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瀬戸内国際芸術祭2022に行ってきました【写真付き】

先週、瀬戸内国際芸術祭2022のスペシャルなツアーに参加してきました。瀬戸内の島々は何度か行っているけれど、瀬戸芸会期中に訪れるのは今回が初めて。

旅のテーマは「文学とアート」。一緒に参加した素晴らしい方々とたくさんの話を楽しみながら、テーマの壮大さに相応しく刺激的な時間でした。

Day1 犬島・豊島

犬島精錬所美術館

自然エネルギーを活用して設計された美術館

はじめに訪れたのは、犬島。犬島精錬所美術館には三島由紀夫を題材とした作品が並んでおり、ツアー参加者には三島の「太陽と鉄」が課題図書として課されていました。

美術館の入り口
100年前の姿は、まるで遺跡のよう
およそ100年前に停止したという発電所

「太陽と鉄」を読んでいたからか、数時間の密度がとても濃かったです。行ったことがある方はわかるかもしれませんが、美術館の中で「ちょっと後ろを見てみて」と言われた時のはっとさせられた感覚は、忘れられません。自分がいかに前だけしか見ていないか、ということに気付きました。ぜひ行ってみてほしいです。


犬島ホッピーバー

美術館を後にし、犬島ホッピーバーで小休憩。その名の通り、ホッピーが楽しめるバーですが、建築家の妹島和世さんが監修したというお店はとても気持ちが良かったです。「太陽と鉄」と犬島精錬所美術館で感じたことをみんなでシェアしながらいただく「島赤紫蘇」や「島モピート」は最高でした。

この岩は、犬島を代表する花崗岩。ここまで引きずってきたとか。


豊島事件(産廃問題)を知る

豊島へ移動し、まず向かったのは豊島の産業廃棄物不法投棄事件があった現場。住民会議の方に特別にご案内いただき、美しい島やアートの裏側には、島が抱える歴史的な問題があったことを思い知らされました。

僕はこの豊島事件を生で見ている世代ではないのですが、この歴史を風化させないためにも、豊島事件の歴史的背景について少し調べてから行くことをおすすめします。

当時産業廃棄物が山のように積み上がっていた現場。
自動車解体過程において発生するシュレッダーダスト。
豊島住民会議の石井さんに、ご案内いただきました。


宿は「ウミトタ」

この日の宿は、ウミトタ。運が良く、予約の取れない人気宿に泊めてもらうことができました。

ウミトタの外観

目の前は美しい瀬戸内海。裏には黄金色の田んぼ。海と田。静かな自然のBGMに包まれながら、素敵なインテリアに囲まれて飲んだお酒は最高に贅沢でした。

本当は、中の写真を見せたいのですが、泊まってみてのお楽しみということで投稿できないので、ぜひ泊まってみてください。

ウミトタの横の施設で三島由紀夫を振り返り、さらに議論が深まりました。

夜は、海のレストラン。美味しいオリーブ牛とワインを楽しみました。


Day2 豊島・男木島

ウミトタで目覚める朝。田んぼを見ながら飲んだ水が美味しかったです。その後、豊島美術館の周辺を朝ランしました。1kmくらいでしたが、最高に気持ちよかったです。


唐櫃の清水

豊島美術館に行ったことはありましたが、豊島美術館がなぜあの場所に、そしてなぜあのような作品になっているのかの本当のルーツをたどりに、清水霊泉へ。

島の人々が、古くから水を大切にしてきたことを学びます。


豊島美術館・唐櫃(からと)棚田

唐櫃棚田から眺める豊島美術館と瀬戸内海。

豊島美術館の横には唐櫃(からと)棚田という美しい棚田があります。この棚田は、「棚田プロジェクト」をきっかけに開墾と整備を行い、今の姿を取り戻したそうです。

棚田さんぽ

豊島美術館に、棚田と水の関係性を知って行くのと知らないで行くのとでは、美術館の存在意義の理解度が大きく変わりました。


男木島へ

次に向かった先は男木島。男木島は、アートのあるエリアが密集していて回りやすかったです。今年新しくできた「男木島パビリオン」や、「漣の家」など時代の背景をアートにした作品を見て回りました。

男木島パビリオン
漣の家

男木島パビリオンを目指して道を進んでいきましたが、犬島の学びを活かし、「後ろを振り返りながら」山を登るとどんどん景色が綺麗になっていきました。


男木島図書館

看板が可愛かったです

次に向かった先は、男木島図書館。このツアーのもう1つの課題図書は、ヘミングウェイの「老人と海」でした。その老人と海にルーツがあるという男木島図書館は、島の人々の憩いの場になっているようでした。

蔵書のセレクトが良い
男木島図書館の福井さんご夫婦にお話しいただきました


屋島

何も加工していない、そのままの写真

この日は、男木島から高松に戻り、クライマックスは屋島。車で屋島の山上に向かい、待ち受けていたのはこの瀬戸内海の絶景です。天気も良く、綺麗なマーブルオレンジに輝いていました。

自然こそが、最も美しい作品ですね。


Day3 小豆島

瀬戸芸ツアー最終日は高速船で小豆島へ。久しぶりの小豆島。これまで巡ってきた島々とは異なり、人口約3万人の小豆島にはコンビニも、ドラッグストアも何でもあります。

ゼロ

1番印象に残った作品は、台湾の作家、王文志(ワンウェンチー)さんの「ゼロ」。竹4,000本で作られた建築物には、コロナ禍で壊れたり、乱れたりしたものをリセットする気持ちで、作品を通じて自分の原点と向き合ってもらいたいというような想いが込められています。

ワクワクしながら入ります
光と影が美しい
天井には穴が。ゼロ(0)を表しているのかな
気持ちはよくわかります。ずっとこうしていたい
木漏れ日が揺れるのをずっと見ていられます
竹のトンネルを抜けて出口へ

ずっと寝っ転がっていたいくらい、気持ちよかったです。靴を脱いで入るので、竹踏み効果で足の疲れも癒やされました。


ダイダラウルトラボウ

今年できた作品「ダイダラウルトラボウ」。最初は、なんだこの作品?と思ってしまいましたが、見ているうちに人間味を帯びてきて、一緒にぼーっと海を眺めているうちにすごい愛着が湧いてきて、不思議な作品でした。


その他の作品たち

潮耳荘
ヒトクサヤドカリ
辿り着く向こう岸

この日オンラインで大事な打合せがあったので、一足先に高松に戻ってきました。

いやー、本当に満足度が高かった。こういうツアーを外国人に体験してもらいたいし、それ以前に、日本人として瀬戸内海の島々にはこれだけの日本の魅力が詰まっているということを味わってもらいたいと心から思いました。

あまり説明的にせずに、写真中心にまとめたつもりです。ぜひ行ってみて感じてみてください。

改めて、このツアーを企画してくれたえんさんや、一緒に回ってくれた素敵な皆さんに感謝したいです。

瀬戸芸最高!

サポートありがとうございます!会社のメンバーに回らない寿司をご馳走してあげられるくらいでっかくなりたいです。