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MR見ないけど新築マンション紹介その2 〜セントラルエアシティ〜

安めの部屋なら現居よりちょい足しで買えそうで立地や間取り等は若干良いなあと思う物件ですが、現居売っても諸費用で相殺くらいの含み益しかなさそうだし、30年固定金利はこの市況では手放したくないし駐車場確保がネックになりそうだし…とて買い替えする気は起きないのでMRには行きませんが、勢いで書いてみたいと思います。

概要

立地解説

矢向駅から都心へのアクセスについて

矢向駅は都心とは直通していませんが、川崎駅もしくは武蔵小杉駅で乗り換えることで、多くの駅に1回の乗り換えでアクセスすることが可能です。
直通路線を選んでも転職や異動等で職場が変わって直通で通えなくなるケースが多いですし、配偶者や将来の子供の通学…これらを全部直通にはできない
ならばいっそ大体のところへ1回乗換で行けるならそれもアリ…と割り切れるならオススメしやすいです。

またこの地域で検討される方は横須賀線で都心多方面に直通の新川崎駅周辺と比較される方も多いかと思いますが、乗車待ち+電車の所要時間の平均で見ると、だいたい5分程度の差となっております。
横須賀線より南武線のほうが本数多いこと、川崎からの東海道線が横須賀線より早いことで乗換の不便を少し相殺してくれます。

特筆して早くアクセスできるオフィス街はありませんが、待ち時間込み・ラッシュ時平均でも駅to駅で30〜40分前後でアクセスできる場所の多さは、他の近郊の街と比べると意外と良いほうです。
山手線の西側だと所要時間差が10分前後あり少し駅から遠くても新川崎駅の利用価値が高いですが、それ以外は矢向からでも便利でしょう。

駅徒歩について

表記では矢向駅徒歩8分で、フラットアプローチです。歩道は部分的な整備ですが、交通量は少ないです。
ただし駅舎まで(朝は開かずの)踏切もしくは跨線橋を渡る必要があります。南武線は川崎市内は高架化計画がありますが、矢向駅は(横浜市内ゆえに)対象外で、改善の計画がないのはネックと感じるかもしれません。

駅舎へはこの踏切か陸橋を渡ります。駅の停車前から踏切が鳴り、車庫線もあって幅が広いため閉まる時間は長めです…
矢向駅の陸橋からの眺めは個人的に好きですが…

買い物環境について

スーパーのライフと隣接しているのが大きな強みになります。価格は標準的ですが、この地域としては少し高級な商品の取り扱いもあり、2階では日用品も充実してるという幅広さが特長と感じます。またオリジナルブランドのものは廉価です。

吹き抜けとカフェまであり、中々お洒落なデザインです
2階は化粧品や日用品ベビー用品寝具や衣類など…ドラッグストアと生活雑貨屋としての機能も有しています

廉価な生鮮食品が欲しい場合は駅前の食品館あおばや八百屋のやおまさ、肉のハナマサを利用すると良いでしょう。駅からの導線と反対側ですがドンキも近いです。
その他チェーン店はマックやサイゼリヤ・松屋やドトール、テイクアウトはオリジン弁当や吉野家やピザーラなどもあり、マイナー駅の割には苦になりにくい環境と思います。

周辺環境

大規模スーパー隣接の大規模物件でありながら、落ち着いた住宅街が周りに広がっている点が特徴的です。矢向エリアでは珍しくないですが、駅距離と静かさのバランスを取れるのはマイナー駅最寄りならではでしょうか。
また飲食店については個人商店を中心に少なくありません。矢向駅周辺だけでなく、塚越商店街にもカフェや昔ながらの定食屋、カレー屋などがあります。

駅前の眺め。こぢんまりとしてますが店は少なくありません。チェーン店も写真の範囲外ですが駅前に集まっています。
矢向駅東側の商店街マップ。主に個人経営の店舗が集まってます。

また隣の志らくの湯も本当に東京近郊とは思えない秘湯のような雰囲気で、お食事処もお蕎麦が素晴らしいです。

志らくの湯

公園は徒歩10分ほどのところに大きな南河原公園があり、近くにも遊具のある公園が点在しています。

南河原公園は遊具もスペースも大きくて、体を動かしやすいです。
セントラルエアシティの目の前にも、他のマンションが管理する立ち入り自由の公園があり、しっかり遊具もあります。

また大きな買い物等はバスや自転車で川崎が便利…とてもバランスが取れていると思います。

災害耐性

水害については多摩川水系で浸水深0.5 ~ 3m・12時間以内の予測、鶴見川水系は無しです。
1階住戸を選ぶには少し気になる条件ですが、この地域としては悪くない条件なので割り切りやすいと思います。

一方で地震の揺れやすさについては読みづらいところがありますこの地域は大昔は古多摩川の川底だったため、地盤の柔らかい沖積層が30m以上とかなり厚いです。
沖積層の厚さと地震の揺れやすさは比例するのでこの情報を基にすると揺れやすいことになりますが、J-SHISで公開されている地盤増幅率(=揺れやすさ)は1.7程度です。これは東京近郊の中では平均的な数値になります。実際にはどうかは何とも言えないので、信じたい方を信じるしか無いでしょう。

参考:
川崎市洪水ハザードマップ https://www.city.kawasaki.jp/530/page/0000018174.html

地震の揺れやすさ
J-SHIS https://www.j-shis.bosai.go.jp
多摩川低地の沖積層アトラス https://www.gsj.jp/researches/project/coastal-geology/miscellaneous-map/miscellaneous-map042.html

学区

戸手小学校→御幸中学校です。小学校は徒歩2分程度の近さですが中学校は徒歩15分弱でしょうか
同じ小学区内を見ると大規模マンションは築20年近いオーベル川崎ガーデンズとオーチャートプラザのみです。
子育て時期的に被るものは無く、また一度受け入れた経験もあるというのは大規模新築を選ぶ上で心強い要素と思います。
(大規模マンションが同時期・同一学区に集中すると児童数が急増するため、狭隘化や受け入れのための苦労が生じやすい)

また小中規模の分譲マンションは築浅メインでいくつかあるものの、戸建ても多く新旧入り交じる地域です。市営住宅はほとんど見当たりません。

一方で中学校の御幸中学校区はかなり駅遠地域の割合が高いため(戸手小学校区以外はほぼバス便)戸建てが多い地域となります。また大規模な市営住宅も含まれる学区となります。

仕様

まずディスポーザー付きです。周辺の大規模マンションと合わせたお陰でしょうか。
またLow-Eガラスを採用し「ZEH-M Oriented」水準の断熱・環境性能であること、部屋までハンズフリーで解錠可能なのは新築マンションならではの良さでしょうか。
あとは可も不可も無い相応のものに見えますが、給湯器がリースなのは少し気になります。

周辺マンション紹介・比較

セントラルエアシティの坪単価は300万円程度でしょうか。他の中古マンションと比べると少し高いですが築年数等も加味すると中古物件と比べて違和感がないと思います。
また住戸位置による価格差が大きいので、位置に拘らずに築浅中古のお値段で住むという戦略もとれますし、少し割高でも中古マンションでは中々お目にかかれない好条件の位置を選べる良さをとれるのも良いと感じます。
断りが無い限りは2023年後半を基準に相場を記載しています。

ザ・ミレナリータワーズ

矢向徒歩7分〜、2007年築、坪230万円前後

駅距離・スーパー近接・大規模・同一学区など、条件が似ているマンションです。ただしこちらは(当時は高さ制限が緩かったことから)20階建てとなっており、空地にゆとりがあります。
そのため自走式駐車場を多く設置できたり緑地が多いこと、そして眺望に優れる住戸が多い点が特徴的です。

デザインについては色々意見あると思いますが、この地域ではかなり目立ちます。

川崎神明町エリア

オーベル川崎ガーデンズ、オーチャートプラザ
矢向徒歩7分〜、川崎徒歩15分〜、2005年築、坪230万円前後

クレストレジデンス川崎神明町
矢向徒歩8分、川崎徒歩15分、新築、坪340万円程度

アデニウム川崎
矢向徒歩8分、川崎徒歩15分、2014年築、坪260万円程度

神明町エリアの場合、川崎駅により近づくことで徒歩でもアクセスできる距離感(15分程度)となってきます。また24時間営業のスーパー西友が近くにあり、幹線道路にはやや近づくもののさいわい緑道と南河原公園が近いバランス感も魅力的でしょう。

南河原公園近くの緑道。植栽と遊具が嬉しいです

そのためココよりも少し築年に対する相場が気持ち上がりますが多くの方が並行検討できる範囲であるため、川崎駅の利用頻度が高い場合、歩ける場合はこちらも合わせてチェックすると良いでしょう。

クレストプライムレジデンス

新川崎駅徒歩15〜19分/矢向駅徒歩8〜11分、坪260-270万円前後(中古)、坪300-310万円前後(新築)

価格帯も駅距離も当物件と近く、規模がかなり大規模となります。ただし駅の東側・西側という違いがあります。これにより立地の性格がやや異なっております。

■メリット:

  • 郊外型の大型店舗が徒歩圏 → 島忠やOK・ヤマダ電機擁するクロスガーデン川崎、激安スーパーのAVEなど

  • 新川崎駅・鹿島田駅に近づく(棟によっては徒歩圏)→ 診療所や塾・習い事、保育園幼稚園は新川崎・鹿島田駅が使えると選択肢が大きく増える。矢向駅は半分横浜市ゆえ保育園の選択肢が少ない。

  • 新川崎駅および島忠・サミットへは広い歩道が整備されていて、子供と歩いたりランニングしやすい

  • 駅舎まで踏切もしくは跨線橋を渡る必要がない

  • 小学校が敷地隣で、特に新設かつ学区が物件単一になる予定

  • 15階建で住戸によっては眺望良好

■デメリット:

  • 矢向駅から陸橋を渡るのでフラットでない

  • やや駅距離が伸びる

  • 川崎駅からのアクセスは劣る → 自転車だと距離が伸び、バスだとバス停から離れ本数減ったり時間増えたり…

  • 棟によってはスーパーや公園などの生活利便施設からやや距離がある

  • 棟によっては線路が近くやや騒音環境が悪い

  • (個人経営の)飲食店などの選択がやや少なくて全体的に遠め

  • 全体的に周辺施設の夜の閉店時間が早い

また設備面では、クレストプライムレジデンスの方が規模感を活かした共用設備作りが出来ている一方で、(棟によっては)共用施設への距離感が気になったりハンズフリーキー導入や断熱など最新トレンドへの追従が遅れているのが気になる点でしょうか。

総評としては、クレストプライムレジデンスのほうがより幼少児の子育て最中の世帯に対してはメリットも多い一方、それ以外の世代だとこちらの方がメリットに感じやすいと思います。
また子育て最短の世帯でも、夜遅い日もある共働きだったり生活利便重視もしくは下町を楽しみたいタイプだと、こちらの方が良いと感じることも多いでしょう。

総評

都心直通でないマイナー駅最寄りであるためなかなか注目されにくい立地ですが、よく見ると坪300万円の中ではバランスが良いと思います。
東京駅から家まで40分で新築坪300万であれば他にも選択はありますが、品川や渋谷、虎ノ門や浜松町、目黒五反田渋谷…など都心の南側を中心とした複数の通勤利便を取ると中々他にない選択になると思います。
そして単に通勤しやすいだけでなく、商業利便・生活環境・子育て環境…客観的に見て小学校とスーパーが至近なのは良いと思いますし、個人経営の飲食店や温泉など楽しみ要素も適度に散りばめられてかつ騒音環境も良いとなれば尚更です。
個人的には新川崎駅遠よりも少し相場は上がりますが、それ以上に便利な立地と思います。トータルの通勤時間は変わらず、商業利便もある程度確保できるようになり、川崎も使いやすい距離感が頼もしいと感じることでしょう。

ただし一点注意事項があります。矢向駅は駅前は他の駅とも比べて駅前再開発のポテンシャルが低いです。鹿島田や平間は高架化計画が進んでいるのにこちらだけ無いですし、纏まった土地も無ければ老朽化した建物も纏まること無く個々に建て替えられている現状があります。
一方で、規模感のあるマンション供給はコンスタントに多いというバランスの悪さを抱えています。
この需給バランスの悪さが生活利便の割に安く買える理由となっている一方で、住みながら投資や値上がり期待での購入には向きません。大規模&徒歩10分以内の競合物件がいくつもあるため、頭一つ抜けた中古価格で売るのは難しく、売りの多さの分だけ買い手の層の厚さが必要なため、将来の買い手は先細りしながらも人数の多い中流の家庭が中心になると想定します。各世帯の所得や資産が二極化する世の中ではリセール上不利な条件と言えます。

けど家族構成も決まり、ある程度腰を据えて落ち着いた住居費・環境で住める場所を探したい、という目線で見てみると意外と惹かれるかもしれない…そんな場所です。

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