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よーよーさんとの3年前のインタビューをお蔵出ししました

あれは3年前

 コロナの感染症法上の分類が5類へとなり、世の中はコロナのパンデミックが終わったかのような扱いではあります。が、現場はやはりすぐにパンデミックが収束するわけでもなく、それどころか拡大しかつインフルエンザの季節外れというか久方ぶりの流行もあり、気が一切抜けない日々があいかわらず続いています。ただ、人々の気分だけが変わってきて、世の中はさまざまな活動が再開されはじめています。まだまだ一般の人のように完全オープンにするというわけにはいきませんが、僕らも少しずつ活動を始めようかな…という気分になり始めました。
 部屋にこもって思索にふけっていても何も変わらない、と思い、手始めにポッドキャストを始めてみました。ずっと前にもポッドキャストはやったこともあるし、何回か再開しようと思ったこともあったのですが、私の気まぐれな性格からこれまでは長続きしなかったのですが、今回いくつかエピソードを配信してみて、Spotifyのポッドキャスト作成機能にも慣れてきたし、いけそうな気にもなってきました。
 ということで、以前録音して塩漬けになっていたものから手を付け始めようと思いたちました。ということで、思い立ったが吉日、今日はそのことについて書いていきたいと思います。

よーよーさんとの再会


 パンデミック中も、日本プライマリ・ケア連合学会の地域包括ケア委員会は着実に活動を続けていました。僕もこの委員会には前身である大都市圏委員会の頃から関わっているのですが、なかなかコロナ禍もあってこの3年間は活動にうまく参加できませんでした。そんな中、先日の学術大会において対面でのワークショップが行われることになりました。委員会の末席にいる僕も、その場に顔を出してみました。そこで、よーよーさんと久しぶりに再会したのでした。以前から心の片隅でふつふつと思い描いていた構想を、この機会に実現にむけて動き出そう!と思って、

 「・・・・んなわけで、再開するんでよろしく!」

というお願いをしたところ、よーよーさん、早速OKしてくれました。いやー3年越しに以前録音して塩漬けしていたインタビューをこのタイミングでアップするなんてどうかしているかなと思ったんですが、さすがよーよーさん、太っ腹です。
 で、改めて以前のインタビューを聞きなおしてみると、内容に関してはあんまり違和感ないんでそのままでもいいかな、とも思ったんですが、まあさすがに3年もたっているんで「その後どうしてますか?」的なパートのインタビューも合わせて録音して、まとめてアップすることにいたしました。

よーよさんってどんな人?

 さてよーよーさんと私は結構長いお付き合いになります。僕はむかし王子にある病院で研究アドバイザー的なことを定期的にしていたのですが、その際に家庭医療の後期研修中の彼と出会いました。その頃から、ワークショップ・デザインの勉強を都内の大学にしに行ったり、さまざまなコミュニティ活動などをしたりと、ユニークな活動をしていましたが、後期研修を修了し家庭医療専門医を取得したのちに、僕がかつて所属していた東京大学医学教育国際研究センターに異動したのでした。彼は、そこできっちり博士号を取得し、卒業したのでした。
 研究テーマは大都市における家庭医/総合診療医に求められるコンピテンシー。
 以下が、彼が出版した論文です。  


 総合診療医・家庭医にはへき地で活躍する医師というイメージがついてまわるのですが、もちろん都市部もこれらの医師は求められているのです。それは僕がいるこの東京世田谷で20年以上診療している間に肌で感じてきたものです。わたしが地域に出る前に「お前のような医者は必要とされていないよ」とよく言われたものですが、(それは今の若い先生もいまだに言われているらしいです)今、私がこうやって普通に、というか、より地域で求められ続けてきたということはやはり、その言質が間違っていた、ということの証左であると思っています。
 では、都会で働く家庭医にはどのような能力が求められるのか。それは何なのか、そしてどうやってそれらを学んでいけばよいのか。特に高齢化が急速に進行する都市部においてどのような能力を身に着けるべきか、という重要なテーマを一貫して追い続けています。
 彼のこれまでの研究結果からは、都市部において
「文化的能力」「社会的に不利な立場にある人へのケア」「ケアのスコープの調整」「專門医療機関との連携」「断片化されたケアの統合」など18のコンピテンシーが特に重要であると示されました。
 僕のクリニックには外国の方が多かったり、なんらかの障害をもつ人が多いのですが、それはこれらの前者の部分が関わっており、多疾患併存の方をどう多くの医療者・医療機関と調整して、ケア移行を行っていくか、という業務に関してはこれらの後者の部分が関わっています。これからそのようなコンピテンシーをどう効率よく習得していけばよいか、その方略を考えていく必要があると思います。

 よーよーさんが、研究者としてだけではなく、もうひとつ素晴らしいな、と僕が思っているところがあります。それは、彼は徹底して地域でさまざまな活動を続ける実践家というところです。

  
 そんな彼が切り拓いてきた分野は、注目を集め始め、そのような活動を目指す若い医療者も増えてきている印象です。


 コロナ禍もあり、なかなか難しいとは思いますが、自由な発想が必要なこの分野のパイオニアのひとりとして、これからも頑張って行ってほしいな、とひそかに期待しています。

ポッドキャストエピソード よーよーさん回

 そんなわけでポッドキャストのよーよーさん回エピソード。

クレジットをみると、収録は2020年2月13日。そのころの話題は武漢からのチャーター機の帰国者が2週間の隔離を経て自宅に帰り、ダイヤモンドプリンセス号の船内の感染者が大きく拡大しその対応に話題が集まっていたころでした。その後大きく世界は揺れ動くことになるのですが…

ということで、そのインタビューはこちら。

 3年前とは思えない私のぶれなさ(笑)

 さすがにそのまま出すのは憚られたので、後日談を加えています。
最近は、もともと診療をしていた王子や増子での活動だけではなく、さまざまな地域へと、さらにその活動範囲は広がってきているとのこと。

 今回のインタビューの中で話題になっている、医療法人かがやき のホームページ。

 パッと目につくのは、このすてきな建物ですが、こちらについての記事もよーよーさんに教えてもらいました。

プロデューサーという肩書かあ。かっこいいなあ。

いつか一緒になにかできるといいな。
なんだろうな。イカ焼きとハイボールでも(笑)

さらには、コミュニティ・ドクターとしての活動も広がっていっているそうです。このホームページを教えてもらいました。コミドク。

 よーよーさん自身の説明によると、「コミュニティドクター=地域・コミュニティの人々ともに(幸せ)をつくるドクター。 コミドク=コミュニティドクターの担い手を増やし、学び合いのプラットフォームをつくるための任意団体です。」とのことです。

 お、紅谷さんの顔がここにも(笑)。

 これからもよーよーさんの活動には注目していきたいと思います。

と、いうことで引き続きお蔵出しポッドキャスト第二弾を準備中です。

 乞うご期待!

 ではまた。

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