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PDCAとOODAを組み合わせて  新見正則

トップガンマーヴェリック

トップガンマーヴェリックを映画館に観に行きました。もう、何回観たかわかりません。

映画のなかで “Don`t think. Just do.” 「考えるな!行動しろ!」というセリフが度々でてきます。主人公のマーヴェリックは操縦中のアクシデントで親友のレーダー要員、グースを失いました(トップガンの1作目)。

その息子のルースターを僚機として命がけの任務に飛び立ち、マーヴェリックはルースターの撃墜を阻止するために自分が打たれてパラシュートで脱出します。

ルースターはマーヴェリックを救うために戻って来ますが、ルースター自身も撃墜されます。その時、マーヴェリックが「命を救ってやったのに、なにやってんだ!」と問い詰めると、ルースターが、「教官のあなたは、“Don`t think. Just do.”と言ったじゃないか」と答えます。

僕の好きなシーンの1つです。

漢方も、出版もPDCAの連続だよ

症状から漢方薬を選択する方法はブラックボックスだと度々述べています。だからこそ、PDCAサイクルを回すのが勉強だと僕は語っています。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(行動)、Check(評価)、そしてAction(改善)のことで、AからまたPに戻ります。

この繰り返しで、いろいろなことが進歩するという行動規範です。僕は実際にこの25年間、西洋医学的治療をしても困っているという患者さんに、漢方薬を処方して(PDCAサイクルを回して)、たくさんの患者さんを治療してきました。

25年続けてわかったこと

25年続けて、辿り着いた結論は、これまでの人は「簡単なことを難しく説明している」という思いです。そんな思いがあって、モダン・カンポウという概念を創り上げました。その後、フローチャート漢方薬シリーズとなりたくさんの書籍を出版しています。

最初の書籍は「フローチャート漢方薬治療」です。発刊から13年になりますが、大きな訂正もなく、数十回にわたり増刷されています。いまでも、まったく古びていません。訂正がない理由は僕の師匠である松田邦夫先生を徹底的にパクっている(TTPしている)からです。

大切な決断は自分の直感を信じる

さて、僕の人生は確かに、いろいろな場面でPDCAサイクルを回してきました。しかし、僕の人生の重要な決断は、そしてちょっとした決断も、実はPDCAサイクルは回していません。直感で決めています。

直感を助けるOODA!

そんな意思決定の方法のひとつが、OODAループと呼ばれます。Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(実行)を回すのです。OODAループは1970年にアメリカ空軍の戦闘機パイロットであったジョン・ボイドが提唱した航空戦術が発祥と言われます。飛行機の空中戦では、考えていては打ち落とされるのです。ですから、直感が大切なのです。

オックスフォード大学への留学を決めたのも直感でした。5年間の留学後にセカンドオピニオンを日本で最初に保険診療で始めたのも直感です。そしてセカンドオピニオンを通じて西洋医学的治療で治らない人をたくさん目の当たりにして、当時はまったく信じていなかった漢方薬を使い始めました。これも直感です。理由は漢方薬が保険診療だったからです。

そして、PDCAサイクルを回して、自分なりの結論に辿り着き、書籍の出版にあたって新興医学出版社とのご縁も直感で決めました。

僕の人生はPDCAサイクルを回すことと、OODAループの組み合せで成り立っています。そして、多くの人のヘルプに支えられています。

そんなことを、久しぶりに映画館でトップガン マーヴェリックを観て再認識しました。


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