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【読書メモ】バフェットの銘柄選択術(メアリー・バフェット)

投資系読書のメモです。

リーマンショック以降、長らくグロース株投資が最も効果を上げてきた投資手法だったと思いますが、このコロナバブルがはじけた後はバフェット氏が得意とするバリュー株投資が効果を上げる世界になると思い、今回この本を読んでいます。

参考になったら♡をお願いします。

▶コンシューマー・モノポリー型企業を探そう

バフェットは銘柄を2種類に分ける。

コモディティ型:
差別化されていない低付加価値商材を扱う。
往々にして長期借り入れが多く、成長性に乏しいので買ってはダメ。
コンシューマー・モノポリー型
強いブランド価値を持つか、独占的地位を築いている

コモディティ型の避け方
コモディティ型銘柄を見分けるには8つの特徴が当てはまらないかを確認すればよい。

■よくあるコモディティ企業の特徴
1)低い売上高利益率と低い在庫回転率
2)低いROE
3)ブランド価値が低い
4)競争相手が多い
5)労働組合が強い
6)大幅な過剰生産能力
7)不安定な利益
8)収益が設備稼働率に依存している

コンシューマー・モノポリー型企業の特徴
コンシューマー・モノポリー企業であっても短期には悪材料で株価を下げることはある。しかし、強いファンダメンタルズがあるため立ちなおるため長期で保有すればよい。

■コンシューマー・モノポリー型企業か見分ける質問
1)株主資本を全て配当で投資家に還元した時に何らかの価値が残る
2)豊富な資金と有能な経営者を集めたとしても倒せるような会社を作れない
3)利益度外視の競合が現れても大したダメージを受けない
4)商材のユニークさや品質が購入の決め手になっている

▶コンシューマー・モノポリー型企業の見分け方

バフェットが強いファンダメンタルズを持つ企業を探す際に、次に挙げる指標を使って候補を絞り込む。

■強いファンダメルズ8つの基準
1)消費者独占力を持つ製品・サービスがあるか
2)EPSが力強い増加基調にあるか
3)多額の負債を抱えていないか
4)ROEは十分高いか
5)現状維持に内部留保利益の大きな割合を再投資する必要はないか
6)内部留保利益を新規事業や自社株買戻しに自由に使えるか
7)インフレを価格に転嫁できるか
8)内部留保利益の再投資による利益が株価上昇につながっているか

この基準であぶりだした後に分類すると、典型的なコンシューマー・モノポリー型企業は大体4タイプに収斂する。

■コンシューマー・モノポリー型企業の4分類
1)定期的な買い替え需要が発生する強いブランド力がある商材で、販売業者が扱わざるを得ない製品を作る事業
例:コカ・コーラ、P&G
2)他の企業が事業継続のために持続的に使用せざるを得ないコミュニケーション関連事業
例:独占メディア(ガネットカンパニー)、インターパブリック
3)企業や個人が日常的に使用し続けざるを得ないサービスを提供する事業
例:確定申告SaaS、アメリカンエキスプレス
4)宝石・装飾品や家具などの分野で、事実上地域独占力を持っている小売り事業
例:ウォルマート、宝石屋チェーン

こうした銘柄を絶好の買い場で買うことが大事。多くは4タイプの買い場パターンがある。

■買い場の4パターン
ケース1:相場全体の調整や暴落
一時的な悪材料×下げ相場が絶好の買い場となる。
相場調整後1~2年の回復期に投資収益率が劇的に良くなる。
ケース2:全般的な景気後退
景気後退のなかで不当に株価を落としている銘柄を見つける。
例えば、過度に保守的な財務政策やガイダンスが財務諸表へ現れることで市場から過度に評価を落とされた銘柄を見つける。
ケース3:個別企業の特殊要因
大型な保険事故や一時的な方向性違いによる業績悪化による株安の場合、財務が傷ついていたとしても回復が見込めるため買い。
ケース4:企業の構造変化
合併・リストラ・組織再編に伴う減益・赤字も本質的ではないので「買い」のシグナルとなる。

▶実際の買い方

実際に買う時には以下のチェックをしてから買うべき。

①利益が安定して成長しているか
EPSを過去10年分見て、ボラティリティが低いことを確認する。
安定成長している銘柄を買うべきで、直近一時的な理由で利益が急落している会社は買い銘柄となる。

②買値は可能な限りの安値か
投資の収益率は買値で決まっているようなもの。
急いで買わずに、本当に可能な限りの安値で買えているか考える。

③EPSは伸びているか
EPSのCAGRを見る。加速していれば良い傾向。
直近1年程度「だけ」の利益の落ち込みがあれば、それは除外して考える。

④安全な投資以上の利回りが期待できるか
最も安全な国債の利回りや、値崩れを起こしにくいETFへ投資するよりも高い利回りが得られそうな投資か自問する。

⑤直近自社株買いがあったか
自社株買いはEPSを高めるので、株価上昇の効果がある。
もし自社株買いを進めている会社であれば、より期待できる。

⑥財務操作が無いか
自社株買いでEPSを強引に上げているケースもあるので、税引き前利益の変動とEPSの変動をあわせて確認する必要がある。

▶良い商品が無い時はアービトラージ戦略

バフェットはコンシューマー・モノポリー型企業への投資以外にも、M&Aに乗じて行うアービトラージ戦略でも多額の利益を上げてきた。

公表された1株当たりの現金分配額と市場株価に差分が生じた場合、この差分が投資家利益になる。
公表済みの案件に対して愚直にこの戦略を積み重ねていくことで、十分大きな収益を挙げられる。

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以上です。


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