見出し画像

23. 【読書編】宇宙兄弟 〜無限の彼方に向かう新しいリーダー像〜 ③

Buongiorno a tutti!

すっかり最終回を書かないままでいた宇宙兄弟シリーズをついに完結します!

前回の記事はこちら↓

・宇宙飛行士のリーダーシップ

さて、そんな『宇宙兄弟』シリーズの第3回は、『宇宙兄弟』を読んでのリーダーシップについて書きたいと思います。

本作の主人公であるムッタはJAXAの宇宙飛行士選抜試験、そしてNASAの試験に臨むことになります。
宇宙飛行士になるには頭脳や運動神経はもちろんですが、チームとして動く力が重要になります。
狭い宇宙船の空間の中、長い場合は1年以上を数人のメンバーで過ごし、研究やミッションを進めていくため、他のメンバーとの協力が欠かせません。
そんな宇宙飛行士を目指す試験の中で、ムッタはいわゆる「リーダーシップ」とは少し違ったリーダーシップを発揮します。

ムッタのリーダーシップについて書かれているのが、長尾彰さん著の『「完璧なリーダー」はもういらない。』です。

なんと現在、HPで読むこともできるみたいなので、興味を持った方は是非ご一読ください。

・2つのリーダーシップ

この本の中では、リーダー像を2タイプに分けています。
1つは「賢者風リーダーシップ」、そしてもう1つは「愚者風リーダーシップ」です。

賢者風タイプはみなさんがイメージするであろう、いわゆる優等生でリーダーっぽいリーダーです。

頭脳明晰で決断力に長け、先頭に立ってみんなを引っ張りながらチームをまとめて いきます。自我や信念、使命感・正義感が強く、周囲の人たちからもそのように「優秀な人物」として評価されているでしょう。
「リーダーとはこうあるべき」という明確な観念があるので、その理想像に自分を寄せていくために惜しみない努力をします。チームのメンバーにとっては頼りがいがあり、とても心強い存在です。

宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。 P. 56

一方、愚者風タイプはまったく別のリーダーシップを発揮します。

先頭に立って引っ張るというよりは、「どうすればいいと思う?」と、チームや相手の意見を聞きたがります。具体的なアクションについても、指示や命令ではなく、 「私はこうしたい・こうしてほしい」といったニュアンスで伝えます。
また、自分が完璧でないことを理解しているので、相手にも完璧を求めないし、競争での勝ち負けや優劣をつけることに価値を置かず、常にフラット。
チームのメンバーは、「いつも頼りにしている」という意識はあまりないでしょう。 むしろ「自分が支えている・フォローしている」くらいに思っているかもしれません。
でも、一緒にいるとなぜか物事が「うまくいく」のです。

宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。 P. 57

これまでは前者のような前に立つリーダーが社会的に地位を得て、チームをどんどん引っ張るリーダーが求められていたのですが、多様性が求められるようになった現代には1人のリーダーが成功に導くことができる可能性はどんどん少なくなってきていると思います。

愚者風リーダーはそんな決まった答えがない現代における新しいリーダーの姿です。
主導権争いやマウンティングなどの競争をするのではなく、チーム全体の意見を聞きつつ方針を共創するのがこれからのリーダーシップのあるべき姿だと思います。

愚者風リーダーシップとは、バカなふりをするのではなく、チームを引き立てることのできるリーダーシップのことです。
これからの答えがない時代を生き残ることができるのは、チームを勝たせることができる人だとわたしは確信しています。

『宇宙兄弟』を読んだ後にこの本を読んでいただければ、社会人の皆さんにとってのこれからの働き方や、会社での立ち居振る舞いにもポジティブな影響を与えてくれると思います。

ここで本の内容を全て語っても仕方ないので、あとは皆さんの読書欲にお任せしようと思いますが、まずは漫画としてめちゃくちゃ面白い『宇宙兄弟』を読んでみてください!
そうすればムッタの魅力に気づき、リーダーシップにも興味が湧いてくることでしょう。

宇宙兄弟編はここまで!
それではまた次回、alla prossima volta!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?