージでDelta-8 THCが50mg使われている。

規制の限界

このような各国での現象を鑑みると、法律によって禁止するという事は非常に難しく、事故を起こさない様に運用していくのが適切な対応に見える。

日本でも同じ様に、法律内で取り扱う事が出来るカンナビノイドが使われた製品が数多く販売されており、その製品の中には嗜好目的のものから、日々の健康管理に使われるCBD製品まで幅広く存在している。

大麻を厳しく取り締まってきた日本だが、それによって良い効果が現れている訳でもなく、この様な世界のカンナビス製品に対する対応を見ていると、来年2023年にあると言われている日本の大麻取締法の改正に期待せずにはいられない。



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