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25. 【読書編】知ってるつもり 無知の科学 〜あなたは本当にトイレの仕組みを知っていますか?〜②

Buongiorno a tutti!

前回に引き続き、「知ってるつもり 無知の科学」についてのお話です!

前回はトイレと自転車について、実は知っているようで知らない仕組みのお話をしましたが、では人間は何をもって自分は「知っている」と認識しているのでしょうか?

・知識の錯覚

現代を生きるぼくたちは分からないことや知りたいことがあると、google先生のお世話になることが多いですよね。
そこに「知っている」気分になってしまう理由があります。

筆者はこれを「知識の錯覚」と呼びます。
人間の知識は1人の頭の中にあるのではなく、たくさんの人の知識がクラウドのように集まっており、人類の共通知識となっているのです。

前回のトイレの仕組みをもう一度考えてみましょう。
トイレの仕組みは一般の人たちにはほとんど知られていません。
しかし、トイレを作るメーカーの技術者たちはもちろん専門の知識を持っています。
また、水回りの修理業者もトイレの仕組みについての知識を有しています。
私たちはインターネットや本を通して、そういった知識を持つ人の知識の一部を知り、それをあたかも自分が知っている気になってしまうのです。
ただ、難しいのはこれからです。

・人間は知識を共有する

事象の仕組みというものは本当に複雑で、前回説明したトイレの仕組みを知っただけでトイレのことを知った気になった人はどれくらいいるでしょうか?
サイフォンの原理というものを少しお伝えしましたが、本当にサイフォンの原理について理解をした人はどれくらいいるでしょうか?
水をどれだけ流せばいいのか、排泄物の量はどれくらいまで流せるのか、そしてそこから続く下水道はどのように繋がっていて、どこに流れていくのか。トイレのことを前回の記事で知った気になっていても実際はまだまだ知らないことだらけです。

もちろん僕も少しネットで調べただけの表面的な知識しか有していないのですが、本当の本当にトイレの全てを知っている人はおそらくいないのです。
誰もが誰かの知識を借りて、それが正しいという前提のもとに新たな知識を組み立てていくのです。

1人の知識だけでは限界があります。
全ての学問の知識も発見も、先人の見つけた知識をもとに組み立てます。
大学で書く論文でさえ、参考文献がなければ成り立ちません。
全ての知識を1人で検証して自分自身の知識にしようとすると、頭がパンクしてしまいますよね笑

・まとめ

この本ではこれ以外にも人間が持つ知識への錯覚や共通知識についての話が書かれています。
まあまあのボリュームがあるし読みやすい本ではないですが、人間って本当は何も知らないんだなぁということを知るきっかけにはなるかと思います。
自分が何でも知っていると思う傲慢さがどれだけ恥ずかしいことか。
うんちくとして知恵を蓄えるのは悪くないですが(僕も大好きです)、一方で知っていることだけにフォーカスするのではなく、知らないことにフォーカスすることもとても大事だと気づかせてもらえる1冊でした。

なるべく少ない分量で、ネタバレになりすぎないようにしたので、すごく薄い記事になってしまったかもしれませんが、残りの「知識」はご自身で本を読んで蓄えていただければと思います。

それではまた。
Grazie mille e alla prossima volta!

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