新濃栄治

ご覧いただきありがとうございます。ちょっとした出来事をつらつらと記事にしています。

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マガジン

  • 卒業アルバムというパンドラの箱

    卒業アルバムという思い出にまつわる話をダラダラとまとめてます。

最近の記事

第1章 邂逅 vol.10 捻転

高3の頃には懲りもせず新たな人に片思いをしていたが、本題とは関係ないので割愛する。 ちなみにこの人にも最終的に告白できていない。まるで成長していない。 高校卒業後、浪人となった。 僕が通っていた高校の当時の現役合格率は3割程度で残りはほぼすべて浪人だったため、僕もとくに抵抗なく浪人となった。私立校に通って浪人だなんて穀つぶしも甚だしい。予備校は現役時代に引き続いてS予備校にお世話になった。 今はどうだか知らないが、当時のS予備校は設備はともかく講師陣が非常に魅力的でとくに浪

    • 第1章 邂逅 vol.9 暗黒

      「が」ではない。「も」だ。 中3当時の状況を整理しておくと、隣ではあるがクラスが違ったことによって岡部との接点はほぼ皆無であった。3年生の時の彼女との記憶はまったく無いと言っても良い。またNとは前述のとおり同じクラスになったことでそれなりの接点があったが、一度終わった関係が再度築き上げられることもなく僕自身も好感は持っていたものの恋愛感情のそれとは違うことでどこか冷めた関係となっていた。大人の関係と言うと意味深になってしまうが、良くも悪くも昔よりも少しだけ成熟した関係と言う

      • 第1章 邂逅 vol.8 苦難

        最終学年。 学校生活のクラス分けにおいて重要なのはとどのつまりここしかなかったというのは大人になって分かる。卒業アルバムに記録されるのはそれしかないし、卒業後に何度か集まったこともあったがそれも3年生の時のクラスが基本単位になっていた。1、2年で一緒のクラスでなかったとしても3年生の時に一緒になればソウルメイトになれる可能性は十分にあったし、逆に言えば3年生のクラスが違えば2年かけて積み上げたものがあっさりと消えることになる。そして勝負弱い僕はそこを外してしまった。もっとも

        • 第1章 邂逅 vol.7 悪戯

          異性に年賀状を書く。 中学生にとっては一大決心だったと思う。 僕が初めて女子とやり取りをしたのが前述のNとの時で、その時の詳細は以前の記事を参照して欲しい。僕からの年賀状は無難なものだったが、Nからの年賀状は無難なものではなく大人が見れば告白だと分かる内容だった。親に見られたら・・・と思うが、うちの両親は僕がそういうのを見られるのを子供の頃から極度に嫌がるのを知っていたし、当時は年賀状の家族への振り分けを担当していたのが僕だったので、多分見られていない。 一方中2の時は僕が

        第1章 邂逅 vol.10 捻転

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        • 卒業アルバムというパンドラの箱
          10本

        記事

          第1章 邂逅 vol.6 接近

          クラス替え。 それは生徒の生殺与奪の権を握ると言っても決して大げさではない。高校だと選択科目や進路志望の関係でクラス分けされることも多く、生徒側からある程度恣意的なものが入り込む余地もあるが、公立の小中学校の場合は基本的にランダムに分けられるのでまさに運否天賦としか言いようがない(もちろん様々な要素で判断されることは知っているが、一生徒の立場から見れば選択の余地はほとんどない)。ちなみに僕の中学校は一学年が240人弱で6クラスであった。6つのクラスで3学年だとパターンは6の

          第1章 邂逅 vol.6 接近

          第1章 邂逅 vol.5 齟齬

          噂話。 中学生がするそれはさすがに悪意から出たとは思わないが、少なくとも善意からは出ていない。一体どこから出てくるものなのか。興味だったり妄想だったりいろいろあるんだろうが、基本的には下世話なものだ。 僕の中学校でもクラス内外でさまざまな噂が大小それぞれの大きさで広まっていた。今となっては逆に自慢したい気持ちにもなっているが、僕とNの噂は多分当時の学校内で最も広まった噂だ。僕が知る範囲でも学年を超えていた。クラス担任ではない先生(教科担当の先生)にも一度直接聞かれたことがあ

          第1章 邂逅 vol.5 齟齬

          第1章 邂逅 vol.4 二人

          もう一人の同級生。 彼女のことはNと呼ぶことにする。今度は名字ではなくイニシャルだ。これにも理由がある。 前回、異性は名字で呼び捨てにするのが一般的だと書いた。ただ僕は彼女のことを名字で呼んだ記憶がない。かと言って名前で呼んでいたわけでもない。どういうことか順を追って説明していこう。 Nと初めて出会ったのも中学1年の時に同じクラスになったことがきっかけだった。彼女も僕とは別の小学校で、彼女と岡部は同じ小学校だった。当然のことながらこれは他の同級生も含めてのことだが、小学校

          第1章 邂逅 vol.4 二人

          第1章 邂逅 vol.3 辻褄

          初恋の人。 彼女のことを仮に岡部と呼ぶことにする。なぜ名前ではなく名字で表記したかと言えば、僕が彼女のことを名字で呼んでいたからというだけの理由である。 地域差や年代差がどの程度あるのかは分からないが、僕が通っていた公立の小中学校では同性の友人は名前の呼び捨てかあだ名で呼び、その他の人は名字で呼び捨てにするのが一般的だった。あるいは同性なら下の名前に君付けやさん付け(ちゃん付け)もあったように思われる。いずれにせよ異性間で下の名前で呼ぶというのは幼馴染とかよほど関係が深いと

          第1章 邂逅 vol.3 辻褄

          第1章 邂逅 vol.2 余燼

          同級生。 学校を卒業してしまえばほとんど使わなくなる言葉であると同時に、歳を重ねるごとに甘美な響きを増す言葉でもある。40代にもなればたまに出会う同学年の人にそれだけで性別問わず妙に親近感を覚えたりするのは僕だけではないはず。そして前回の記事の最後で使ったこの言葉が僕にとって甘美な響きとなるのは、その象徴となる人が初恋の人だからである。 ここで話が逸れるのをご容赦いただきたい。「初恋の人」と書いたが、厳密に言えば小学生の頃にも好きな異性はいた。しかし幼稚園児や小学生が言う「

          第1章 邂逅 vol.2 余燼

          第1章 邂逅 vol.1 実家

          40代後半、男。既婚、子なし。 団塊ジュニアよりちょっと下、いわゆるロスジェネ世代の上の方。 そんなどこにでもいる、おっさんとはまだ認めたくないお兄さんのお話。 なお先に言っておくとこの記事を執筆している時点ではタイトルにある卒業アルバムを開いていない。詳細は後述していくが、卒業アルバムを開くまでのできごとや己の内面の動きを備忘録的に且つなるべくリアルタイムで記していきたいと考えてこのnoteを起ち上げた。現時点である程度のプロットは脳内にあるが、いくつか決めていないことも

          第1章 邂逅 vol.1 実家