鋸山に行って来たよ-22
これまでのお話
鋸山日本寺の大仏様は日本一大きい。
原型は天明三年(1783年)に建立されたものの、江戸時代末期に自然風蝕により著しい崩壊があり昭和41年まで老廃されていたものを昭和44年6月に4カ月かけて修復作業が行われた。ちなみに原型は37.7mだったけど、現在は31m。
大仏広場へと下っているとちらほらと人と出くわすことが増えてきた。
広場まで来たけどたぁがなかなか降りてこない。様子を見てみると途中で地図などを見ながらゆっくり降りていた。さては混み合った場所を恐れて自分時間を楽しんでいるな。まぁ時間もいっぱいあることだし焦ることはない。彼がゆっくり降りてくるのを待とう。
広場入口の地図を見て改めて思う。
鋸山ハイキングを決めたのは関東百名山という本に紹介されていたから。多分、ちゃんとコースに沿ってきていれば広場下の入り口から入山して登り始めただろうに、勝手な判断をしたがためにロープウェイの料金払って上へと来て、大仏様見るために下ってハイキング続けるために登ってとなんともアクティブな結果になってしまった。悔やむけど、今更なのさ。
社務所で御朱印をお願いしたいんだけど私は財布を持っていない。
階段付近をウロチョロしていたお財布がやっと降りて来た。
「トイレ行きたい」
彼から発せられた最初の一言。
「えー、トイレ。膝が痛いよ」
トイレに行くにはもっと下らないといけない。
「ごめん」
謝られるとちょっと胸が痛むよ。
膝が痛いのは私の歩き方に原因があるんだし、本当は私だってちょっと行きたいのを我慢しているから。
文句は言ったものの、一緒にトイレへと向かうとさほど下らずにすんだ。
お互いすっきりした状態で大仏様を拝見する。
でっかーい。
250年前の人、こんな大きなもの作るってすごいよ人力パワー。
それもウキペディアによれば28名で岩を削って造られたとのこと。そんな少ない人数でよくぞこの素晴らしいものを建立したものだ。
この大きさで7m縮まっていることは原型はもっと大きかったってことだよね。
すごーい、すごすぎるぅ。
目を閉じられているお顔には斜めに傷が入り、なんだかマフィアの大ボスのよう。
正面からゆっくりと近づけば近づくほど私たちの見上げる首はどんどん上を向く。
お参りをしようと鐘を鳴らすも私ではうまくならず、たぁが鳴らしたら結構良い音がなった。
ここに来られた感謝とこれからのハイキングをお守り頂けるようお願いする。
すっきりとした気持ちで辺りを見回すと山側になんだか白いものがたくさん集まり、女性が手を合わせてお参りをしている。行ってみるとそこにはお願い地蔵尊がおられた。
その背後にはたくさんの小さなお地蔵様が積み重ねられている。真っ赤帽子をかぶったものとそうでないもので左右に分けられているように見える。
お願いをしたい人はこの小さなお地蔵様に願いを込めてここに置くんだね。
それにしてもすごい数だな。こんなにもお願い事されちゃお地蔵様も大変だ。
お地蔵様を囲むように枝が育っているからお花が咲く季節はそれは美しい風景となるんだろうな。
そのまま社務所へと足を運び、紙に書かれた御朱印を頂き、お神籤を引かせてもらう。
私は御朱印帳をよく忘れるけど今日は荷物軽減のためわざと置いてきた。だからいつもなら忘れて心を軽く痛めているところだけど今日は「計画的」とすっきりな気持ちでそれを受け取れた。
もし開運招福お守入おみくじがあれば決まってそれを引く私たち。ここにもそれを見つけたのでお互い一つずつ、神様からのメッセージと小さなお守りを頂く。
まずは私から開けてみるとお守りは鷽鳥(うそどり)。
長年このお神籤を引いているけど、初めてです。
「1年中よくないことを嘘にして吉と取り換える「うそ替え」神事」様らしい。
それは何よりだからお財布に入れておこう。
お神籤を開いてみるとなんと久々の・・・・・・大吉。
うっ、嬉しいっ!
示す文字は「輝」とある。
≪一歩ずつたゆみなく進むこと≫
「長い道のりに思えてもそれは夢を実現するための一番の近道である。人生に真剣に向き合ってみよ。深き闇を知り本物の輝きを手に入れるでしょう」
なんて、今の私のぴったりなのだろう。
私はここ9年の間に大きなターニングポイントを迎え、自らの意識浄化、奥底に眠っていた今となっては不要な思いの解放と感情に流されないそのまま意識を表面化するために一層励む機会を与えられ、それは多くの苦しみを伴っていた。
いらぬ心配から始まったそれは自分がうつ病になったのではないかと思わせる時期もあった。だけどそれは自分の常識を変えるための意識変換であったことが今ならちゃんとわかる。いろんなものを自ら削除し、新しいものを取り入れていく過程で記事の投稿や本の出版に出会えた。
〈遠回りが一番の近道〉
よく耳にする言葉だけど自分がその遠回りにいる時はそれとは知らず苦しいものだよね。
驚いたことに仕事には「文字に縁のある仕事が良い。転職も今から良い時期でしょう」とある。
自営の私にとって転職とは仕事の内容を変えること。
苦しみながらも幸いいろんな学びを得ることができ、それを持って今も試行錯誤している。また新しい形で前へと進む時が来ているのかもしれない。
さらに驚いたのが旅行について。
≪西の方角の花のある場所に幸運アリ≫
ありがとうございます。今年、吉方取りにて西への旅行を二度ほど計画中です。
すごいよ、すごいよ、すごいよ、すごいよ。
やっぱりお御籤って私を助けてくれるエネルギーからのメッセージが書かれている。
たくさんの勇気をくれたお御籤に誓います。
私、これからも前進します。
さぁて次はたぁの番。まずはお守りを確認してみると大黒天様だった。
「僕もこれ初めてもらう」
大黒天様のご利益と言えば財福や五穀豊穣や出世開運。一生懸命仕事に励んでいる彼に相応しいチャームだ。
そしてお御籤はというと、小吉。大吉をよく引く彼にしては珍しいなぁ。
文字は「努」
≪毎日もう少しずつ務めてみて、進んでみよ≫
だけど彼、仕事は私以上に励んでいるんだけど・・・・・・あっ、多分。
「『ギターの練習これで終わり』と思ってからもう5分頑張れって意味なんじゃない」
ギター練習に熱心なのだけど、たまにその時間が動画やネットウィンドウショッピングに使われている。
金運には「収入も増え、生活も安定、これを機に貯蓄せよ」とある。
大丈夫、ちゃんとしています。
「私はこのお御籤持って帰るけど、たぁはどうする?」
「僕はここに置いていく」
大切な伝言を今日もありがとうございます。
無空真実の電子書籍です。よろしくお願いします。
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